はじめに vii |
1 原子のフロンティア軌道 1 |
1.1 原子軌道 1 |
1.1.1 動径関数 1 |
1.1.2 球面調和関数 3 |
1.2 原子軌道のエネルギー準位 4 |
1.2.1 典型元素 4 |
1.2.2 遷移元素 8 |
1.3 軌道エネルギーに関係する実験データ 9 |
1.3.1 イオン化エネルギーと電子親和力 9 |
1.3.2 電気陰性度と軌道準位との関係 12 |
1.4 原子軌道の広がりと軌道半径 14 |
1.4.1 典型元素 14 |
1.4.2 遷移元素 14 |
1.5 軌道の広がりに関係する実験データ 16 |
1.5.1 原子の半径 16 |
1.5.2 原子の半径はフロンティア原子軌道の半径で決まる 19 |
2 軌道相互作用の原理 20 |
2.1 分子軌道法 20 |
2.1.1 先端科学ではなぜ分子軌道法が使われるか? 20 |
2.1.2 分子軌道法 21 |
2.1.3 重なり積分,クーロン積分,共鳴積分の意味 23 |
2.1.4 種々の分子軌道法 26 |
2.2 軌道相互作用の原理 29 |
2.2.1 縮重がある場合 30 |
2.2.2 縮重がない場合 32 |
2.2.3 軌道相互作用の原理(まとめ) 34 |
2.3 軌道相互作用における電子の役割 36 |
2.3.1 相互作用系のエネルギーは電子数で決まる 36 |
2.3.2 電子数と系の安定化エネルギー 36 |
3 フロンティア軌道論 40 |
3.1 分子軌道とフロンティア軌道 40 |
3.1.1 分子軌道の一般的特徴 40 |
3.1.2 フロンティア軌道の定義と特徴 42 |
3.2 フロンティア軌道存在の実験的証拠 44 |
3.2.1 HOMOとイオン化エネルギー 44 |
3.2.2 LUMOと電子親和力 46 |
3.2.3 フロンティア軌道は光吸収の場となる 47 |
3.3 フロンティア軌道と化学反応 50 |
3.3.1 化学反応が起こる条件 50 |
3.3.2 希ガスの反応性 52 |
3.3.3 有機分子のフロンティア軌道 53 |
4 フロンティア軌道と化学結合 56 |
4.1 化学結合を分子軌道で考える 56 |
4.1.1 化学結合の形成機構 56 |
4.1.2 共有結合とイオン結合 58 |
4.1.3 結合解離エネルギーの大きさ 58 |
4.2 共有結合の強さを支配する因子 60 |
4.2.1 Wolfsberg-Helmholzの共鳴積分の近似式 60 |
4.2.2 共有結合強度の支配因子 60 |
4.2.3 共有結合の強度に影響するほかの因子 63 |
4.3 イオン結合を分子軌道法で考える 66 |
4.3.1 イオン結合の特徴 66 |
4.3.2 重なり積分が小さい事実の検証 67 |
4.3.3 分子軌道が形成されにくい事実の検証 67 |
4.3.4 格子エネルギーの実験データ 69 |
4.3.5 格子エネルギーは軌道間エネルギー差に由来する 69 |
4.4 結合強度とフロンティア軌道 70 |
4.4.1 AH分子の結合強度とフロンティア軌道 71 |
4.4.2 等核2原子分子 73 |
4.4.3 イオン結合の強さとフロンティア軌道 74 |
4.5 電荷移動相互作用とフロンティア軌道 75 |
4.5.1 電荷移動相互作用の定義 75 |
4.5.2 電荷移動相互作用の特徴 75 |
4.5.3 配位結合と電荷移動錯体 76 |
5 フロンティア軌道と分子の安定性 79 |
5.1 分子の安定化におけるフロンティア軌道の重要性 79 |
5.1.1 最大ハードネスの原理 80 |
5.1.2 分子構造と最大ハードネスの原理 82 |
5.2 芳香族性とフロンティア軌道 83 |
5.2.1 ヒュッケル分子軌道法 83 |
5.2.2 1,3,5-へキサトリエンのヒュッケル分子軌道の組み立て 83 |
5.2.3 鎖式共役ポリエンのヒュッケル分子軌道 85 |
5.2.4 ベンゼンのヒュッケル分子軌道の組み立て 87 |
5.2.5 ヒュッケル則(4n+2則)と非ベンゼン系芳香族 89 |
5.2.6 安定な非ベンゼン系芳香族分子 92 |
5.3 芳香族性と最大ハードネスの原理 94 |
5.3.1 シクロプロペニル系 95 |
5.3.2 シクロブタジエン系 96 |
5.3.3 シクロペンタジエニル系 96 |
