1. 有機化学とは何か 1 |
1・1 有機化学と人間 1 |
1・2 有機化合物 1 |
1・3 有機化学と工業 6 |
1・4 有機化学と周期表 10 |
有機化学と本書について 12 |
2. 有機化合物の構造 17 |
2・1 炭化水素骨格と官能基 18 |
2・2 分子を書く 19 |
2・3 炭化水素骨格 23 |
3・4 官能基 29 |
3・5 官能基と結合した炭素原子は酸化度で分類できる 33 |
2・6 化合物の命名 35 |
2・7 系統的命名法 35 |
2・8 化合物を実際にどう名づけたらよいか 38 |
2・9 化合物をどう命名するか 42 |
3. 有機化化合物の構造決定 45 |
3・1 はじめに 45 |
3・2 質量分析法 48 |
3・3 核磁気共鳴 55 |
3・4 赤外分光法 64 |
3・5 MS, NMR、およびIRを組み合わせると構造解析が迅速にできる 72 |
3・6 分光法の詳細を11章と15章で学ぶ 78 |
4. 分子の構造 81 |
4・1 はじめに 81 |
4・2 原子構造 82 |
4・3 量子数の意味 86 |
4・4 原子軌道 87 |
4・5 分子軌道:等核二原分子 95 |
4・6 異核二原子分子 100 |
4・7 原子軌道の混成 105 |
4・8 終わりに 110 |
5. 有機反応 111 |
5・1 化学反応 111 |
5・2 反応機構を巻矢印を用いて表す 121 |
5・3 巻矢印を使って自分で機構を考える 126 |
6. カルボニル基への求核不可反応 135 |
6・1 分子軌道によりカルボニル基の反応性を理解する 135 |
6・2 アルデヒドとケトンへのシアン化物イオンの求核攻撃によるシアノヒドリン生成 137 |
6・3 アルデイヒドとケトンへの求核攻撃の角度 139 |
6・4 アスルデヒドとケトンへの”ヒドリド"の求核攻撃 140 |
6・5 アルデヒドとケトンへの有機金属反応剤の付加反応 142 |
6・6 アルデヒドとケトンへの水の付加反応 143 |
6・7 アルデヒドやケトンとアルコールが反応してヘミアセタールが生成する 146 |
6・8 ヘミアセタールおよび水和物生成反応における酸塩基触媒 147 |
6・9 亜硫酸塩付加化合物 149 |
7. 非局在化と共役 153 |
7・1 はじめに 153 |
7・2 エテンの構造 153 |
7・3 炭素-二重結合を二つ以上もつ分子 155 |
7・4 共役 159 |
7・5 アリル系 160 |
7・6 アリル類似の系 165 |
7・7 二つのπ結合の共役 168 |
7・8 紫外および可視のスペクトル 171 |
7・9 芳香族性 173 |
8. 酸性度と塩基性度 183 |
8・1 はじめに 183 |
8・2 酸性度 184 |
8・3 pk₃の定義 187 |
8・4 塩基性度 199 |
8・5 電荷をもたない窒素塩基 200 |
8・6 電荷をもたない酸素塩基 204 |
8・7 pk₃の応用:医薬シメチジンンの開発 205 |
9. 有機金属化合物を用いて炭素-炭素結合をつくる 209 |
9・1 はじめに 209 |
9・2 有機金属化合物は炭素-炭素結合をもつ 209 |
9・3 有機金属化合物をつくる 211 |
9・4 有機金属化合物を用いて有機分子をつくる 218 |
9・5 反応機構についての考察 223 |
10. 共役付加 227 |
10・1 共役によりカルボニル基の反応性が変化する 227 |
10・2 カルボニル基と共役したアルケンは分極している 229 |
10・3 分極は分光学的に観測できる 229 |
10・4 分子軌道が共役付加を制御する 230 |
10・5 アンモニアやアミンの共役付加 231 |
10・6 アルコールの共役付加は酸や塩基が触媒する 233 |
10・7 共役付加とカルボニル基への直接付加との選択 234 |
10・8 銅(I )塩は有機金属反応剤の反応性に大きく影響する 239 |
10・9 終わりに 240 |
