注 : C[3]の[3]は下つき文字 |
注 : C[4]の[4]は下つき文字 |
|
1. 地球環境研究に必要な情報とはなにか |
1.1 環境情報とはなにか 1 |
1.2 環境情報の段階 3 |
1.3 地球環境問題への環境情報の意義 4 |
1.4 環境情報の分析・解釈の難しさ 6 |
1.5 制限された環境情報 7 |
1.6 環境情報の役割と有効性 7 |
1.7 予測される最悪のシナリオ 9 |
Ⅰ. これまでの地球の気候はどのように変わってきたのか |
2. 観測された20世紀の気候の特徴 |
2.1 地表面温度の変化 11 |
2.2 水循環の変化 14 |
2.3 雪氷圏の変化 17 |
2.4 海面水位の上昇 19 |
2.5 海洋の生物地球化学的変化 21 |
Box1 : 気候変動パターン 22 |
Box2 : 地球上の氷の種類 23 |
3. 利用可能な気候データの限界 |
3.1 過去1300年間の気温の記録 24 |
3.2 降水パターンの変化 26 |
3.3 日射量の変化 26 |
3.4 極端な気象現象と平年値 28 |
3.5 継続的,広域的なデータの重要性 30 |
Box3 : 酸素同位体比 32 |
4. 自然起源と人間活動由来の気候変化の要因 |
4.1 放射強制力 33 |
4.2 人間活動由来の温室効果ガス 34 |
4.3 大気中の二酸化炭素,メタン,一酸化二窒素の濃度の長期的な変動 36 |
4.4 大気中の温室効果ガス濃度と放射強制力の変化 38 |
4.4.1 二酸化炭素濃度と放射強制力 38 |
4.4.2 メタン濃度と放射強制力 39 |
4.4.3 その他の長寿命気体濃度と放射強制力 40 |
4.4.4 短寿命気体濃度と放射強制力 40 |
4.4.5 その他の人為的な放射強制力 41 |
4.5 自然要因の変化による放射強制力 42 |
4.6 地球全体の正味の放射強制力 42 |
Box4 : フィードバック機構 43 |
Box5 : 地球環境に関する科学で用いる数値桁(接頭語と濃度) 45 |
5. 気候を再現するために必要なもう一つの環境情報―人間活動の影響の変化― |
5.1 気候モデル―大気・海洋結合大循環モデル― 46 |
5.2 動的平衡な地球気候システムの構成要員 47 |
5.3 人間活動による温室効果ガス以外の気候システムへの影響 49 |
5.3.1 硫酸エーロゾルの冷却効果 49 |
5.3.2 深層海流の大循環と気候の関係 52 |
5.3.3 生物の気候システムへの役割,土地利用形態の変化 56 |
5.4 気候モデルによる過去の気候の再現 58 |
5.5 人間活動の定量化の重要性 60 |
Box6 : 地表面,植物の熱収支に関する基本用語 61 |
Ⅱ. これからの地球の気候はどのように変わっていくのか |
6. エネルギー資源の利用から見た人間活動の拡大 |
6.1 エネルギー使用量と人間の生活水準の関係 62 |
6.2 二つのエネルギー資源問題 65 |
6.3 1970年以降の世界のエネルギー使用量の増加 66 |
6.4 2004年の世界の温室効果ガス排出量 70 |
6.5 エネルギー使用のいびつな空間分布 74 |
6.6 人間活動シナリオの統一化 75 |
6.7 将来の温室効果ガスの総排出量の予測 77 |
Box7 : 相当二酸化炭素濃度・排出量,地球温暖化係数 79 |
7. 21世紀の気候変化予測 |
7.1 将来の人間活動シナリオに基づく数値実験 81 |
7.2 既定的な気候変動―短期的な将来予測― 83 |
7.3 21世紀末までの予測 84 |
7.3.1 年間平均温度 84 |
7.3.2 将来の温度変化と関連した現象 86 |
7.3.3 水循環の強化 87 |
7.3.4 海面水位 89 |
7.4 地球環境予測に重要な環境情報 91 |
Box8 : 熱に関する用語と単位の取扱い 92 |
Box9 : アンサンブル予測と気候モデルの階層 92 |
8. 気候変化が生物圏に及ぼす影響 |
8.1 地球環境変化の概要と生物圏への影響 94 |
8.2 現在までに観測された気候変化の影響 97 |
8.3 将来予測される気候条件によるさまざまな影響 98 |
8.3.1 淡水資源への影響 98 |
8.3.2 人間社会への直接的な影響 99 |
8.3.3 食料生産への影響の概要 101 |
8.3.4 陸上生物への影響の概要 102 |
8.3.5 沿岸生物,海洋生物への影響 104 |
