まえがき i |
第1章 キャップ・アンド・トレードとは何か 1 |
第1節 キャップ・アンド・トレード概観 2 |
第2節 キャップ・アンド・トレードの歩み 6 |
オフセット制度および排出権取引プログラム 6 |
ニュージーランドのITQ制度とアメリカの鉛フェーズアウトプログラム 8 |
二酸化硫黄の排出権取引制度(酸性雨プログラム) 9 |
温室効果ガスの排出権取引 9 |
水問題への新たな適用 13 |
第3節 キャップ・アンド・トレードのバリエーション 16 |
政策の適用対象 16 |
権利の時間的スケール 18 |
規制の段階 18 |
強制力 19 |
目標の相対性 21 |
取引される商品 21 |
初期配分の方法 22 |
適用対象の空間的スケール 23 |
ほかの政策手段との組合せ(ポリシーミックス) 23 |
追加的措置 24 |
第2章 キャップ・アンド・トレードの理論 27 |
第1節 キャップ・アンド・トレード誕生の舞台 28 |
第2節 取引可能な汚染排出権 36 |
第3節 キャップ・アンド・トレードの機能と効率性 39 |
排出割当と排出削減 39 |
2企業によるキャップ・アンド・トレード 41 |
環境税(排出課徴金)と排出権取引の比較 47 |
第4節 ワイツマンの定理 53 |
第5節 数量的規制手段と価格的規制政策のポリシーミックス 65 |
第3章 ニュージーランドの譲渡可能個別漁獲割当 73 |
第1節 制度枠組み 75 |
第2節 ITQの初期配分について 77 |
第3節 ITQ市場 81 |
第4節 ITQ制度で漁業はどう変わったか 86 |
漁業資源の保護 88 |
ITQ割当を超過する漁獲 91 |
ポリシング 92 |
行政コスト 95 |
ニュージーランド漁業の生産性変化 96 |
ITQ保有の集中 98 |
第5節 レントシーキング 100 |
第4章 アメリカの二酸化硫黄排出権取引 107 |
第1節 酸性雨プログラム成立までの経緯と制度の概要 108 |
第2節 酸性雨プログラムによる酸性雨被害の緩和 114 |
第3節 なぜ低コストで排出削減が実現できたか 116 |
安価な低硫黄炭の出現 119 |
脱硫と燃料転換 123 |
第4節 排出権取引による汚染の集中(ホットスポット) 127 |
第5節 市場は機能したか 131 |
第6節 自主参加メカニズムと逆選択 138 |
第7節 まとめ 144 |
補遺 アメリカの「排出権取引プログラム」について 149 |
第5章 イギリスの温室効果ガス排出権取引スキーム 153 |
第1節 排出権取引スキームの概要 155 |
発足までの歩み 155 |
排出権取引スキームの概要 158 |
気候変動税と気候変動協定 159 |
第2節 排出権取引市場の成り立ち 162 |
市場のアクター 162 |
インセンティブ・オークション 167 |
第3節 排出源のキャップ・アンド・トレード戦略 171 |
ブリティッシュ・シュガー : 平均的な直接参加企業 171 |
イネオス・フルオール : ホットエアの疑惑 182 |
第4節 環境税,直接規制,排出権取引のポリシーミックス 192 |
パッケージとして見た排出権取引スキーム 192 |
政策手段の比較 199 |
第5節 まとめ 204 |
パイロットスキームは成功した 204 |
環境税,気候変動協定とのポリシーミックスは良い効果をもたらした 205 |
行政費用は小さい 205 |
ヴォランタリーな直接参加メカニズムの正当性・有校性には疑問が残る 206 |
グランドファーザリング配分は一部に失敗があった 207 |
CO以外の温室効果ガスを排出権取引に含めることには慎重さが必要 208 |
参考文献 211 |
付録 排出権取引実験ゲーム 221 |
あとがき 231 |
索引 巻末 |