11. プロトンNMR 243 |
11・1 1H NMRと13C NMRの違い 243 |
11・2 ピークの積分値から水素原子数がわかる 244 |
11・3 プロトンNMRスペクトルの領域 246 |
11・4 飽和炭素原子に結合している水素 246 |
11・5 アルケン領域ならびにベンゼン領域 251 |
11・6 アルデヒド領域:酵素と結合した不飽和炭素 256 |
11・7 プロトンNMRにおけるスピン結合 260 |
11・8 終わりに 276 |
12. カルボニル基での求核置換反応 281 |
12・1 カルボニル基への求核付加生成物は必ずしも安定ではない 281 |
12・2 カルボン酸誘導体 282 |
12・3 カルボン酸誘導体の反応性の序列 289 |
12・4 カルボン酸誘導体の置換反応により他の化合物を合成する 298 |
12・5 エステルからケトンを合成する:その問題点 299 |
12・6 エステルからケトンを合成する : 解法 301 |
12・7 まとめ 304 |
12・8 終わりに 304 |
13. 平衡と反応速度 : 反応機構の基本原理 307 |
13・1 反応はどのくらい速く、どこまで進むのか 307 |
12・2 平衡定数は出発物と生成物のエネルギー差とともに変化するか 309 |
12・3 平衡を目的物に偏らせるにはどうしたらよいか 312 |
13・4 エントロピーは平衡定数を決める重要な因子である 314 |
13・5 平衡定数は温度とともに変化する 316 |
13・6 反応を加速する : 加熱する真の理由 317 |
13・7 反応速度論 320 |
13・8 カルボニル置換反応における触媒作用 324 |
13・9 アミドの加水分解には三次反応速度式が可能である 326 |
13・10 アルケンのシスートランス異性化 328 |
13・11 速度支配と熱力学支配の生成物 329 |
13・12 低温なら不要な副反応は起こらない 332 |
13・13 溶媒 334 |
13・14 6~12章の反応機構のまとめ 336 |
14. カルボニル酸素の消失を伴うカルボニル基での求核置換反応 339 |
14・1 はじめに 339 |
14・2 アルデヒドはアルコールと反応してヘミアセタールを生成する 340 |
14・3 アセタールは酸触媒存在下でアルデヒドあるいはケトンとアルコールから合成する 342 |
14・4 アミンはカルボニル化合物と反応する 348 |
14・5 イミンからアミンをを合成する : 還元的アミノ化 354 |
14・6 C=O結合をC=C結合に置き換える : Witting反応の概略 356 |
14・7 終わりに 358 |
15. 分光法のまとめ 361 |
15・1 本章の三つの目標 361 |
15・2 分光法はカルボニル基の化学の理解に役立つか 361 |
15・3 酸誘導体の区別には赤外分光法が最も有効である 364 |
15・4 小さな環状化合物では環内にひずみを生じ環外結合のs性を高める 366 |
15・5 赤外スペクトルにおけるC=O伸縮振動数の簡便な計算法 368 |
15・6 他核とスピン結合して大きな結合定数が観測できることがある 368 |
15・7 スペクトルによる生成物の同定 372 |
15・8 NMRデータ集 376 |
16. 立体化学 383 |
16・1 エナンチオマーのある化合物 383 |
16・2 面偏光が回転することを光学活性という 389 |
16・3 ジアステレオマーはエナンチオマー以外の立体異性体のことである 391 |
16・4 化合物の立体化学の研究 397 |
16・5 エナンチマオーを分離を光学分割とよぶ 400 |
17. 飽和炭素での求核置換反応 407 |
17・1 求核置換反応 407 |
17・2 カルボカチオンの構造と安定性 409 |
17・3 求核置換のSN1とSN2機構 411 |
17・4 SN1かSN2かを決める要因は何か 414 |
17・5 SN2反応 420 |
