序章 イントロダクション 東中川徹 |
0.1 発生学から発生生物学へ 2 |
0.2 発生研究の方法 3 |
0.3 多様性から統一原理の理解 4 |
0.4 発生生物学小史 5 |
演習問題 7 |
第1章 個体の始まり-受精 西駕秀俊 |
1.1 生物の生殖 : 有性生殖と無性生殖 10 |
1.2 生殖に関わる細胞 : 卵,精子 12 |
1.2.1 卵,精子を作る減数分裂 12 |
1.2.2 卵形成 17 |
1.2.3 精子形成 23 |
1.3 精子と卵の出会い : 受精 27 |
1.3.1 受精の戦略 : 卵と精子が効率よく出会うために 27 |
1.3.2 受精の過程 : ウニの場合を例に 27 |
1.3.3 哺乳類の受精 : ウニの受精と比較しながら 22 |
1.4 受精と発生 25 |
1.4.1 受精により引き起こされる卵細胞の変化 35 |
演習問題 38 |
第2章 卵割から胞胚期へ 八杉貞雄 |
2.1 卵割の意義 40 |
2.1.1 多細胞体制の構築 40 |
2.1.2 卵割の様式 41 |
2.1.3 卵割期から原腸形成へ : 胞胚期 42 |
2.1.4 初期発生と遺伝子発現 43 |
2.2 モデル動物の卵割と胞腔 43 |
2.2.1 ウニ 43 |
2.2.2 両生類 48 |
2.2.3 ゼブラフィツシュ 50 |
2.2.4 鳥類 51 |
2.2.5 哺乳類 53 |
2.2.5 ショウジョウバエ 57 |
2.2.7 環形動物と軟体動物のらせん卵割 58 |
2.3 卵割と細胞周期 60 |
2.3.1 細胞周期 60 |
2.3.2 卵割における細胞周期の制御 61 |
演習問題 63 |
第3章 原腸形成-胚葉が形成され,動物の体制が明らかになる 西駕秀俊 |
3.1 原腸形成の意義 66 |
3.2 さまざまな動物の原腸形成 66 |
3.2.1 ウニの原腸形成 67 |
3.2.2 両生類 : アフリカツメガエルの原腸形成 69 |
3.2.3 魚類 : ゼブラフィッシュの原腸形成 72 |
3.2.4 鳥類 : ニワトリの原腸形成 74 |
3.2.5 哺乳類 : マウス,ヒトの原腸形成 77 |
3.2.6 キイロショウジョウバエの原腸形成 79 |
3.3 原腸形成の機構 81 |
3.3.1 原腸形成で見られる細胞運動 81 |
3.3.2 胚葉の形成機構 83 |
3.3.3 胚葉形成とモザイク卵,調節卵 85 |
3.4 シュペーマンオーガナイザーと神経誘導 85 |
3.3.5 神経誘導の機構 87 |
演習問題 88 |
第4章 器官形成-体を構成する部品の作り方 八杉貞雄 |
4.1 原腸胚から神経歴 92 |
4.1.1 神経管の形成 92 |
4.1.2 器官形成の出発点としての神経歴 94 |
4.1.3 器官と組織 94 |
4.1.4 各種動物の神経歴 97 |
4.2 外胚葉の分化 99 |
4.2.1 表皮とその派生物の分化 99 |
4.2.2 中枢神経の形成と分化 101 |
4.2.3 神経冠の起原と移動と分化 102 |
4.2.4 眼の形成 105 |
4.3 中胚葉の分化 106 |
4.3.1 中軸中胚葉(脊索) 105 |
4.3.2 沿軸中胚葉(体節)の分化 108 |
4.3.3 骨と筋肉の分化 110 |
4.3.4 側板中胚葉の分化 111 |
4.4 肢の形成と器官形成原理 116 |
4.4.1 肢の正常発生 116 |
4.4.2 肢の発生と組織間相互作用 118 |
4.4.3 肢の形成をもたらす分子 120 |
4.5 内胚葉性器官の発生 121 |
4.5.1 原腸と内胚葉の成立 121 |
4.5.2 消化管の成立 122 |
4.5.3 消化器の形成と組織間相互作用 122 |
4.5.4 呼吸器官と鰓性器官の発生 125 |
4.5.5 肝臓と膵臓の形成 127 |
4.6 変態 127 |
4.6.1 種々の動物の変態 127 |
4.6.2 変態のメカニズム 130 |
演習問題 131 |
第5章 再生 織井秀文 |
5.1 付加再生と形態調節 134 |
5.2 再生にあずかる細胞の由来 135 |
5.2.1 幹細胞による再生 135 |
5.2.2 脱分化による再生 138 |
5.3 再生のルール 140 |
5.4 再生の意義 142 |
5.5 再生医療 142 |
演習問題 144 |
第6章 ボディープラン-生物の基本体軸の決定 西駕秀俊・東中川徹 |
