はじめに 1 |
第1章 材料分野 破壊事故に学ぶ――小林英男 13 |
事故はすべての人が認める失敗である 15 |
どんなものにも寿命がある 16 |
破壊事故の三つの原因 18 |
教科書にしたい歴史的な破壊事故 20 |
疲労破壊は専門領域をまたぐ部分で起きている 23 |
応力腐食割れ事故はなぜなくならないのか 27 |
破裂事故を起こした複合原因 30 |
破裂事故から得た教訓 34 |
「絶対に壊れない」は嘘 36 |
想定している問題が起こったときは安心 39 |
他分野の破壊事故に学ぶ意義 42 |
失敗知識の共有と伝承 47 |
編者注 48 |
第2章 土木分野 事故にはいろいろ背景がある――松田芳夫 57 |
技術論で語れない土木事故の特殊性 59 |
評価は時代や立場によって変わる 61 |
土木事故は施工途中に起こる 63 |
元凶は作業員の不注意にあるのか 69 |
大事故を招いた背景要因 71 |
土木事故は仮設工事に集中する 74 |
浸水事故はなぜ起こったのか 78 |
全部を見渡せる責任者が求められている 82 |
責任追及を優先すると原因究明ができない 84 |
事故の法則とその克服 89 |
編者注 92 |
第3章 建築分野 起こりうる事態をどこまで想定するか――嵩 英雄 101 |
ハンムラビ法典にも規定されていた建築の失敗 103 |
四つの段階における失敗 105 |
建築の失敗の特徴 107 |
建築の失敗は土木の失敗とよく似ている 108 |
設計の失敗か施工の失敗か 110 |
規定値はあくまで最小値である 112 |
建物の供用開始後の事故 116 |
既存不適格にどう対処するか 118 |
WTC倒壊から見えるもの 121 |
編者注 127 |
第4章 大量輸送分野 鉄道の安全は衝突事故の繰り返しによって高まった――万代典彦 135 |
事故の苦い経験をもとに発展した列車衝突事故防止策 137 |
車内警報装置からATSへ 140 |
ATSの弱点を突いた事故の克服 146 |
ATS-P 149 |
ATS-SN 152 |
原則はシンプル、システムはトータル 156 |
機械はあくまでも人間のバックアップ 158 |
システムと事故の体験をセットにした教育 161 |
編者注 163 |
第5章 システム分野 ゼロから新システムを構築する――宮島弘志 169 |
東京圏でATOS導入が必要だった理由 171 |
輸送管理システムの変遷 173 |
ATOSの特徴 176 |
システム構築は汎用機で 180 |
ダイヤ復旧の考え方を変える 185 |
一ヵ所の障害が全体に影響 189 |
設備増強の落とし穴 192 |
対策を講じたはずだったのに 197 |
指令員の技をどうやって継承するか 202 |
編者注 206 |
第6章 エンジニアの失敗と成長――守友貞雄 211 |
失敗の克服経験が人をつくる 213 |
失敗の瞬間から自己正当化が始まる 214 |
人が介在している失敗は自然現象ではない 216 |
失敗しない人は本当に優秀なのか 218 |
タイムリミットから本当の仕事が始まる 219 |
アクティブな劣等生が優秀なエンジニアになる? 222 |
真の「決断の勇気」とはなにか 223 |
人に聞くのは得である 227 |
エンジニアに求められる資質 228 |
自己実現への欲求が人間を変える 231 |
褒められ叱られながら人は成長する 235 |
失敗体験が知識を生きたものに変える 238 |
「教える」から「学ばせる」へ 243 |
吉田松陰の啓育に学ぶ 245 |
編者注 247 |
第7章 大工の失敗と成長――宮間熊男 255 |
二十年に一度の遷宮を三回経験 257 |
はじめは「技を盗む」 259 |
道具は自分の手の延長 262 |
職人には心技体が必要 266 |
一流と二流の差 269 |
総棟梁の苦労 272 |
実際に失敗しないとわからないこと 275 |
失敗は責めない 277 |
同じ失敗を繰り返す人 279 |
技能を支える環境 281 |
編者注 285 |
おわりに 290 |
はじめに 1 |
第1章 材料分野 破壊事故に学ぶ――小林英男 13 |
事故はすべての人が認める失敗である 15 |