17・6 脱離基 429 |
17・7 求核剤 436 |
17・8 SN2反応における求核剤 437 |
17・9 求核剤と脱離基の比較 422 |
17・10 次の課題 : 脱離反応と転位反応 443 |
18. 立体配座解析 447 |
18・1 結合回転により原子鎖の立体配座が無数にできる 447 |
18・2 立体配座と立体配置 448 |
18・3 回転障壁 449 |
18・4 エタンの立体配座 449 |
18・5 プロパンの立体配座 452 |
18・6 ブタンの立体配座 452 |
18・7 環のひずみ 454 |
18・8 シクロヘキサンの詳細 457 |
18・9 置換シクロヘキサン 461 |
18・10 配座を固定する置換基と骨格 : t-ブチル基,デカリン,ステロイド 464 |
18・11 置換基がアキシアルにある環とエクアトリアルにある環は反応性が違う 466 |
18・12 sp2混成炭素を含む環 : シクロヘキサノンとシクロヘキセン 470 |
18・13 多環化合物 472 |
18・14 終わりに 473 |
19.脱離反応 475 |
19・1 置換と脱離 475 |
19・2 求核剤が炭素ではなく水素を攻撃すると脱離が起こる 476 |
19・3 求核剤は脱離と置換にどうかかわるか 477 |
19・4 E1機構およびE2機構 478 |
19・5 基質の機構によりE1反応が起こる 480 |
19・6 脱離基の役割 482 |
19・7 E1反応は立体選択的でありうる 484 |
19・8 E1反応は位置選択的に起こりうる 487 |
19・9 E2脱離はアンチペリプラナー遷移状態を経る 488 |
19・10 E2脱離は立体特異的になる 489 |
19・11 シクロへキサン誘導体のE2脱離 490 |
19・12 ハルアルケンのE2脱離 : アルキンの合成法 491 |
19・13 E2脱離の位置選択性 492 |
19・14 アニオン安定化基は第三の機構を可能にする(E1cB機構) 493 |
19・15 終わりに 498 |
20. アルケンへの求電子付加反応 501 |
21・1 アルケンは臭素と反応する 501 |
20・2 アルケンの酸化によるエポキシドの生成 503 |
20・3 非対称アルケンへの求電子付加は位置選択的である 506 |
20・4 ジエンへの求電子付加 508 |
20・5 非対称プロモニウムイオンは位置選択に開環する 509 |
20・6 アルケンへの求電子付加の立体選択性 512 |
20・7 アルケンへの求電子付加は立体異性体を生じる 513 |
20・8 立体選択的合成におけるプロニウムイオン中間体 514 |
20・9 ヨードラクトン化とプロモラクトン化で新しい環をつくる 515 |
20・10 二重結合への水の付加 516 |
20・11 終わりに 518 |
21. エノールおよびエノラートの生成と反応 521 |
21・1 混合物を純粋な物質として受け入れることができるだろうか 521 |
21・2 互変異性 : プロトン移動によるエノールの生成 522 |
21・3 単純なアルデイヒドやケトンはなぜエノール形で存在しないのか 522 |
21・4 ケト形とエノール形間の平衡の証拠 523 |
21・5 エノール化には酸と塩基が触媒して働く 524 |
21・6 塩基触媒の反応の中間体はエノラートイオンである 525 |
21・7 さまざまなエノールとエノラート : まとめ 526 |
21・8 安定なエノール 529 |
21・9 エノール化によって起こる現象 532 |
21・10 エノールやエノラートを中間体とする反応 534 |
21・11 安定なエノールおよびエノラート等価体 539 |
21・12 エノールとエノラートの酸素で反応 : エノールエーテルの合成 540 |
21・13 エノールエーテルの反応 541 |
21・14 終わりに 544 |
22. 芳香族求電子置換反応 547 |
22・1 はじめに : エノールとフェノール 547 |
