日本語版への序文 v |
カラープレートの説明 xv |
カラープレート xvii |
プロローグ 本書の目的と意図 3 |
PartⅠ 生物自己組織化の概論 |
1 自己組織化とは何か |
自己組織化の定義 9 |
群れ活動におけるパターン 10 |
生物学における自己組織化 13 |
2 いかにして自己組織化が働くか |
正のフィードバックと負のフィードバック 17 |
どのようにして生物は情報を獲得し,それに基づいて活動するか 22 |
正のフィードバック,スティグマジー,ゆらぎの増幅 26 |
要約 27 |
Box2.1 負のフィードバック,正のフィードバック,そしてゆらぎの増幅 28 |
3 自己組織化システムの特徴 |
自己組織化システムはダイナミックである 31 |
自己組織化システムは創発的特性を示す 33 |
パラメーターのチューニング 35 |
生物学的および物理学的パラメーター 37 |
自己組織化における創発的特性の意義 37 |
単純な規則,複雑なパターン-パラドックスヘの回答 40 |
Box3.1 ベナール対流 42 |
Box3.2 ロジスティック差分方程式の成長率パラメーターをチューニングする 43 |
Box3.3 ドミノ倒し:パラメーターのチューニングの例として 45 |
4 自己組織化に代わる説明 |
秩序を生む別の道すじ 47 |
リーダー,青写真,レシピ,テンプレート 47 |
自己組織化に代案で説明できる生物例 50 |
自己組織化に関係するアイデア 56 |
要約 62 |
5 なぜ,自己組織化か |
自己組織化か,それ以外の手段か 65 |
要約 69 |
6 自己組織化の研究 |
実験的な研究 71 |
厳密なモデルの定式化 71 |
自己組織化されたシステムの特定のモデル 74 |
それぞれのモデルの長所と短所 81 |
Box6.1 セル・オートマトンモデル-その内容と異例 82 |
Box6.2 StarLogo-分散化された過程をシミュレートするプログラム言語 87 |
7 自己組織化についての誤解 88 |
PartⅡ 事例研究 |
8 粘菌とバクテリアにおけるパターン形成 |
単細胞生物におけるパターン形成 95 |
多細胞集合の適応的意義 100 |
自己組織化に代わる案 100 |
キイロタマホコリカビにおける集合の生物学的基盤 101 |
キイロタマホコリカビにおけるパターン形成のモデル化 103 |
cAMPへの応答としての細胞運動のモデル 109 |
Box8.1 モデル方程式の導出 113 |
Box8.2 キイロタマホコリカビにおけるcAMPラセン波のシミュレーション 115 |
9 穿性昆虫の摂餌集合 |
集合プロセスへの導入 119 |
キクイムシの幼虫による摂餌集合の適応的意義 123 |
エゾマツオオキクイムシの集合形成のモデル 128 |
シミュレーションの結果 130 |
モデルの検討 132 |
要約 133 |
自己組織化パターン形成に代わる説明 133 |
外部の目印と自己組織化の間の相互関係 137 |
10 ホタルの同調発光 |
リズミカルな同調発光 141 |
同調的でリズミカルな発光の適応的意義 143 |
メカニズムに関する初期のいくつかの仮説 146 |
個体の発光の神経生理 149 |
連結した発振器に基づいたモデル 151 |
自己組織化過程としての発光同調化 156 |
Box10.1 人間における同調化の実証 158 |
Box10.2 他の生物に見られる時間的パターン 160 |
11 魚の群れ |
群れの行動 165 |
魚の群れ行動の適応的意義 172 |
群れの中における個体の行動 174 |
群れ形成メカニズムを説明する対立仮説 175 |
自己組織化に基づく群れ形成のモデル 177 |
Box11.1 魚の群れのシミュレーション 183 |
12 ミツバチによる蜜源の選択 |
コロニー・レベルでのパターン 187 |
個体レベルでのプロセス 189 |
採餌バチと未稼働バチ 191 |
