はじめに |
第1章 ステンレス鋼の基礎知識 1 |
1.1 ステンレ鋼の本質 2 |
1.1.1 ステンレス鋼の歴史 2 |
(1) 合金開発の歴史 2 |
(2) 製造技術開発の歴史 2 |
(3) 市場開発の歴史 3 |
1.1.2 金属はなぜさびる 6 |
(1) 水溶液腐食機構 6 |
(a) 水溶液腐食は電気化学的反応である 6 |
(b) アノードになる個所(局部電池の形成) 7 |
(c) 環境側の影響因子 8 |
(2) 金属の腐食防止の基本手段 8 |
1.1.3 ステンレス鋼がさび難い理由 9 |
(1) 耐食性に及ぼすCrの効果 9 |
(2) ステンレス鋼の不働態皮膜 9 |
1.1.4 金属の腐食形態 11 |
(1) 腐食形態の大区分 11 |
(2) 湿食における全面腐食 11 |
(3) 湿食における局部腐食 12 |
1.1.5 割れを伴わない局部腐食 13 |
(1) 孔食 13 |
(2) すきま腐食 15 |
(3) 粒界腐食 16 |
(4) 異種金属接触腐食(ガルバニック腐食) 17 |
(5) 電食(迷走電流腐食) 17 |
(6) 微生物腐食(含土壌腐食) 18 |
(7) 大気腐食 18 |
1.1.6 割れを伴う局部腐食 19 |
(1) 応力腐食割れ 19 |
(2) 水素侵食(含水素脆化) 22 |
(3) 硫化物割れ 22 |
1.1.7 速度効果腐食 22 |
(1) エロージョン・コロージョン 22 |
(2) 擦過腐食 22 |
1.1.8 高温腐食 22 |
(1) 高温酸化 23 |
(a) 酸化物の安定性 23 |
(b) 酸化の速度論と酸化物格子欠陥 24 |
(c) ワグナー(Wagner)の理論 25 |
(d) 酸化物の密着性 25 |
(e) 合金元素の効果 25 |
(f) 前処理の効果 27 |
(g) 水蒸気の影響 28 |
(h) 大気中での耐用温度 28 |
(2) 高温硫化 28 |
(a) 高温硫化の特徴 28 |
(b) 対策 29 |
(3) 浸炭とメタルダスティング 29 |
(a) 浸炭 29 |
(b) メタルダスティング 29 |
(4) 高温窒化 30 |
(5) 塩化(高温ハロゲン腐食) 30 |
(6) 溶融塩腐食(ホットコロージョン) 31 |
1.2 ステンレス鋼の種類と特徴 31 |
1.2.1 ステンレス鋼の分類と元素の効果 31 |
1.2.2 Cr系ステンレス鋼 37 |
(1) マルテンサイト系ステンレス鋼 37 |
(2) フェライト系ステンレス鋼 38 |
1.2.3 Cr-Ni系ステンレス鋼 38 |
(1) オーステナイト系ステンレス鋼 38 |
(2) 2相系ステンレス鋼 39 |
(3) 析出硬化型ステンレス鋼 39 |
(4) スーパーステンレス鋼 40 |
1.3 ステンレス鋼の金属組織 41 |
1.3.1 金属の基本組織(BCCとFCC構造)と変態 42 |
1.3.2 Fe-X系の状態図 42 |
(1) Fe-Cの組織(組織に及ぼすCの効果) 42 |
(2) Fe-Crの組織およびFe-Cr-Cの組織(CとCrの添加で組織はどう変わる) 43 |
(3) Fe-NiおよびNi-Cr-Feの組織(組織に及ぼすNiの効果) 43 |
1.3.3 フェライトステンレス鋼、マルテンサイトステンレス鋼、オーステナイトステンレス鋼の誕生 44 |
1.3.4 2相ステンレス鋼とスーパーステンレス鋼の誕生 44 |
1.3.5 シェフラーの組織図 44 |
第2章 ステンレス鋼の製造 47 |
2.1 精錬技術と原料の変遷 49 |
2.2 製鋼・精錬 50 |
2.2.1 溶解 50 |
2.2.2 精錬 50 |
2.3 鋳造 51 |
2.3.1 連続鋳造の原理 51 |