22・2 ベンゼンの求電子置換反応 549 |
22・3 フェノールの求電子置換反応 556 |
22・4 窒素の非共有電子対は芳香環をもっと強く活性化する 559 |
22・5 アルキルベンゼンはオルト位とパラ位で反応する : σ供与基 561 |
22・6 電子求引基はメタ置換体を生成する 564 |
22・7 ハロゲン(F, Cl, Br, I)は電子を求引し供与する 567 |
22・8 一置換で反応を止める 569 |
22・9 重要な反応選択性の復習 572 |
22・10 求電子置換反応は置換芳香族化合物を合成する常法である 577 |
23. 求電子性アルケン 581 |
23・1 はじめに : 求電子性アルケンとは 581 |
23・2 アルケンへの求核的共役付加 582 |
23・3 共役置換反応 585 |
23・4 求核的エポキシ化 588 |
23・5 芳香族求核置換 589 |
23・6 付加脱離機構 590 |
23・7 医薬品化学・抗生物質の合成 596 |
23・8 芳香族求核置換におけるSN1機構 : ジアゾニウム化合物 597 |
23・9 ベンザイン機構 601 |
23・10 アリル型化合物への求核攻撃 605 |
23・11 終わりに 612 |
24. 官能基選択性・選択的反応と保護 615 |
24・1 選択性 615 |
24・2 還元剤 617 |
24・3 カルボニル基の還元 617 |
24・4 接触水素化 624 |
24・5 官能基の除去 627 |
24・6 溶解金属還元 628 |
24・7 速度支配と熱学支配により官能基選択性を制御できる 630 |
24・8 酸化剤 640 |
24・9 終わりに 642 |
25. 有機合成の実例 645 |
25・1 はじめに 645 |
25・2 ベンゾカイン 646 |
25・3 サッカリン 646 |
25・4 サルブタモール 647 |
25・5 チロキシン 648 |
25・6 ムスカルア : イエバエの性フェロモン 650 |
25・7 グランジ : ワタノミゾウムシの雄の性フェロモン 651 |
25・8 ペプチド合成 : カルボニル化学の実例 653 |
25・9 抗不整脈薬ドフェチリドの合成 661 |
25・10 次章以降について 664 |
26. エノラートのアルキル化 667 |
26・1 カルボニル基は多様な反応性を示す 667 |
26・2 すべてのアルキル化にかかわる重要な問題点 668 |
23・3 ニトリルとニトルアルカンのアルキル化 668 |
26・4 アルキル化における求電子剤の選択 672 |
26・5 カルボニル化合物のリチウムエノラート 672 |
26・6 リチウムエノラートのアルキル化 673 |
26・7 エノールおよびエノラート等価体を利用するアルデヒドとケトンのアルキル化 676 |
26・8 1,3-ジカルボニル化合物のアルキル化 682 |
26・9 ケトンのアルキル化は位置選択性の問題がある 686 |
26・10 エノラートの位置選択性の問題はエノンで解決できる 690 |
26・11 終わりに 694 |
27. エノラートとアルデヒドおよびケトンとの反応 : アルドール反応 697 |
27・1 はじめに : アルドール反応 697 |
27・2 交差縮合 702 |
27・3 エノール化できるが求電子性のない化合物 704 |
27・4 エノールおよびエノラート等価体を用いる交差アルドール反応の制御 705 |
27・5 カルボン酸誘導体のエノールおよびエノラート等価体 713 |
27・6 アルデヒドのエノールおよびエノラート等価体 716 |
27・7 ケトンのエノールおよびエノラート等価体 718 |
27・8 Mannich反応 721 |
27・9 分子内アルドール反応 725 |
27・10 終わりに : 平衡によるアルドール反応と方向指定によるアルドール反応 728 |
28. 炭素アシル化 733 |
