「リーディングス環境」の刊行にあたって 編者一同 |
解題 1 |
長谷川公市 |
Ⅰ住民運動と住民自治 13 |
1足尾銅山鉱毒事件 15 |
菅井益郎「特論 足尾銅山鉱毒事件」朝尾直弘ほか編『岩波講座 日本通史』第一七巻(近代二)より |
日本の「公害の原点」 15 |
鉱毒被害を激化させた鉱滓の不法投棄 16 |
煙害の放置と限定された補償 19 |
企業の犯罪と行政責任 25 |
2日本公害史 27 |
神岡浪子「日本公害史」神岡編『近代日本の公害 資料』より |
はじめに 27 |
明治期の鉱毒事件 29 |
別子銅山煙害事件 29 |
鉱毒対策 30 |
産業革命と公害問題 31 |
工場取締規制から工場法へ 32 |
工業の発展と公害の誕生 33 |
石炭需要量の増加 33 |
エネルギー消費過程における公害の誕生 34 |
工業都市の荒廃 35 |
第一次、第二次大戦間の公害問題 36 |
都市問題の登場 36 |
3市民と市民運動 37 |
日高六郎「市民と市民運動」篠原一ほか『岩波講座 現代都市政策』Ⅱ(市民参加)より |
市民運動とその問題性 37 |
市民運動のひろがり 37 |
二つの批判 38 |
<市民>とは何か-ヨーロッパと日本 41 |
<市民>の閉鎖性と開放性 41 |
<常民><市民><人民> 43 |
<市民>の立場 46 |
「上から」と「下から」と 46 |
4公害防止運動 48 |
飯島伸子・西岡昭夫「公害防止運動」高橋裕ほか『岩波講座 現代都市対策』Ⅵ(都市と公害・災害)より |
公害反対運動の方法 48 |
沼津・三島闘争とその後 49 |
住民による調査、要求作り 50 |
宣伝活動と連帯 52 |
住民運動の困難 54 |
公害防止運動の展望 54 |
組織づくりと運動の進め方 55 |
5住民運動の論理と展望 58 |
宮崎省吾『いま、「公共性」を撃つ』より |
新しい住民運動の台頭 58 |
地域共闘の現実と論理 59過去の住民運動の反省点 60 |
新しい住民運動の特徴 62 |
住民不在の都市政策と運動の激化 63 |
住民運動が提起するもの 64 |
おわりに 65 |
6公害紛争の解決方式と実態 67 |
淡路剛久「公害紛争の解決方式と実態」金沢良雄監修『註釈公害法大系』第四巻(紛争処理・被害者救済法)より |
1序論 67 |
公害紛争研究の必要性 67 |
公害紛争の意義 68 |
公害紛争の諸形態と特徴-住民運動を中心にして 68 |
2当事者間の任意的解決・その一-直接陳情型 72 |
3非公式的行政的解決 73 |
4公式的行政的解決 77 |
和解の仲介制度 77 |
公害紛争処理法 78 |
5司法的解決 80 |
6当事者間の任意的解決・その二-直接権利追求型」 81 |
7公害言論 -はじめに 84 |
宇井純『公害言論』Ⅰ.より |
<第1回 一九七〇・一〇・一二> 84 |
夜間自主講座となる理由 84 |
特権と立身出世に役立たない学問 86 |
摘出子による告白 89 |
Ⅱ地域・生活・教育 93 |
8深刻化する都市問題 95 |
柴田徳衛『現代都市論』第二版、より |
急膨張するバンコックと騒音 95 |
都市化の傾向 97 |
文明と頽廃 99 |
9住民主権に基づく自治体 104 |
中村尚司『地域自立の経済学』第2版、より |
自治か独立か 104 |
自治体か国家か 106 |
住民主権にもとづく自治体 110 |
10有機農業運動の視座 113 |
多辺田政弘・枡潟俊子「有機農業運動の視座-有機雄農業運動から何が見えてきたのか」国民生活センター編『日本の有機農業運動』より |
消費者と生産者の相互変革 113 |
地域への目覚め 118 |
11共生と協同の世界 123 |
古沢広祐『地球文明ビジョン-「環境」が語る脱成長社会』より |
生産者と消費者が手を結ぶ共生価値 123 |
共生と協同による相互実現の世界 125 |
「共」的セクターによる価値創造-もう一つの高度情報化社会 127 |
12地域開発の虚構と現実 131 |
蓮見音彦「地域開発と社会変動」福武直編『地域開発の構想と現実』Ⅲ、より |
地域住民の生活と福祉への影響 131 |
地域の権力構造と住民組織への影響 134 |
現代日本における地域開発の本質 138 |
13地域開発の現実と課題 141 |
宮本憲一「地域開発の現実と課題」宮本編『大都市とコンビナート・大阪』(講座 地域開発と自治体Ⅰ)より |
問題の所在-日本の経済の転換点に立って 141 |
理念の展開 142 |
「重商主義」の復活 144 |
地域開発論の理論的検討 151 |
地域開発とはなにか 152 |
戦後地域開発の三つの型 153 |
