1章 粉末X線回析法の原理を理解しよう…中井泉 1 |
1.1 粉末回折のためのX線結晶学入門 1 |
1.1.2 結晶とは 2 |
1.1.3 結晶構造をどのように記述するか 4 |
1.1.4 X線と結晶の相互作用 7 |
1.2 粉末回折パターンはどのような情報を含むか 13 |
1.3 粉末回折パターンをつくってみよう 15 |
2章 粉末X線回析データを測定する…藤縄剛 18 |
2.1 粉末X線回析装置 18 |
2.1.1 粉末X線回析のための光学系 18 |
2.1.2 X線源 23 |
2.1.3 検出器 26 |
2.2 回折プロファイルの変形・変位 31 |
2.2.1 光学系の原理的な系統誤差 32 |
2.2.2 不十分な装置調整による誤差 35 |
2.2.3 試料の調整と温度に起因する誤差 36 |
2.2.4 機械加工精度や制御方法に起囚する誤差 37 |
2.2.5 集中法光学系における回折角の誤差 37 |
2.2.6 粉末試料自体の性質の影響 38 |
2.3 どうすれば良質のデータを測定できるか 38 |
2.3.1 X線 38 |
2.3.2 測定試料 44 |
2.3.3 最適測定条件 47 |
3章 粉末X線回析データを読む…山路功 49 |
3.1 測定データの前処理 49 |
3.1.1 平滑化 49 |
3.1.2 バックグラウンド除去 49 |
3.1.3 Kα2成分の除去 50 |
3.1.4 自動ピークサーチ 50 |
3.2 未知試料を同定する 51 |
3.2.1 PDFの活用 51 |
3.2.2 結晶相同定 54 |
3.2.3 コンピュータによる自動検索 55 |
3.2.4 検索に有効な情報 57 |
3.2.5 同定時の注意 57 |
3.2.6 うまく同定できない場合 58 |
4章 粉末X線回折データ解析の基礎…紺谷貴之 59 |
4.1 格子定数の精密測定 59 |
4.1.1 格子定数決定のための回折データ測定 59 |
4.1.2 回折角の算出方法 60 |
4.1.3 格子定数の算出方法 60 |
4.1.4 格子定数算出の例 61 |
4.2 結晶子サイズ,ひずみ解析 61 |
4.2.1 結晶子サイズと回折線の広がり 62 |
4.2.2 格子ひずみによる回折線の広がり 62 |
4.2.3 半値幅と積分幅の算出 62 |
4.2.4 シェラー法 63 |
4.2.5 Wil1iamson-Hal1法 63 |
4.2.6 装置による回折線の広かりの影響 64 |
4.2.7 解析の注意点 64 |
4.2.8 解析事例 64 |
4.3 定量分析 65 |
4.3.1 定量分析の原理 65 |
4.3.2 内標準法 66 |
4.3.3 標準添加法 66 |
4.3.4 検量線を用いない方法 67 |
4.3.5 定量分析用の試料調製 67 |
4.3.6 定量方法の選択 68 |
5章 X線回折応用技術 69 |
5.1 微小部回折…山田尚 69 |
5.1.1 光学系 69 |
5.1.2 ゴニオメーター 69 |
5.1.3 検出器 70 |
5.1.4 応用 70 |
5.2 ガンドルフィカメラ…中牟田義博 74 |
5.3 薄膜への応用…表和彦 76 |
5.3.1 薄膜表面におけるX線の反射・屈折 76 |
5.3.2 薄膜のX線回折測定 78 |
5.4 結晶子サイズと格子ひずみの解析…井田隆 81 |
5.4.1 シェラーの式 81 |
5.4.2 結晶子の形状の異方性の影響 82 |
5.4.3 結晶のサイズ分布の影響 83 |
5.4.4 サイズとひずみの影響の分離 83 |
5.4.5 装置による線幅の広がりの影響 83 |
5.4.6 転位による格子ひずみ 84 |
5.4.7 積層不整による線幅の広がり 85 |
6章 これだけは知っておきたい結晶学…佐々木聡 86 |
6.1 回折でなぜ構造が求まるか 86 |
6.1.1 結晶構造 86 |
6.1.2 原子座標と結晶面 86 |
6.1.3 回折の条件 87 |
6.1.4 原子が結晶面に存在する場合 89 |
6.2 空間群を理解しよう 89 |