2.3.2 技術の進展 52 |
2.4 熱間圧延 52 |
2.4.1 板、帯の熱間圧延 52 |
2.4.2 その他の素材形状の圧延 54 |
2.5 冷間圧延 54 |
2.5.1 鋼帯および鋼板の製造方法 54 |
(1) 熱帯の焼鈍(Annealing)・酸洗(Picking) 55 |
(2) 冷間圧延 56 |
(3) 最終製品の焼鈍・酸洗(含光輝焼鈍) 58 |
(4) 調質圧延と精整法 58 |
(5) その他の技術 59 |
2.5.2 線材、管、棒、型鋼等の製造 60 |
(1) 棒、線、形鋼 60 |
(2) 鋼管の製造 60 |
第3章 ステンレス鋼の性質と使い方 61 |
3.1 ステンレス鋼の耐食性(第1章参照) 62 |
3.2 機械的性質 62 |
3.2.1 室温における機械的性質 62 |
(1) γ相とα相の機械的性質 62 |
(2) 金属はなぜ僅かな力で塑性変形が可能か 63 |
(3) 準安定オーステナイトステンレス鋼の加工硬化性 63 |
(4) 室温での機械的性質 65 |
3.2.2 高温での機械的性質 66 |
3.2.3 低温での機械的性質 68 |
3.3 物理的性質 68 |
3.3.1 熱膨張係数 68 |
3.3.2 電気抵抗 68 |
3.3.3 磁気的特性(透磁率) 68 |
3.3.4 熱伝導と熱電効果 70 |
3.4 ステンレス鋼の用途と選択法 70 |
3.4.1 ステンレス鋼の用途 70 |
3.4.2 ステンレス鋼の選び方 71 |
(1) 耐酸性・耐アルカリ性(耐全面腐食性)ステンレス鋼としての用途と選び方 71 |
(2) 耐局部腐食性ステンレス鋼と選択 73 |
(a) 耐孔食性ステンレス鋼と選び方 74 |
(b) 耐すきま腐食性ステンレス鋼と選び方 74 |
(c) 耐応力腐食割れ性ステンレス鋼と選び方 75 |
(3) 特殊環境でのステンレス鋼の選び方 77 |
(a) 石炭・重油火力発電プラントの排煙脱硫装置 77 |
(b) 海水利用設備・機器用ステンレス鋼 79 |
(c) 水環境で使用されるステンレス鋼の選び方 79 |
(d) 化学プラントに使用されるステンレス鋼 82 |
(e) 食品・醸造工業におけるステンレス鋼 84 |
(f) 石油、LNG関係プラント用ステンレス鋼 84 |
(4) 高温腐食の観点からのステンレス鋼の選択 85 |
(a) 自動車排気ガス浄化装置関係 85 |
(b) 各種廃棄物の高温処理用ステンレス鋼 85 |
(c) 高温用材料 87 |
(5) 機械的性質の観点からのステンレス鋼の選択 87 |
(6) 物理的性質の観点からのステンレス鋼の選択 87 |
(7) 意匠性からみた選択方法 87 |
3.5 損傷事例と解決法 88 |
3.5.1 腐食事例の分類 89 |
3.5.2 マイルドな環境での腐食事例 89 |
(1) 大気中での腐食事例 89 |
(2) 水(温水)環境での腐食事例 90 |
3.5.3 過酷な環境(化学プラント)での腐食事例 91 |
3.6 ステンレス鋼の上手な使い方 95 |
3.6.1 大気中および水環境での使い方 95 |
3.6.2 過酷な環境での使い方 96 |
第4章 ステンレス鋼の溶接と加工 99 |
4.1 ステンレス鋼の溶接 100 |
4.1.1 接合・溶接法の分類 100 |
4.1.2 溶接欠陥と対策 103 |
4.1.3 異材溶接 105 |
4.1.4 溶接部の組織と腐食 105 |
4.1.5 溶接溶け込み状況 105 |
4.2 塑性加工 106 |
4.2.1 プレス成形 106 |
4.2.2 プレス不良とその原因 107 |
4.2.3 温間プレス 109 |
4.2.4 その他の加工 110 |
おわりに 112 |
索引 113 |