14六ヶ所村の記録 157 |
鎌田慧『六ヶ所村の記録』上、より |
15ホタルの風景論-その文化論的アプローチ 166 |
嘉田由紀子『生活世界の環境学』より |
いま、なぜ、ホタルなのか? 166 |
ホタルと日本人-象徴的環境財としてのホタル 167 |
ホタルの風景論-滋賀県内の持ち寄り調査から 168 |
出会い、そして五感のなかのホタル 168 |
ホタル取りの小道具たち-遊びの水田文化複合 169 |
ホタルが思い起こさせる人と人-個人史と社会史の接点 170 |
集合的記憶を刻み込む伝承 171 |
ホタルの住む水環境とは?-個人史・社会史と自然史の接点 170 |
ホタルの住む水環境とは?-個人史・社会史と自然史ほ接点 172 |
ゲンジボタルは清流の生き物? 172 |
草木、泥砂、そして暗闇 173 |
蚊帳のいる暮しとホタル 173 |
私たちにとって、「きれいな水辺」とは? 174 |
心象風景のなかによみがえったホタル 175 |
16環境学習へ向かう「まちづくり」 177 |
西村幸夫『環境保全と景観創造-これからの都市風景に向けて』より |
子どもたちが参加する町並み学習活動 177 |
町並み保存ははじめから創造の問題でもあった 177 |
しかしそれは単なる無からの創造ではない 177 |
通り景観に参加する「常識」の再構築を 178 |
歴史的環境に共感するここころを求めて 178 |
環境学習の意義 179 |
都市計画と環境教育 179 |
住民を信用しなかったかつての都市計画 179 |
計画への住民参加 180 |
さまざまな試み 180 |
歴史と自然を手がかりに 183 |
イギリスの環境教育 183 |
日本での困難 184 |
環境教育の一三の要諦 185 |
地域から学ぶ 188 |
17ベオグラード憲章-環境教育のための地球規模の枠組み 189 |
堀尾輝久・河内徳子編『平和・人権・環境教育国際資料集』より |
A環境の状況 189 |
B環境の目的 191 |
C環境教育の目的 191 |
D環境教育の目標 191 |
E対象 191 |
F環境教育プログラムの指導原理 192 |
Ⅲ消費とライフスタイルの見直し 193 |
18ゴミ問題と消費者主権 195 |
華山謙『環境政策を考える』より |
所得の上昇と消費の増大 195 |
ごみと所得の弾性値 195 |
ニューヨークのごみ、東京のごみ 196 |
産業構造とごみの性状 198 |
ごみの性状 198 |
経済構造とごみの性状 199 |
包装材とごみ 199 |
プラスティクス包装の普及 200 |
市場での主権より議会での主権を 202 |
19グリーン・コンシューマー 204 |
Elkington, J. and Hailes, J., The Green Consumer Guide(村木正義・植田和弘訳『ザ・グリーンコンシューマー・ガイド』部分訳、本書収録のための新訳)より |
20大量廃棄社会の構造 208 |
植田和弘『廃棄物とリサイクルの経済学』より |
分断型社会の形成 208 |
生活様式とごみ問題 209 |
使い捨て社会のライフスタイル-包装をめぐる文化と経済 213 |
21ゆたかな社会と依存効果 216 |
J・Kガルブレイス(鈴木哲太郎訳)『ゆたかな社会』第四版、より |
22社会的ジレンマとしての環境問題 222 |
広瀬幸雄『環境と消費の社会心理学』より |
メタファーとしての共有地の悲劇 222 |
囚人のジレンマとしての環境問題 223 |
環境問題とジレンマゲームでの認知・行動の類似性 225 |
調査のデザイン 225 |
調査の結果 227 |
環境問題における行動を規定する要因 232 |
調査のデザイン 233 |
23環境問題と生活協同組合運動 234 |
佐藤慶幸「環境問題と生活協同組合運動」三戸公・佐藤慶幸編者『環境破壊』より |
はじめに-近代化と環境破壊 234 |
産業文明のもたらす「危機の共同主観化」 235 |
オルタナティブ社会の方向性 235 |
「共同購入環境論」-生活クラブ生協を事例として 237 |
共同購入から全生活へ 240 |
24仕事の意味が変わる 244 |
マリリン・ファーガソン(松尾弌之訳)『アクエリアン革命-'80年代を変革する「透明の知性」』より |
危機と拒否とCrisis and Denial 245 |
経済学に変わって新しい発想が生まれるThe Emergent Pradigm:Values, not Economics 246 |
アメリカに新しい発想が生まれるThe Etherealization of America:New Values 247 |