6.2.1 対称要素とラウエ群 90 |
6.2.2 並進対称性 90 |
6.2.3 エッシャーの絵から対称性を学ぶ 91 |
6.2.4 空間群 92 |
6.2.5 空間群の図 93 |
6.2.6 Internationa1 Tablesの使い方 94 |
6.2.7 空間群の情報 96 |
6.2.8 結晶軸の変換の仕方 96 |
6.2.9 ペロブスカイトの例 98 |
6.3 回折強度はどのように決まるか 100 |
6.3.1 原子散乱因子の物理的意味 100 |
6.3.2 結晶構造因子 102 |
6.3.3 結晶構造因子の計算 102 |
6.3.4 消滅則 103 |
6.3.5 空間群を決める 105 |
6.3.6 積分反射強度 106 |
6.3.7 単結晶から粉末結晶へ 106 |
6.4 結晶構造解析に必要な概念をやさしく学ぼう 107 |
6.4.1 サイト(席) 107 |
6.4.2 席占有率 108 |
6.4.3 温度因子 108 |
6.4.4 フリーデル則と異常分散 109 |
6.4.5 フーリエ合成 110 |
6.4.6 差フーリエ合成 111 |
6.5 中性子の利用 112 |
6.5.1 中性子回折の特徴 112 |
6.5.2 核散乱 112 |
6.5.3 磁気散乱 113 |
7章 リートベルト法…泉富士夫 115 |
7.1 リートベルト法の原理 115 |
7.2 理論回折強度に含まれる関数 117 |
7.2.1 表面粗さ補正因子 117 |
7.2.2 吸収因子 117 |
7.2.3 一定照射幅補正因子 118 |
7.2.4 プラッグ角 118 |
7.2.5 結晶構造因子 118 |
7.2.6 選択配向関数 119 |
7.2.7 ローレンツ・偏光因子 119 |
7.2.8 バックグラウンド関数 120 |
7.3 プロファイル関数 120 |
7.3.1 対称プロファイル関数 120 |
7.3.2 プロファイルの非対称化法 122 |
7.3.3 ピーク位置の移動 123 |
7.3.4 プロファイルパラメーターを精密化する際の留意点 123 |
7.3.5 部分プロファイル緩和の技法 124 |
7.4 リートベルト解析の進み具合と結果の評価 125 |
7.4.1 フィットのよさの尺度 125 |
7.4.2 精密化パラメーターの標準偏差 126 |
7.5 リートベルト解析の手順 127 |
7.6 粉末回折データへの構造情報の追加 128 |
7.7 パターン分解との比較 129 |
7.8 混合物の定量分析 131 |
7.8.1 結晶相 131 |
7.8.2 無定形成分 132 |
8章 構造解析のための回折データを測定する 134 |
8.1 試料調整の勘所 134 |
8.1.1 粒径 134 |
8.1.2 選択配向 135 |
8.1.3 試料表面の平滑さ 136 |
8.1.4 結晶子サイズと格子ひずみ 136 |
8.1.5 回折角・強度標準物質の混合 136 |
8.2 測定における注意点…藤縄剛 137 |
8.2.1 装置と光学系の詞整 137 |
8.2.2 照射幅と発散スリット 137 |
8.2.3 受光スリット 137 |
8.2.4 試料の厚みと照射体積 138 |
8.2.5 測定2θ間隔 138 |
8.2.6 測定2θ範囲 139 |
8.2.7 計数方法 139 |
8.2.8 検出器の数え落とし 139 |
8.2.9 特性X線の種類 139 |
8.3 有機結晶の取扱い法…橋爪大輔 139 |
8.3.1 有機結晶の特徴 139 |
8.3.2 有機粉末結晶の調製法 140 |
8.3.3 有機粉末結晶のマウント 140 |
8.4 放射光利用測定…橋爪大輔・八島正知 142 |
8.4.1 平板試料とアナライザー結晶を組み合わせた光学系 143 |
8.4.2 キャピラリー試料とイメージングプレートを組み合わせた光学系 143 |
8.4.3 分解能△d/dと格子面間隔dの範囲 144 |
8.4.4 放射光利用前の注意点 144 |
8.4.5 予備実験 145 |