6.1 前後軸の形成 146 |
6.2 背腹軸の決定 155 |
6.3 左右軸の決定 158 |
演習問題 162 |
第7章 植物の発生 澤進一郎 |
7.1 植物と動物の発生過程の比較 166 |
7.1.1 体制の違いと生殖系列 166 |
7.1.2 生活環と核相,受精 167 |
7.1 3 植物と動物の発生 168 |
7.2 胚発生 168 |
7.2.1 モデル植物―シロイヌナズナ 168 |
7.2.2 初期胚発生 169 |
7.2.3 頂端-基部軸パターンの形成 170 |
7.2.4 茎頂分裂組織の維持 171 |
7.2.5 向背軸パターンの形成 172 |
7.2.6 根の形成と放射軸パターンの形成 173 |
7.3 花成制御 175 |
7.3.1 花成とはなにか 175 |
7.3.2 花成ホルモン 175 |
7.4 花形成 177 |
7.4.1 花形成とABCモデル 177 |
7.4.2 ABCモデルと遺伝子 178 |
7.5 維管束細胞分化 180 |
演習問題 181 |
第8章 細胞分化 東中川徹 |
8.1 細胞分化の基本概念 184 |
8.1.1 細胞分化とは? 184 |
8.1.2 エピジェネティック・ランドスケープ 184 |
8.1.3 細胞分化における決定 188 |
8.1.4 細胞分化はどのようにして起こるか 188 |
8.1.5 細胞分化に関連する諸現象 190 |
8.2 細胞分化と遺伝子 191 |
8.2.1 細胞分化において遺伝子は変化するか 191 |
8.2.2 細胞分化関連遺伝子のクローニング 201 |
8.2.3 細胞分化関連遺伝子のはたらきを知る 209 |
8.3 細胞分化と細胞外要因 215 |
8.3.1 シグナル伝達 216 |
8.3.2 細胞接着分子 219 |
8.3.3 細胞外基質 219 |
演習問題 220 |
第9章 幹細胞-多分化能をもった細胞の特徴と応用 八杉貞雄 |
9.1 幹細胞とはなにか 222 |
9.1.1 はじめに 222 |
9.1.2 幹細胞の定義と種類 223 |
9.1.3 ニッチの概念 224 |
9.2 胚性幹細胞 ES細胞 225 |
9.2.1 ES細胞の樹立 225 |
9.2.2 ES細胞の未分化性維持 227 |
9.2.3 ES細胞の分化 220 |
9.2.4 ES細胞を用いた再生医療の問題点 231 |
9.3 組織幹細胞 233 |
9.3.1 組織幹細胞とは 233 |
9.3.2 組織幹細胞の分化 235 |
9.3.3 神経幹細胞の性質と応用 237 |
9.3.4 間葉系幹細胞と種々の多能性幹細胞 239 |
9.3.5 間葉系幹細胞の分化 240 |
9.3.6 間葉系幹細胞の臨床応用 241 |
演習問題 241 |
第10章 遺伝子ターゲティング法と遺伝子トラップ法 竹内隆 |
10.1 遺伝子ターゲティング法が必要とされた背景 244 |
10.2 遺伝子ターゲティング法を可能にした背景 245 |
10.2.1 マウスを用いた発生工学 245 |
10.2.2 ES細胞の樹立 245 |
10.2.3 相同組換え細胞の選別法 247 |
10.3 遺伝子ターゲティング法の実際 250 |
10.3.1 ターゲティングベクターの導入と相同組換え細胞の選別 250 |
10.3.2 相同組換え細胞からキメラマウスを作製 250 |
10.3.3 キメラマウスのES細胞由来精子からの個体を得る 250 |
10.4 遺伝子ターゲティング法によりこれまでに解析された遺伝子について 252 |
10.4.1 左右非対称決定とKif3B遺伝子 252 |
10.4.2 前後軸制御とホックス(ROX)遺伝子 253 |
10.5 遺伝子ターゲティング法による解析から浮かび上がってきた問題点 253 |
10.6 さまざまな遺伝子ターゲティング法 254 |
10.6.1 ノックイン 254 |
10.6.2 コンディショナル遺伝子ターゲティング法 254 |
10.6.3 遺伝子クラスターの欠損 255 |
10.7 マウス以外の生物における遺伝子ターゲティング 256 |
10.8 遺伝子トラップ法 256 |
演習問題 258 |
第11章 クローン動物 角田幸雄 |
11.1 クローン動物の作製と意義 262 |
11.1.1 研究の歴史 262 |
11.1.2 クローン個体作製研究の意義 265 |