28・1 はじめに : アルドール反応とClaisen縮合 733 |
28・2 炭素アシル化の問題点 735 |
28・3 エステルによるエノラートのアシル化 735 |
28・4 交差エステル縮合 738 |
28・5 Claisen縮合によるケトエステル合成のまとめ 743 |
28・6 分子内交差Claisen縮合 744 |
28・7 エノールやエノラートの炭素アシル化 747 |
28・8 エナミンのアシル化 749 |
28・9 酸性条件におけるエノールのアシル化 751 |
28・10 エノールやエノラート以外の求核性炭素のアシル化 753 |
28・11 脂肪酸は自然界でいかに合成されているか 754 |
28・12 終わりに 757 |
29. エノラート共役付加 761 |
29・1 はじめに : エノラートの共役付加は有力な合成反応である 761 |
29・2 エノラートの共役付加は熱力学支配である 761 |
29・3 種々の求電子性アルケンがエノールおよびエノラート求核剤と反応する 769 |
29・4 共役付加に続いて環化すると6員環になる 772 |
29・5 ニトロアルカンは共役付加に最適である 779 |
略号表 |
索引 |
掲載図出典 |
30. 逆合成解析 783 |
30・1 創造の化学 783 |
30・2 逆合成解析 : 逆方向の合成 784 |
30・3 結合切断は既知で信頼性の高い反応に対応していなければならない 785 |
30・4 シントンとは仮想的反応剤である 785 |
30・5 切断箇所の選択 787 |
30・6 多段階合成 : 官能基選択性の問題を回避する 789 |
30・7 官能基の相互変換 790 |
30・8 二官能基結合切断は-官能基結合切断よりも優れている 794 |
30・9 C-C結合切断 798 |
30・10 供与体シントンと受容体シントン 805 |
30・11 二官能基C-C結合切断 806 |
30・12 1,5の関係にある官能基 813 |
30・13 ”本来の反応性”と”極性転換” 814 |
31. 二重結合の立体化学制御 819 |
31・1 アルケンの性質はその立体配置によって変化する 819 |
31・2 脱離反応は選択性がないことが多い 820 |
31・3 Juliaオレフィン化は炭素-炭素結合形成を伴う位置選択的反応である 826 |
31・4 立体特異的脱離反応はアルケンの単一異性体を生じる 828 |
31・5 Peterson反応は立体特異的な脱離反応である 829 |
31・6 アルケン合成の最重要反応であるWitting反応 831 |
31・7 (E)-および(Z)-アルケンはアルキンへの立体選択的付加により合成できる 835 |
32. 分光法による立体化学の決定 841 |
32・1 はじめに 841 |
32・2 3J値はH-C-C-Hの二面角によって変化する 842 |
32・3 縮合環の立体化学 847 |
32・4 スピン結合定数を決める角度は二角面だけではない 849 |
32・5 環の大きさとビシナルスピン結合 850 |
32・6 ジェミナルスピン結合 853 |
32・7 ジアステレオトピックなメチレン基 855 |
32・8 6員環におけるジェミナルスピン結合 862 |
32・9 意外な反応生成物 863 |
32・10 ジェミナルスピン結合へのπ電子の寄与 864 |
32・11 核Overhauser効果 865 |
32・12 終わりに 869 |
33. 環状化合物の立体選択的反応 873 |
33・1 はじめに 873 |
33・2 小員環での反応 874 |
33・3 6員環における立体化学制御 879 |
33・4 6員環形成における立体配座制御 884 |
33・5 二環性化合物の立体化学 885 |
33・6 結合二環性化合物 887 |
33・7 スピロ環化合物 894 |
33・8 環状中間体や環状遷移状態を経由する反応 895 |
33・9 終わりに 904 |
34. ジアステレオ選択性 907 |