採餌バチの資源分配における集合的な知恵のモデル 200 |
数式モデル 202 |
このモデルのテストと使用 206 |
13 アリにおける蟻道形成 |
野外での蟻道形成 215 |
実験室における蟻道形成 217 |
蟻道パターンの適応的意義 221 |
蟻道形成中の個々のアリの行動 221 |
動員を通しての集団的な意思決定のモデル 229 |
2つの食物源の良いほうを選択する 229 |
最短路の選択 235 |
結論:アリとミツバチにおける動員 242 |
Box13.1 収穫アリにおける自己組織化された蟻道の巡回探索 245 |
14 軍隊アリの集団襲撃 |
はじめに 253 |
集団襲撃の集合構造 253 |
軍隊アリ襲撃の適応的意義 254 |
個体行動における基礎 255 |
軍隊アリの集団襲撃の自己組織化 263 |
このモデルの結果 270 |
ある批判 274 |
進化的意味 276 |
結論 279 |
15 ミツバチにおける巣の温度調節 |
巨視的に見れば 281 |
微視的に見れば 284 |
観察は自己組織化説を支持している 286 |
温度調節の自己組織化モデル 289 |
このモデルについてのコメント 299 |
Box15.1 ハインリッチの実験技術 300 |
16 ミツバチ・コロニーの巣板パターン |
コロニーレベルのパターン 304 |
巣板パターンの適応的意義 304 |
パターン形成を説明する対立仮説 307 |
パターン形成の生物学的基盤 310 |
個々のミツパテの行動 310 |
自己組織化モデル 314 |
他のモデリングのアプローチ 322 |
セル・オートマトンモデル 322 |
微分方程式モデル 325 |
モデルの結果 329 |
わかったこと 331 |
システムの撹乱 331 |
将来に向けての課題 333 |
17 アリによる壁づくり |
はじめに 335 |
Leptothorax属の巣の構造 335 |
巣壁の適応的機能 336 |
どのようにして巣壁は建設されるか 336 |
巣の大きさの制御 339 |
壁形成についての基本モデル 349 |
議論 363 |
18 シロアリの塚づくり |
はじめに 369 |
オオキノコシロアリの巣の構造 369 |
建設活動 375 |
自己組織化とテンプレート 383 |
モデルをつくる 386 |
増幅と競争 388 |
議論 392 |
19 狩りバチ類における建設アルゴリズム |
はじめに 397 |
狩りバチ類の巣の構造 397 |
巣のデザインの進化 398 |
巣の建設を説明する対立仮説 405 |
アシナガバチの建設活動の動態 410 |
個体の建設規則 415 |
格子-群れモデル 418 |
質的スティグマジー・モデルの検証 431 |
自己組織化に代わる対立仮説としての質的スティグマジー 432 |
20 アシナガバチ類における順位制 |
はじめに 435 |
社会的優位と繁殖的優位 437 |
順位の形成とその特徴 437 |
優位性を決定する要因 444 |
順位制の適応的意義 447 |
優位性モデルの目標 450 |
モデル1:自己組織化 450 |
モデル1の結果 453 |
モデル1に対する批判 458 |
モデル2 458 |
両モデルに関する議論 460 |
モデル1の他動物への適用 462 |
結論 465 |
Box20.1 モデル1の仮定 466 |
Box20.2 個体の認識を伴うモデル1 466 |
Box20.3 モデル1のモンテカルロ・シミュレーション 469 |
Box20.4 モデル2の仮定 470 |
Box20.5 モデル2のモンテカルロ・シミュレーション 470 |
21 教訓と展望,そして自己組織化理論の将来 |
何が示されたのだろうか 475 |
何を学んできたのだろうか 475 |
なぜ自己組織化が重要なのだろうか 478 |
将来への展望 481 |
注 483 |
引用文献 485 |
訳者あとがき 515 |
人名索引 517 |
事項索引 520 |