8.4.6 放射光施設での測定 146 |
8.5 中性子粉末回折測定…八島正知 147 |
9章 RIETAN-FPを使ってみよう…八島正知 149 |
9.1 リートベルト解析を行うための準備 149 |
9.2 RIETAN-FPおよび関連ソフトウェア 150 |
9.3 RIETAN-FPの入出力ファイル 150 |
9.4 強度データファイル*.intのフォーマット 151 |
9.4.1 一般フォーマッド 151 |
9.4.2 RIETANフォーマット 151 |
9.4.3 1gor Proテキストフォーマット 152 |
9.5 入力ファイル*.ins作成のための文法 152 |
9.5.1 入力ファイルのプリプロセッサー 152 |
9.5.2 一行の長さの制限 152 |
9.5.3 注釈 152 |
9.5.4 変数とその値 152 |
9.5.5 IfブロックとGo to文 153 |
9.5.6 Selectブロック 153 |
9.5.7 If・Se1ectブロックのネスト 153 |
9.6 入力ファイル(*.ins)の編集 154 |
9.6.1 RIETAN-FPの解析手順の概要 154 |
9.6.2 回折強度を計算するためのパラメーターの入力 154 |
9.6.3 精密化の指標 154 |
9.6.4 タイトル,線源の種類,測定条件など 155 |
9.6.5 化学種 155 |
9.6.6 仮想化学種 155 |
9.6.7 空間群 156 |
9.6.8 選択配向関数 156 |
9.6.9 プロファイル関数の選択 156 |
9.6.10 ピーク位置シフト関数 157 |
9.6.11 バックグラウンド関数と尺度因子 157 |
9.6.12 部分プロファイル緩和 157 |
9.6.13 TCHの擬フォークトプロファイル関数 158 |
9.6.14 分割プロファイル関数 159 |
9.6.15 格子定数と構造パラメーター 159 |
9.6.16 構造パラメーター : 占有率 159 |
9.6.17 構造パラメーター : 分率座標 160 |
9.6.18 構造パラメーター : 原子変位パラメーター 161 |
9.6.19 複数の相が含まれている試料における入力 161 |
9.6.20 線形制約条件式 161 |
9.6.21 除外2θ領域 162 |
9.6.22 非線形最小二乗法 162 |
9.6.23 結合距離と結合角の計算 162 |
9.6.24 原子間距離,結合角,二面角に対する非線形抑制条件 163 |
9.7 リートベルト解析の進め方とノウハウ 164 |
9.7.1 *.insと*.intの用意 164 |
9.7.2 粉末回折パターンのシミュレーション 164 |
9.7.3 リートベルト解析のスタート 164 |
9.7.4 初期段階1 : 線形パラメーターの精密化 165 |
9.7.5 初期段階2 : 安定な収束を目指して 165 |
9.7.6 解析中期における留意点1 165 |
9.7.7 解析中期における留意点2 166 |
9.7.8 解析後期における留意点1 166 |
9.7.9 解析後期における留意点2 166 |
9.7.10 解析後期における留意点3 166 |
10章 MEMによる解析 168 |
10.1 MEMによる電子・散乱長密度の決定…泉富士夫 168 |
10.1.1 MEMの原理 168 |
10.1.2 MEMの特徴 169 |
10.1.3 粉末回折データへのMEMの適用 170 |
10.2 MEMによる構造精密化…泉富士夫 171 |
10.2.1 前処理と反復改良 171 |
10.2.2 MEM/リートベルト法 172 |
10.2.3 MPF法 173 |
10.3 最大エントロピーパターソン法…泉富士夫 174 |
10.4 MRMとMPF法による電子・核密度と不規則性の解析…八島正知 175 |
10.4.1 不規則性 175 |
10.4.2 イオン伝導体α-CuIにおける電子密度分布 176 |
10.4.3 熱振動と不規則性 176 |
10.4.4 MEM,MPF,電子・核密度と不規則構造の解析におけるノウハウ 176 |