34・1 はじめに 907 |
34・2 アルケンの立体特異的反応による単一ジアステレオマーの合成 908 |
34・3 立体選択的反応 910 |
34・4 プロキラリティー 911 |
34・5 カルボニル基への付加は環がなくてもジアステレオ選択的である 913 |
34・6 キレート化は立体選択性を逆転する 919 |
34・7 非環状アルケンの立体選択的反応 922 |
34・8 アルドール反応は立体選択的になる 925 |
35. ペリ環状反応I : 付加還化 933 |
35・1 新しい種類の反応 933 |
35・2 Diels-Alder反応の概略 934 |
35・3 フロンティア軌道による付加環化の解釈 942 |
35・4 Diels-Alder反応の詳細 943 |
35・5 Diels-Alder反応における位置選択性 946 |
35・6 Woodward-Hoffmann則によるDiels-Alder反応の説明 950 |
35・7 Diels-Alder反応による高反応性中間体の捕捉 951 |
35・8 その他の熱的な付加環化 952 |
35・9 光化学的[2+2]付加環化 955 |
35・10 熱的[2+2]付加環化 957 |
35・11 5員環形成 : 1,3双極付加還化 960 |
35・12 合成的に重要な2反応 : アルケンの四酸化オスミウムおよびオゾンとの付加環化 964 |
35・13 付加環化のまとめ 967 |
36. ペリ環状反応II : シグマトロピー転位と電子環状反応 971 |
36・1 シグマトロピー転位 971 |
36・2 [3,3]シグマトロピー転位の軌道による記述 974 |
36・3 [3,3]シグマトロピー転位の方向 975 |
36・4 [2,3]シグマトロピー転位 979 |
36・5 [1,5]シグマとロピー転位 982 |
36・6 電子環状反応 985 |
37. 転位反応 997 |
37・1 隣接基は置換反応を加速する 997 |
37・2 隣接基が関与してその原子と結合すれば転移になる 1003 |
37・3 環拡大は転位によって起こる 1010 |
37・4 カルボカチオン転位 1011 |
37・5 ピナコール転位 1012 |
37・6 ジエノン-フェノール転位 1017 |
37・7 ベンジル酸転位 1018 |
37・8 Favorskii転位 1019 |
37・9 酸素への移動 : Baeyer-Villiger酸化 1021 |
37・10 Beckmann転位 1026 |
38. 開裂反応 1033 |
38・1 炭素-炭素結合の分極が開裂を促進する 1033 |
38・2 立体化学が開裂反応を制御する 1036 |
38・3 ロンギフォレンのもう一つの合成法 1041 |
38・4 ヌートカトンの合成 1042 |
38・5 復習列 : 転位と開裂 1045 |
39. ラジカル反応 1051 |
39・1 ラジカルには不対電子がある 1051 |
39・2 ほとんどのラジカルは反応性がきわめて高い 1055 |
39・3 ラジカルの構造解析:電子スピン共鳴 1056 |
39・4 ラジカルは半占軌道をもつ 1057 |
39・5 ラジカルの安定性 1058 |
39・6 ラジカルはどのように反応するか 1061 |
39・7 チタンはピナコールカップリングに続いて脱酸素反応まで誘起する : Mcmurry反応 1063 |
39・8 ラジカル連鎖反応 1066 |
39・9 ラジカル連鎖反応における選択性 1067 |
39・10 選択的ラジカル臭素化 : アリル位水素の臭素置換 1071 |
39・11 ラジカル連鎖反応を制御する 1073 |
39・12 ラジカルは極性反応剤と全く異なる反応様式をとる 1080 |
39・13 アルキルラジカル発生の別法 : 水銀法 1081 |
39・14 分子内ラジカル反応は分子間反応より効率がよい 1082 |
40. カルベンの合成と反応 1087 |