11.1.3 クローン個体の作製率と正常性 266 |
11.2 エピジェネティクスと核の初期化 267 |
11.2.1 哺乳類の初期発生とエピジェネティクス 267 |
11.2.2 DNAのメチル化と核の初期化 268 |
11.2.3 ヒストンの修飾と核の初期化 269 |
11.2.4 初期歴の遺伝子発現と発生能 269 |
11.3 クローン動物の応用と問題点,解決策 270 |
演習問題 271 |
第12章 エピジェネティクス 石野史敏 |
12.1 エピジェネティクスの定義とその由来 274 |
12.2 エピジェネティック制御の分子機構 275 |
12.2.1 DNAメチル化修飾 275 |
12.2.2 ヒストンの修飾―ヒストンコード仮説 276 |
12.2.3 DNAメチル化とヒストン修飾の相互作用 276 |
12.3 エピジェネティックな諸現象 278 |
12.3.1 へテロクロマチン化で誘導されるエピジェネティツクな現象 278 |
12.3.2 トランスポゾンの不活性化にともなって起きるエピジェネティックな変異 280 |
12.3.3 ゲノムインプリンティング 281 |
12.3.4 X染色体不活性化 284 |
12.3.5 体細胞クローン胚に見られるエピジェネティックな異常 286 |
演習問題 287 |
第13章 エコデボ(生態発生学) 三浦徹 |
13 1 エコデボとは 292 |
13.1.1 エコデボの誕生と歴史 292 |
13.1 2 発生における環境要因の影響 293 |
13.1.3 表現型可塑性 293 |
13.1.4 表現型多型 204 |
13.1.5 環境要因の生理状態への変換 296 |
13.1.6 内分泌撹乱物質 295 |
13.2 表現型多型の例 296 |
13.2.1 季節多型 296 |
13.2.2 環境条件による性決定 297 |
13.2.3 他生物の存在による発生修飾 297 |
13.2.4 栄養状態に依存した多型 298 |
13.2.5 捕食者のカイロモンによる防御形態誘導 300 |
13.3 表現型多型と社会性 300 |
13.3.1 環境要因としての個体間相互作用 300 |
13.3.2 アリの翅多型 301 |
13.3.3 ソシオゲノミクス 302 |
13.4 植物におけるエコデボ研究 304 |
13.5 生物進化における可塑性の役割 305 |
13.5.1 エピジェネテイツク・ランドスケープ 305 |
13.5.2 可塑性と表現型進化 306 |
演習問題 307 |
第14章 エボデボ(進化発生生物学) 野地澄晴 |
14.1 はじめに 310 |
14.2 進化論の歴史から進化発生生物学への歴史的背景 311 |
14.3 発生のツールキット遺伝子群の存在が意味すること 314 |
14.4 ツールキット遺伝子群のシス調節エレメントのモジュール構造が形態の多様性を生む 315 |
14.4.1 多指症の原因はShhのシス調節エレメントの変異 316 |
14.1.2 ショウジョウバエの翅の模様 318 |
14.4.3 ショウジョウバエとコオロギの発生渦程 319 |
14.5 新奇形態の誕生とツールキット遺伝子群 320 |
14.6 今後の展望 322 |
演習問題 323 |
第15章 ヒトの発生異常 高垣洋太郎 |
15.1 ヒトの出産までの発生段階 326 |
15.1.1 受精から着床まで 326 |
15.1.2 胚子期 326 |
15.1.3 胎児期および出産までの区分 328 |
15.2 発生学と医学とのつながり 328 |
15.3 ヒトの先天性異常 329 |
15.3.1 頻度の高い発生異常 320 |
15.3.2 ヒトの発生の染色体数による異常 : 常染色体332 |
15.3.3 ヒ卜の発生の染色体数による異常 : 性染色体 332 |
15.3.4 先天性心血管疾患 332 |
15.4 環境因子によるヒトの発生異常 334 |
15.4.1 催奇形因子によるヒトの発生異常 334 |
15.4.2 環境ホルモンによる発生への影響に対する懸念 336 |
15.5 発生学の医療への応用 337 |
15.5.1 不妊症と出生前診断 337 |
15.5.2 幹細胞と再生医療 337 |
15.5.3 遺伝子疾患とその対策 339 |
155.4 遺伝子治療 340 |
演習問題 341 |
演習問題解答・解説 345 |
索引 359 |