新しい富は協同作業からThe Values of Synergy:New Welath 250 |
Ⅳ女性・エコフェミニズム 253 |
25反原子力運動における女性の位置 255 |
長谷川公一「反原子力運動における女性の位置-ポスト・チェルノブイリの『新しい社会運動』」『レヴァイアサン』第八号、より |
「新しい社会運動」という把握 255 |
(1)行為主体-周辺的存在者 256 |
(2)イッシュー特性-消費点のイッシュー 256 |
(3)運動の価値志向性-自律性とアイデンティティ 257 |
(4)行為様式-表出性とネットワーク志向 258 |
反原子力運動の構図-チェルノブイリ以前 258 |
「新しい社会運動」としての反原子力運動 259 |
ポスト・チェルノブイリの構図 259 |
運動の担い手としての女性 260 |
原子力問題のイッシュー特性-主婦と母の位置から見えるもの 262 |
反原子力運動の価値志向性-自己決定性の防衛と自己表出 263 |
反原子力運動の行為志向性-運動と感性の一致 264 |
おわりに 266 |
26エコロジーとフェミニズム 270 |
フランソワ・ドォボンヌ(辻由美訳・解題)「エコロジーとフェミニズム」青木やよひ編『<プラグを抜く>』3、より |
解題 270 |
本文 271 |
歴史的分析 272 |
政治及び反性差別の面からの帰結 272 |
二つの闘いの接点 273 |
政治的発展 274 |
経済的政治的広がり 275 |
27エコフェミニズムとフェミニズム理論 276 |
キャロリン・マーチャント「エコフェミニズムとフェミニズム理論」I・ダイアモンド、G・F・オレンスタイン編(奥出暁子・近藤和子訳)『世界を織りなおす-エコフェミニズムの開花』より |
28エコフェミニズムと抵抗の政治 282 |
リー・クインビー「エコフェミニズムと抵抗の政治」I・ダイアモンド、G・F・オレンスタイン編(奥田暁子・近藤和子訳)『世界を織りなおす-エコフェミニズムの開花』より |
Ⅴリスクとオルターナティブ・テクノロジー 287 |
29下水処理と工場排水 289 |
中西準子『都市の再生と下水道』第三章、より |
下水処理のしくみ 289 |
あるべき公害対策 290 |
川に出した時 290 |
中小企業の問題 291 |
公害対策の原則 292 |
工場排水と財政 294 |
下水道法の問題 295 |
使用義務 295 |
事業法と規制法 297 |
30原子力発電のエネルギー・コスト 298 |
室田武『エネルギーとエントロピーの経済学』3章、より |
エネルギー・コストの測定 298 |
原子力発電のエネルギー・コスト 300 |
原子力発電の貨幣コスト 305 |
規模の不経済 308 |
「発電以外の原子力利用」という幻想 309 |
31中間技術の開発を必要とする社会・経済問題 310 |
E・F・シューマッハー(小島慶三・酒井懋訳)『スモール イズ ビューティフル』第三部第二章、より |
序 310 |
いちばん助けが必要な人たちを助けること 310 |
課題の性質 312 |
中間技術の定義 312 |
中間技術に対する批判 313 |
中間技術の適用範囲 314 |
32新しい豊かさと技術 318 |
E・U・フォン・ワイツゼッカー(宮本憲一・楠田貢典・佐々木建監訳『地球環境政治-地球サミットから環境の21世紀へ』第15章、より |
環境技術は成長部門である 318 |
代替、移転、技術革新 320 |
生産性の意味を再定義する 322 |
ビジョンから行動へ 324 |
33エネルギー危機 326 |
イヴァン・イリッチ(大久保直幹)『エネルギーと公正』より |
エネルギー危機 326 |
低設備、過剰開発、成熟した技術 332 |
34効率は取引できる 335 |
E・U・フォンワイツゼッカー、A・B・ロビンス、L・H・ロビンス(佐々木建訳)『ファクター4-豊かさを2倍に、資源消費を半分に』第5章(佐々木建・中田俊彦訳)より |
最小コスト・プランニング 336 |
エネルギー供給-監視方法の改革 338 |
利益と売上げを切り離す 338 |
敗者の言い分 340 |
ネガワットの商品化 341 |
節約リベート 341 |
リベート・アイデアのバリエーション 343 |
市場に向かう 344 |
35富の分配と危険の分配の論理について 347 |
ウルリヒ・ベック(東廉・伊藤美登里訳)『危険社会-新しい近代への道』第一章、より |
近代化に伴う危険は科学的知識に依存する 352 |
切り離された現象を関連づける-因果関係の推定 353 |
暗黙の論理 354 |
危険の定義の多様性-危険の増加 355 |
出典一覧 |