40・1 ジアゾメタンはカルボン酸をメチルエステルに変換する 1087 |
40・2 ジアゾメタンを光分解するとカルベンが生じる 1089 |
40・3 カルベンはどのようにつくるか 1090 |
40・4 カルベンは2種類に分類できる 1094 |
40・5 カルベンはどのように反応するか 1097 |
40・6 アルケメンタスセシス 1109 |
40・7 終わりに 1111 |
41. 反応機構の決定 1115 |
41・1 反応機構にはいろいろある 1115 |
41・2 反応機構の決定 : Cannizzaro反応の例 1117 |
41・3 生成物の構造を確かめる 1121 |
41・4 系統的構造変化 1126 |
41・5 Hammettの関係 1127 |
41・6 他の速度論的証拠 1138 |
41・7 酸塩基触媒反応 1140 |
41・8 中間体の検出 1148 |
41・9 立体化学と反応機構 1152 |
41・10 反応機構研究法のまとめ 1157 |
42. 飽和ヘテロ環化合物と立体電子効果 1161 |
42・1 はじめに 1161 |
42・2 ヘテロ環化合物の反応 1162 |
42・3 飽和へテロ環の立体配座 : アノマー効果 1168 |
42・4 ヘテロ環化合物の合成 : 閉環反応 1175 |
43.芳香族へテロ環化合物I : 構造と反応 1187 |
43・1はじめに 1187 |
43・2 ベンゼン環の一部を窒素原子に置き換えても芳香族は保てる 1188 |
43・3 ピリジンは反応性が非常に低い芳香族イミンである 1189 |
43・4 芳香族ヘテロ6員環には酸素があってもよい 1197 |
43・5 ヘテロ5員環は求核性が高い 1197 |
43・6 フランおよびチオフェンはピロールの酸素および硫黄類縁体である 1199 |
43・7 ヘテロ5員環のその他の反応 1203 |
43・8 窒素原子を二つ以上もつ5員環 1206 |
43・9 ベンゼン環が縮合したヘテロ環 1210 |
43・10 6員環にさらに窒素原子を導入する 1214 |
43・11 ピリジンとの結合 : キノリンとイソキノリン 1215 |
43・12 ヘテロ環に窒素は複数含まれるが硫黄や酸素は一つに限られる 1218 |
43・13 ほかにも多数のヘテロ環化合物がある 1219 |
43・14 どのヘテロ環構造を覚えるべきか 1222 |
44. 芳香族ヘテロ環化合物II : 合成 1225 |
44・1 熱力学は味方である 1225 |
44・2 まず炭素-ヘテロ原子の結合を切る 1226 |
44・3 ピロール,チオフェン,およびフランを1,4-ジカルボニル化合物からつくる 1228 |
44・4 ピリジンを合成する方法 : Hantzschビリジン合成 1232 |
44・5 ピラゾールとピリダジンをヒドラジンとジカルボニル化合物からつくる 1237 |
44・6 ピリミジンは1,3-ジカルボニル化合物とアミジンから合成できる 1240 |
44・7 非対称求核剤を使うと選択性が問題になる 1241 |
44・8 イソオキザールはヒドロキシルアミンからでも1,3双極付加環化によっても合成できる 1243 |
44・9 テトラゾールも1,3双極付加環化で合成できる 1244 |
44・10 Fischerインドール合成 1246 |
44・11 キノリンおよびイソキノリン 1252 |
44・12 縮合環にヘテロ原子が多いと合成法も多様になる 1256 |
44・13 終わりに : 芳香族ヘテロ環化合物合成のための三つの主要な方針 1258 |
45. 不斉合成 1263 |
45・1 自然は非対称である : 鏡の中の世界 1263 |
45・2 分割はエナンチオマーの分離に使える 1265 |
45・3 不斉プール法 : 天然の”既製"キラル中心 1266 |
45・4 不斉合成 1270 |
45・5 不斉反応剤と不斉触媒 1278 |
46. 典型元素化学I : 硫黄 1293 |
46・1 硫黄 : いろいろな顔をもつ元素 1293 |
