まえがき |
第1章 液晶事始 |
1.1 液晶はディスプレイのことではない 12 |
物質の三態 |
三態を区別するには |
1.2 液晶状態とはどんな状態か 13 |
液晶の正体 |
異方性分子が作る液晶状態 |
ダイレクターと秩序度 |
ダイレクターの揺らぎと光散乱 |
1.3 分子の作る様々な液晶構造 18 |
ネマチック液晶とスメクチック液晶 |
円板状分子の作る液晶状態 |
1.4 液晶分子の化学構造 21 |
歴史的に重要な液晶化合物 |
液晶分子の構造 |
1.5 分子の利き手 24 |
光学異性体 |
キラル分子の作るらせん構造 |
1.6 生体と分子の利き手 28 |
自然界におけるキラリテイ |
生体によるキラル認識 |
1.7 液晶発見小史 31 |
液晶はいつ,どこで,どのように発見されたか |
液晶の発見者は誰か |
1.8 まだまだあるぞ,その他の液晶 34 |
分子の大きさによる液晶の分類 |
相転移による液晶の分類 |
リオトロピック液晶の種類 |
生体内の液晶構造 |
第2章 液晶ディスプレイのしくみ |
2.1 液晶ディスプレイは液晶を使った光のシャッター 44 |
直線偏光 |
ガラスにサンドイッチされた液晶 |
2.2 TN型液晶ディスプレイ 47 |
2.3 ガラス表面での液晶分子の配向 49 |
液晶の配向制御法 |
垂直配向と水平配向 |
2.4 ラビングでどうして液晶が並ぶ? 52 |
溝に沿って液晶が並ぶ |
溝がなくても液晶は並ぶ |
2.5 表面での微妙な工夫とディスプレイ性能 54 |
ねじれ配向へのプレチルトの役割 |
スイッチング時のプレチルトの役割 |
2.6 液晶テレビに用いられるディスプレイ方式 57 |
異方性物質中での光の伝播 |
VA型液晶ディスプレイ |
IP型液晶ディスプレイ |
2.7 液晶シャッターをどうやって液晶テレビにするか(1) -字や絵を出すにはどうするか 61 |
セグメント表示 |
マトリックス表示 |
STN型ディスプレイ |
2.8 液晶シャッターをどうやって液晶テレビにするか(2) -シャッタースピードは十分速いか 65 |
パッシブ型とアクティブ型 |
薄膜トランジスタ |
2.9 色をつけるにはどうするのか 67 |
第3章 液晶の科学-物性 |
3.1 液晶は弾性体 72 |
液晶のもつ弾性 |
弾性の効果 |
3.2 電気的異方性 74 |
正の誘電異方性,負の誘電異方性 |
電圧印加による配向変化 |
3.3 洋ナシ形分子とバナナ形分子 77 |
3.4 液晶のアンカリングと配向変化 79 |
液晶のアンカリング |
外場による配向変化 |
3.5 光学的異方性 82 |
複屈折 |
3.6 結晶の欠陥構造と液晶の欠陥構造 84 |
転位 |
転傾 |
3.7 液晶特有の欠陥構造 87 |
転傾の顕微鏡像 |
くさび転傾とねじれ転傾 |
第4章 まだまだ進化する液晶ディスプレイ |
4.1 液晶ディスプレイ小史(1) -ディスプレイの提案からデバイス供給まで 94 |
RCAでの研究開発 |
RCAの撤退とヨーロッパ,日本の動向 |
4.2 液晶ディスプレイ小史(2) -日本の台頭,そして韓国,台湾に 97 |
時計からモニター表示へ |
アクティブ型の急成長 |
4.3 液晶ディスプレイを支える技術(1) -液晶パネル作製技術 100 |
TFTの機能と作製技術 |
TFTの製造プロセス |
4.4 液晶ディスプレイを支える技術(2) -その他の周辺技術 104 |
高分子材料 |
バックライト |
カラーフィルター |
4.5 液晶ディスプレイを支える技術(3) -パネル化技術 106 |
マザーガラスを大きく |
大きなマザーガラスは周辺も大変 |
パネル組み,液晶注入 |
4.6 液晶ディスプレイの抱える問題とその解決に向けて(1) -視野角の改善 110 |
なぜ液晶ディスプレイは横から見にくかったか |
新しいディスプレイモードの提案 |
画素分割法 |
視野角拡大フィルム |
4.7 液晶ディスプレイの抱える問題とその解決に向けて(2) -応答速度とコントラスト比の改善 116 |
高いパルス電圧印加 |
応答速度の速いモード |
コントラスト比 |
4.8 液晶ディスプレイの抱える問題とその解決に向けて(3) -液晶材料の進展 120 |
4.9 液晶ディスプレイのさらなる高画質化に向けて -高速化と高精細化 121 |
夢のディスプレイは? |
高速・高精細 |
ホールド型とインパルス型 |
4.10 立体画像ディスプレイへ向けて 125 |
偏光眼鏡を用いる方式 |
眼鏡を使わない方式 |
もっと理想的な方式は無いのか |
4.11 液晶ディスプレイはまだまだ進化する 129 |
ヘッドマウントデイスプレイ |
カーナビ画像も進化 |
電子ペーパー |
4.12 液晶ディスプレイと環境問題 134 |
第5章 まだまだ見つかる新しい液晶 |
5.1 強誘電性液晶の発見 138 |
強誘電性とは |
液晶における強誘電性 |
キラリティ導入による強誘電性液晶 |
5.2 強誘電性液晶ディスプレイ 142 |
薄いセルに液晶を入れる |
強誘電性液晶ディスプレイの原理と特徴 |
5.3 反強誘電性液晶の発見 145 |
発見の経緯 |
発見の教訓 |
5.4 反強誘電性液晶ディスプレイ 148 |
電気光学特性 |
ディスプレイの原理と特徴 |
5.5 反強誘電性液晶の仲間たち 152 |
5.6 層だってねじれてしまう 154 |
5.7 3次元の秩序をもつ相 155 |
ブルー相 |
キュービック相 |
5.8 バナナ形液晶の不思議な世界 158 |
バナナ形液晶の極性構造 |
バナナ形液晶におけるキラリティ |
5.9 バナナ形液晶における自然分掌 161 |
5.10 2軸性ネマチック相 162 |
5.11 生体と液晶 164 |
第6章 まだまだ広がる液晶の応用 |
6.1 様々な液晶シャッター 168 |
溶接用保護眼鏡 |
通常のカーシャッター |
液晶を使ったカーシャッター |
6.2 液晶レンズ 170 |
屈折率異方性を調べる実験 |
可変焦点レンズ |
6.3 リオトロピック液晶の応用 173 |
液晶紡糸 |
液晶乳化 |
6.4 高分子と低分子液晶の複合系 175 |
調光ガラス |
液晶を用いた電子ペーパー |
6.5 コレステリック液晶サーモグラフィー 179 |
6.6 フォトニック効果,レーザ 180 |
6.7 液晶半導体 183 |
参考文献 186 |
索引 187 |