11章 リートペルト解析に取り組む人へのアドバイス…泉富士夫 181 |
11.1 空間格子と同価位置 181 |
11.1.1 空間格子 181 |
11.1.2 同価位置 182 |
11.1.3 構造因子計算時の同価位置の取扱い 183 |
11.2 熱振動の取扱い 184 |
11.2.1 原子の熱振動 184 |
11.2.2 デバイ-ワラー因子の計算法 184 |
11.2.3 リートベルト解析時の注意 186 |
11.3 論文執筆の際の記述法 186 |
11.3.1 反射と格子面の指数 186 |
11.3.2 構造パラメーターの表記法 186 |
11.3.3 熱振動に関係した物理量 187 |
11.3.4 構造パラメーターの表 187 |
11.3.5 結晶構造の図示 187 |
11.3.6 解析結果の考察 188 |
付記1 有効イオン半径 189 |
付記2 bond valence sum 190 |
付記3 有効配位数と電荷分布 190 |
12章 粉末結晶構造解析 191 |
12.1 粉末結晶構造解析の概要…植草秀裕・藤井孝太郎 191 |
12.1.1 はじめに 191 |
12.1.2 粉末回折データの特徴 191 |
12.1.3 構造解析の手順 193 |
12.1.4 未知構造解析の実際 197 |
12.2 無機結晶解析の実際…池田卓史 201 |
12.2.1 はじめに 201 |
12.2.2 解析における注意と手順 202 |
12.2.3 データ収集 204 |
12.2.4 結晶格子と空間群の決定 205 |
12.2.5 パターン分解による積分強度の抽出 208 |
12.2.6 直接法による初期構造モデルの探索 210 |
12.2.7 実空間法による初期構造モデルの探索 213 |
12.2.8 pCF法 215 |
12.2.9 MEMによる部分構造の推定 216 |
12.2.10 中性子回折データの利用 217 |
12.3 有機結晶解析の実際…橋爪大輔 220 |
12.3.1 はじめに 220 |
12.3.2 解析の手順 220 |
12.3.3 格子定数,空間群の決定,強度の抽出 221 |
12.3.4 初期構造モデル導出 223 |
12.3.5 構造の精密化 225 |
12.3.6 結果の評価 227 |
13章 実例で学ぶ粉末X線解析 229 |
A. 自動検索による同定と近似構造の検索方法…西郷真理 230 |
B. アスベストの分析…中山健一・中村利麿 232 |
C. セメント分野での定量分析への応用…佐川孝広 234 |
D. ポリキャピラリー型平行光学系を用いたX線回折法とその応用…関口晴男 236 |
E. X線応力測定…関口晴男238 |
F. 水酸アパタイトの構造精密化…藤森宏高 240 |
G. 鉱物の結晶化学的研究…赤坂正秀・永篤真理子 242 |
H. 構造材料の構造解析…八島正知 244 |
I. 触媒の構造と電子・核密度の解析…八島正知246 |
J. 熱電変換特性を示す層状炭化物の結晶構造解析…福田功一郎 248 |
K. アシル尿素誘導体の1次相転移ダイナミクスの観察…橋爪大輔 250 |
L. 細孔性ネットワーク錯体の構造解析…河野正規 252 |
14章 粉末X線解析に役立つ標準試料とデータベース…紺谷貴之 254 |
14.1 標準物質 254 |
14.2 データベース 257 |
コラム ポータブル粉末X線回折計による考古資料のその場分析…中井泉 260 |
付録 262 |
1. 有効イオン半径γ…寺田靖子 262 |
2. ファンデルワールス半径γ…橋爪大輔 265 |
3. bond va1ence parameter 10…寺田靖子 266 |
4. 知っていると便利な粉末X線の関連情報…佐々木聡 267 |
5. 粉末解析に必要な数学の基礎…佐々木聡 270 |
6. 主要粉末回折用ソフトウェア…泉富士夫 277 |
索引 279 |
1章 粉末X線回析法の原理を理解しよう…中井泉 1 |
1.1 粉末回折のためのX線結晶学入門 1 |
1.1.2 結晶とは 2 |