46・2 硫黄で安定化されたアニオン 1297 |
46・3 スルホニウム塩 1304 |
46・4 スルホニウムイリド 1305 |
46・5 硫黄で安定化されたカチオン 1308 |
46・6 チオカルボニル化合物 1311 |
46・7 スルホキシド 1312 |
46・8 硫黄とセレンを使う他の酸化反応 1319 |
46・9 終わりに : タマネギトニンニクの硫黄化学 1321 |
47. 典型元素化学 : ホウ素, ケイ素, スズ 1325 |
47・1 有機化学では周期表にある元素を広く用いる 1325 |
47・2 ホウ素 1326 |
47・3 ケイ素と炭素の比較 1336 |
47・4 有機スズ化合物 1356 |
48. 有機金属化学 1363 |
48・1 遷移金属は有機合成反応の幅を広げる 1363 |
48・2 遷移金属錯体は特別な結合をもつ 1366 |
48・3 パラジウム(0)は均一系触媒のなかで最もよく使われる 1371 |
48・4 アルケンがパラジウム(II)に配位すると求核剤の攻撃を受けるようになる 1390 |
48・5 アルカロイドの全合成にも使えるパラジウム触媒 1393 |
48・6 その他の遷移金属:コバルト 1393 |
49. 生命の化学 1399 |
49・1 一次代謝 1399 |
49・2 生命は核酸とともに始まる 1400 |
49・3 タンパク質はアミノ酸からできている 1407 |
49・4 糖 : 単なるエネルギー源か 1413 |
49・5 グリコシドは生体内のどこにでも存在する 1422 |
49・6 糖から誘導される化合物 1424 |
49・7 糖のほとんどは炭水化物に埋め込まれている 1428 |
49・8 脂質 1431 |
49・9 細菌と人間の化学はやや異なる 1434 |
50. 生物化学の反応機構 1439 |
50・1 生物のNaBH₄はヌクレオチドである : NADHまたはNADPH 1439 |
50・2 生物における還元的アミノ化 1442 |
50・3 生体内のエノール : リシンのエナミンおよび補酵素A 1447 |
50・4 生体内のアシルアニオン等価体(d1シントン)はチアミン二リン酸である 1453 |
50・5 バリンとイソロイシンの生合成における転位反応 1457 |
50・6 二酸化炭素はビオチンによって運ばれる 1459 |
50・7 シキミ酸経路 1460 |
50・8 ヘモグロビンは酸素を鉄(II) 錯体として運ぶ 1467 |
51. 天然物 1475 |
51・1 はじめに 1475 |
51・2 天然物は二次代謝に由来する 1476 |
51・3 アルカロイドはアミノ酸代謝で生じる塩基性化合物である 1476 |
51・4 脂肪酸とポリケチドはアセチルCoAからできる 1487 |
51・5 芳香族ポリケチドは多様な形で現れる 1496 |
51・6 チルベン類は植物樹脂や精油の揮発成分である 1500 |
51・7 ステロイドはテルペンを起源とする代謝物である 1505 |
51・8 生体を模倣した合成 : 生物から学ぶ 1510 |
52. 重合 1515 |
52・1 単量体, 二量体, オリゴマー 1515 |
52・2 カルボニル基での置換反応による重合 1517 |
52・3 芳香族求電子置換による重合 1520 |
52・4 SN2反応による重合 1521 |
52・5 イソシアナートへの求核攻撃による重合 1523 |
52・6 アルケンの重合 1524 |
52・7 共重合 1531 |
52・8 架橋ポリマー 1533 |
52.9 高分子反応 1535 |
52・10 生分解性高分子 1540 |
52・11 化学反応剤はポリマーに結合できる 1541 |
53. 有機化学のいま 1549 |
53・1 現代科学は分野間の相互作用の上に成り立っている 1549 |
53・2 インジナビルの合成 1551 |
53・3 有機化学の将来 1556 |
略号表 1561 |
索引 1563 |