5.3.4 芳香族分子の共鳴エネルギーとハードネスの相関 97 |
5.4 カルボカチオンの安定性 99 |
6 フロンティア軌道と分子構造 102 |
6.1 分子構造を支配する波動関数 102 |
6.1.1 分子構造は最大安定化で決まる 102 |
6.1.2 分子構造と原子軌道関数 103 |
6.2 結合距離とフロンティア軌道 103 |
6.2.1 結合距離と動径関数 103 |
6.2.2 結合距離の周期性 105 |
6.2.3 フロンティア軌道準位との相関 105 |
6.3 AH型分子の構造 106 |
6.3.1 古典的説明 106 |
6.3.2 分子軌道法による説明 107 |
6.3.3 水分子の構造が屈曲型になる理由 110 |
6.3.4 水分子の非共有電子対は非等価である 113 |
6.3.5 AH型分子の構造と性質 115 |
6.4 AH型分子の構造 118 |
6.4.1 AH型分子のWalshダイアグラム 118 |
6.4.2 アンモニア分子の構造 118 |
6.4.3 AH型分子の構造と性質 121 |
6.5 メタンの構造 122 |
6.6 Walsh則 125 |
6.7 回転異性 126 |
6.7.1 アンチペリプラナー効果 127 |
6.7.2 エタンの安定配座 128 |
6.7.3 エタンの安定配座を支配するフロンティア軌道 130 |
6.7.4 エタン型分子の回転障壁 132 |
6.8 シス―トランス異性とシス効果 132 |
6.8.1 シス―トランス異性の定義と表示 132 |
6.8.2 シス―トランス異性体の安定性 133 |
6.8.3 シス効果の原因は非共有電子対の非局在化傾向 134 |
6.9 ブタンの立体配座とゴーシュ効果 136 |
6.9.1 ゴーシュ効果の定義 136 |
6.9.2 ゴーシュ効果の例 136 |
7 官能基と酸・塩基の強度 139 |
7.1 官能基と酸・塩基の定義 139 |
7.1.1 官能基の電子効果と電子の非局在化機構 139 |
7.1.2 酸と塩基の定義 140 |
7.2 液相での酸性度の問題 141 |
7.2.1 酸解離指数pKa 141 |
7.2.2 溶媒効果とエントロピーの影響 143 |
7.3 気相における酸性度 145 |
7.3.1 気相における酸性度 145 |
7.3.2 アルキル基の電子効果 146 |
7.4 種々の有機分子の気相酸性度 148 |
7.5 塩基の強さ 150 |
7.5.1 液相での定義 150 |
7.5.2 気相での定義 151 |
8 フロンティア軌道と化学反応 155 |
8.1 化学反応推進力の起源 155 |
8.1.1 化学反応の本質は電子移動 155 |
8.2 Klopman-Salemの式 156 |
8.3 芳香族化合物の反応 158 |
8.4 アルケンの反応 160 |
8.4.1 臭素化反応 160 |
8.4.2 エポキシ化反応 161 |
8.5 ハロゲン化アルキルの反応 162 |
8.5.1 2分子求核置換反応 162 |
8.5.2 2分子脱離反応 164 |
8.6 アルコール・エーテル・アミンの反応 165 |
8.7 カルボニル化合物 167 |
8.7.1 求核性(求電子試薬との反応性) 167 |
8.7.2 求電子性(求核試薬との反応性) 167 |
8.7.3 水和平衡定数とLUMO 168 |
8.7.4 カルボニル化合物のヒドリド還元反応 170 |
8.8 エノール・エノラート・エナミンの反応 170 |
8.9 Diels-Alder反応 172 |
8.9.1 ブタジエンとエチレンの付加環化反応 172 |
8.9.2 Diels-Alder反応の速度論 173 |
8.9.3 ジエンの反応性 174 |
8.9.4 求ジエン試薬の反応性 175 |
8.9.5 Diels-Alder反応の立体化学 176 |
8.9.6 配向選択性 178 |
8.10 Woodward-Hoffmann則 180 |
8.10.1 軌道対称性保存則発見に至る歴史的経緯 180 |
8.10.2 周辺環状反応の許容反応と禁制反応 182 |
8.10.3 周辺環状反応における同面過程と逆面過程 183 |
8.10.4 電子環状反応 184 |
8.10.5 付加環化反応 189 |