8.4 気候変化の生物への影響の現れ方 105 |
Box10 : 気候変化に対する生物圏の応答に関する基本用語 107 |
9. 気候変化と生物地球化学的循環の関係 |
9.1 地球規模の炭素収支モデルの概略 108 |
9.2 炭素のストックとフロー 110 |
9.3 動的植生モデルの重要性 113 |
9.4 大気中の二酸化炭素の既定的濃度と将来予測 114 |
9.5 窒素過多とオゾン濃度上昇がもたらす炭素循環への影響 116 |
9.6 メタンの生物化学的循環 119 |
9.7 モデルの連携―地球環境の将来予測のための必須事項― 120 |
9.8 地球気候と農業という人間活動の関係 122 |
Ⅲ. 人間が食料をつくることにはどのような意味があるのか |
10. 人間活動の中心である食料生産 |
10.1 食料生産とはなにか 124 |
10.1.1 人間による土地利用と生物資源の活用 124 |
10.1.2 耕地の地理的分布 126 |
10.1.3 耕地面積の時間的推移 128 |
10.1.4 農耕地の生態学的特徴 129 |
10.2 農業のための環境資源 130 |
10.2.1 植物生産力と気候条件 131 |
10.2.2 植物と土壌,気候の三位一体の関係 134 |
10.2.3 農用地への転換とその将来の可能性 136 |
10.3 農業生産技術とその特徴 137 |
10.3.1 収量の年々変化 138 |
10.3.2 農耕地への施肥量,灌漑面積,農薬投入量の年々変化 139 |
10.3.3 農耕地への施肥量の地理的分布 141 |
10.4 近代農業がもたらしたもの 142 |
10.4.1 エネルギー産出・投入比 142 |
10.4.2 生産効率の優先か? 絶対量の確保か? 145 |
11. 食料生産の生態学的意義 |
11.1 食料生産を考えるために必要な生態学の基礎的概念 147 |
11.1.1 生物群集と生態系 147 |
11.1.2 食物網と栄養段階 148 |
11.1.3 生態ピラミッド 150 |
11.2 エネルギーの流れと生態効率 151 |
11.2.1 リンデマン比 152 |
11.2.2 オリジナルカロリー 154 |
11.2.3 先進国と開発途上国の食料事情 156 |
11.2.4 経済発展にともなう肉食化の進行 158 |
11.3 エネルギーの移動速度 159 |
11.3.1 世界の植物群系の現存量と純生産 160 |
11.3.2 現存量と純一次生産力の比 161 |
11.3.3 農耕地のエネルギー的特徴 163 |
Box11 : もし人間に光合成能力が備わっていたら 164 |
12. 大気中の二酸化炭素濃度上昇にともなう世界の食料生産の変化予測 |
12.1 人間活動の食料生産への影響ルート 165 |
12.2 二酸化炭素濃度上昇の直接影響 167 |
12.2.1 光合成のメカニズムと制限要因 167 |
12.2.2 C[3]植物とC[4]植物 169 |
12.2.3 高二酸化炭素濃度下の植物生産 170 |
12.3 二酸化炭素濃度上昇の間接影響 173 |
12.3.1 水収支の悪化 174 |
12.3.2 高温障害 174 |
12.3.3 栽培適地の移動 176 |
12.3.4 雑草との競争,病害虫の分布域の変化 178 |
12.4 将来の食料生産への複合的な影響評価 180 |
Box12 : 積算温度 181 |
13. 人間による植物生産力の減少の定量評価 |
13.1 人間活動と植物群系の分布の関係 183 |
13.1.1 気候学的な植物群系の地理的分布―潜在植生分布― 183 |
13.1.2 人間活動の地理的分布―現存植生分布― 185 |
13.1.3 人間活動と植物生産力の関係の緯度的不均衡 186 |
13.1.4 人間による炭素排出量と植物の炭素吸収量の比の地理的分布 188 |
13.2 地球の人口扶養力 190 |
13.3 人間によって取得される生物生産量の概算 193 |
13.4 地球環境情報の応用と今後の課題 195 |
Ⅳ. これからの地球環境と人間活動はどこへ向かうのか |
14. 結語―将来の人間活動規模の定量評価― |
14.1 気候変化と人間活動の関係 198 |
14.2 制約された地球環境情報とその活用 200 |
14.3 植物生産力という情報表現法 201 |
14.4 地球環境研究の今後の展開 202 |
引用文献 204 |
索引 210 |