序文 |
第1章 シクロデキストリン化学の歴史と展望 1 |
文献 7 |
第2章 シクロデキストリンの包接錯体形成 11 |
2.1 包接錯体形成の熱力学 11 |
2.1.1 初期の熱力学的研究 11 |
2.1.2 水中でのアルコールの包接 16 |
2.1.3 その他の系の包接 21 |
2.2 理論計算による包接錯体形成とゲストの反応 22 |
2.2.1 CD分子空間の物理化学的性質 22 |
2.2.2 CD分子空間の中でのゲストの反応 28 |
2.3 分光学的アプローチによる包接錯体の化学量論 31 |
2.3.1 1:1包接錯体の生成 31 |
2.3.2 2:1および1:2包接錯体の生成 33 |
2.3.3 1:1包接錯体の会合 33 |
2.3.4 3成分包接錯体の形成およびその会合 36 |
2.4 NMRによる構造解析 39 |
2.4.1 NMRから得られる情報 39 |
2.4.2 水溶液中のCD包接錯体の構造 41 |
2.4.3 水溶液中のCD包接錯体の動的性質 45 |
2.4.4 固体状態のCD包接錯体の構造と動的性質 47 |
2.5 結晶構造 50 |
2.5.1 CD包接錯体の結晶 50 |
2.5.2 CD環のコンホメーション 52 |
2.5.3 CD包接錯体の構造 53 |
2.5.4 修飾CDとその包接錯体 57 |
2.6 円偏光二色性と包接錯体 61 |
2.6.1 CD:ゲスト=1:1の包接錯体のicd 62 |
2.6.2 CD:ゲスト=1:1以外の包接錯体のicd 69 |
2.6.3 修飾CDの円偏光二色性スペクトル 71 |
2.7 分子動力学計算 72 |
2.7.1 分子動力学法 72 |
2.7.2 分子動力学計算を行うための手続き 74 |
2.7.3 分子動力学法の特徴と応用 77 |
2.7.4 分子動力学法の問題点 79 |
文献 80 |
第3章 シクロデキストリンと反応 91 |
3.1 包接錯体形成と反応 91 |
3.1.1 微視的溶媒効果 93 |
3.1.2 コンホメーション効果 93 |
3.1.3 Diels-Alder反応 93 |
3.1.4 選択的合成反応 95 |
3.1.5 精密有機合成反応への利用 99 |
3.1.6 相関移動触媒としての利用 100 |
3.1.7 酵素反応への利用 101 |
3.2 シクロデキストリン結晶と反応 102 |
3.2.1 結晶状態における立体選択的反応 102 |
3.2.2 固相-気相反応 104 |
3.2.3 固相-液相反応 114 |
3.2.4 光または熱固相反応 119 |
3.3 シクロデキストリンの触媒効果 120 |
3.3.1 加水分解触媒作用 121 |
3.3.2 位置選択的触媒作用 123 |
3.3.3 不斉選択的触媒作用 124 |
文献 129 |
第4章 シクロデキストリンの修飾 135 |
4.1 一点修飾体の合成 135 |
4.1.1 一級水酸基の一点修飾法 135 |
4.1.2 二級水酸基の一点修飾法 139 |
4.2 二点修飾シクロデキストリンの合成 147 |
4.2.1 位置異性体 147 |
4.2.2 スルホニル化 147 |
4.2.3 修飾位置の決定 150 |
4.3 キャップシクロデキストリンの合成 156 |
4.3.1 β-CDのキャップ化 157 |
4.3.2 γ-CDのキャップ化 159 |
文献 163 |
第5章 修飾シクロデキストリンの化学 167 |
5.1 NMRを用いる修飾シクロデキストリンの構造決定 167 |
5.1.1 COSYを使った二級側修飾CDの修飾位置の決定法 168 |
5.1.2 修飾CDにおける修飾残基の三次元的位置の決定法 170 |
5.2 酵素モデル 182 |
5.2.1 酵素モデル化合物 182 |
5.2.2 α-キモトリプシンモデル 183 |
5.2.3 リボヌクレアーゼモデル 189 |
5.2.4 トランスアミラーゼモデル 190 |
5.2.5 カルボニックアンヒドラーゼモデル 192 |
5.2.6 フラビン酵素モデル 192 |
5.3 NADH補酵素モデル反応 194 |
5.3.1 有機溶媒を用いるNADHモデル 196 |
5.3.2 水溶液中でのNAD +およびNADHモデル反応 198 |
5.4 シクロデキストリンと電気化学 205 |
5.4.1 CD存在下の電気化学 205 |
5.4.2 エレクトロホア修飾CD 214 |
5.4.3 CD修飾電極 217 |
5.4.4 CD存在系での基質の選択的膜透過 219 |
5.5 シクロデキストリンと光化学 222 |
5.5.1 光物理過程,光物理化学過程における包接の効果 222 |
5.5.2 天然CDの疎水性空洞を反応場とする光化学反応 227 |
5.5.3 修飾CDと光化学 234 |
5.5.4 異相界面におけるCD包接錯体の光化学反応 240 |
5.6 光応答性シクロデキストリン 242 |
5.6.1 アゾベンデン修飾CD 242 |
5.6.2 アントラセン修飾CD 245 |
5.6.3 スチルベン修飾CD 246 |
5.6.4 スピロピラン修飾CD 247 |
5.7 シクロデキストリンとロタクサンおよびカテナン 251 |
5.7.1 ロタクサンおよびカテナンとCD錯体 251 |
5.7.2 低分子線状化合物を用いるロタクサンの合成 254 |
5.7.3 低分子単量体の包接と重合 259 |
5.7.4 高分子の包接とロタクサン 260 |
5.7.5 側鎖にロタクサンをもつ高分子 261 |
5.7.6 CDを含むカテナンの合成 262 |
5.8 蛍光を用いる分子認識センサー 264 |
5.8.1 蛍光性CD 264 |
5.8.2 ピレン修飾CDのエキシマー蛍光 264 |
5.8.3 ダンシル修飾CDによる有機化合物の検出 267 |
5.8.4 TICT蛍光を用いる分子認識センサー 269 |
5.8.5 二置換CDを用いる分子認識センサー 270 |
5.9 色素修飾シクロデキストリン 273 |
5.9.1 ο-およびρ-メチルレッド修飾CD 274 |
5.9.2 ο-MRCDの超分子型サーモクロミズム 277 |
5.9.3 ρ-ニトロフェノール修飾CD 278 |
5.9.4 フェノールフタレイン修飾CD 280 |
5.10 シクロデキストリン2量体 282 |
5.10.1 2量体の協同的包接作用 282 |
5.10.2 ゲストの構造と結合定数 284 |
5.10.3 屈曲配列型CD2量体 286 |
5.10.4 CD2量体の加水分解触媒作用 288 |
5.10.5 CDヘテロダイマー 290 |
文献 290 |
第6章 シクロデキストリンの応用 303 |
6.1 シクロデキストリンの工業生産 303 |
6.1.1 CD合成酵素 304 |
6.1.2 CD混合液の調整 305 |
6.1.3 CD混合液からの各CDの精製 307 |
6.2 シクロデキストリンクロマトグラフィーによる物質分離 311 |
6.2.1 CDを固定相とした物質分離 313 |
6.2.2 CDを移動相とした物質分離 320 |
6.3 シクロデキストリンの工業的利用 323 |
6.3.1 工業的利用例 324 |
6.3.2 法的認可の進展 337 |
6.3.3 CD関連公開特許の傾向 338 |
文献 339 |
事項索引 343 |