1.序論 |
1・1 はじめに 1 |
1・2 有機金属化学の背景 3 |
1・3 有機金属化合物の定義 6 |
文献 8 |
2.錯体化学の基礎 |
2・1 遷移金属錯体の多様性 11 |
2・2 軌道とエネルギー 13 |
2・3 結晶場理論 15 |
a.八面体錯体 15 |
b.四面体錯体 21 |
c.平面四角型錯体その他 23 |
2・4 分子軌道法理論 24 |
a.分子軌道法の基礎 24 |
b.分子軌道法による遷移金属錯体の取扱い 29 |
2・5 原子価結合法理論 34 |
文献 38 |
3.金属-炭素結合の性質と電子配置 |
3・1 金属-炭素結合の性質 40 |
a.共有結合性とイオン結合性 40 |
b.金属-炭素σ結合を有する化合物 41 |
c.電子不足型化合物における多中心結合 46 |
d.アート錯体 49 |
e.π結合の性質とMO法による解釈 49 |
f.金属-金属多重結合を有する錯体 69 |
3・2 遷移金属錯体の分類と18電子則 69 |
a.配位子の表記法 69 |
b.18電子則またはEAN則 71 |
c.18電子則の成立する理由 77 |
d.ソフトとハード 80 |
4.典型元素の有機金属化合物 |
4・1 概説 84 |
4・2 合成法 85 |
a.直接合成法 85 |
b.間接合成法 87 |
c.水素化物とオレフィン,アセチレンの反応 89 |
d.その他の挿入反応を用いる合成法 90 |
e.活性水素化合物との反応 91 |
4・3 1族および2族元素を含む有機金属化合物 92 |
a.アルカリ金属 93 |
b.アルカリ土類金属 95 |
c.2B族元素 99 |
4・4 3族元素 104 |
4・5 4族元素 120 |
4・6 5族および6族元素 131 |
文献 133 |
5.有機遷移金属錯体の合成 |
5・1 遷移金属錯体の合成 135 |
a.オレフィンーπ錯体 135 |
b.η6-アレーン錯体 137 |
c.π-アリル錯体 138 |
d.シクロペンタジエニル錯体 138 |
5・2 遷移金属-炭素σ結合をもつ錯体の合成 141 |
a.アルキル遷移金属錯体 141 |
b.アリール遷移金属錯体 146 |
5・3 アルキル遷移金属錯体の分解過程 147 |
5・4 メタラサイクル錯体 148 |
5・5 カルベンおよびカルビン錯体 151 |
a.Fisher型カルベン錯体 152 |
b.アルキリデン錯体 153 |
5・6 ヒドリド錯体の合成 155 |
5・7 カルボニル錯体および類縁錯体 157 |
a.単核カルボニル錯体 157 |
b.多核カルボニル錯体 159 |
c.アニオン型カルボニル錯体およびヒドリドカルボニル錯体 160 |
d.その他のカルボニル錯体 162 |
5・8 二窒素配位錯体 165 |
5・9 二酸化炭素、二硫化炭素配位錯体 171 |
5・10 二酸素配位錯体 174 |
文献 176 |
6.有機金属化合物の取扱い方と研究方法 |
6・1 空気に敏感な化合物の取扱い法 178 |
6・2 有機金属化合物の構造研究 182 |
a.化学分析 182 |
b.赤外スペクトル,ラマンスペクトル 184 |
c.分子量測定 185 |
d.質量分析 185 |
e.X線解析,中性子線解析 186 |
f.可視・紫外スペクトル 186 |
g.光電子スペクトル 188 |
h.メスバウアースペクトル 189 |
i.双極子能率 189 |
j.磁化率,ESRスペクトル 190 |
6・3 NMRによる有機金属化合物の研究 192 |
a.アルキル金属化合物のNMRによる研究 193 |
b.NMRによるトランス影響の研究 196 |
c.π錯体のNMR 199 |
d.動的挙動を示す錯体のNMRによる研究 201 |
文献 209 |
7.有機遷移金属錯体の基本的反応 |
7・1 概説 211 |
7・2 配位子の配位と解離 211 |
a.平面四角型錯体の配位子置換反応 214 |
b.配位子の立体的影響 219 |
c.電子的影響 221 |
d.遷移金属錯体へのオレフィンの配位 224 |
7・3 酸化的付加と還元的脱離 230 |
a.酸化的付加反応 230 |
b.H2の酸化的付加 233 |
c.炭素-ハロゲン結合をもつ化合物の酸化的付加 234 |
d.C-H結合を有する化合物の酸化的付加 236 |
e.C-O結合の開裂を伴う酸化的付加 239 |
f.その他の酸化的付加反応 241 |
g.酸化的環化反応 242 |
h.還元的脱離反応 242 |
7・4 挿入と引抜き(逆挿入)反応 246 |
a.COの挿入と脱カルボニル化 247 |
b.その他の基質の挿入反応 254 |
c.オレフィンの挿入と脱離 255 |
d.ジエンの挿入反応 262 |
7・5 結合配位子の反応 263 |
a.配位オレフィンの反応 263 |
b.配位カルボニルの反応 266 |
7・6 アルキル遷移金属化合物の安定性 267 |
8.錯体触媒の応用 |
8・1 錯体触媒の特徴 273 |
8・2 オレフィンの反応 274 |
a.Ziegler触媒によるオレフィンの重合機構 276 |
b.立体規則性ポリプロピレンの合成 279 |
c.オレフィンの低重合 282 |
d.環状オレフィンの重合 285 |
e.アセチレンの重合と低重合 286 |
f.ジエン類の重合と低重合 290 |
8・3 一酸化炭素を用いる合成 298 |
a.オレフィンのヒドロホルミル化 298 |
b.オレフィンのカルボキシル化 300 |
c.メタノールのカルボニル化による酢酸合成 301 |
d.合成ガスの反応 302 |
8・4 酸化反応 305 |
a.Hoechst-Wacker法によるオレフィンの酸化 305 |
b.オレフィンのアセトキシル化 308 |
8・5 オレフィンメタセシス 309 |
文献 312 |
9.錯体を用いる有機合成 |
9・1 原理と特徴 315 |
9・2 錯体触媒を用いる水素化および関連反応 316 |
a.水素化 316 |
b.不斉水素化 318 |
c.ヒドロシリル化 322 |
d.ヒドロシアノ化 324 |
e.オレフィンの異性化 324 |
9・3 錯体触媒を用いるC-C結合生成反応 326 |
a.酸化的付加,アルキル化,還元的脱離の組み合せによるC-Cカップリング 327 |
b.M-C結合へのオレフィン挿入,β-脱離の組み合せ 332 |
c.金属に結合した配位子への求核攻撃を利用する合成 334 |
9・4 遷移金属化合物を用いる非触媒的合成反応 341 |
a.有機銅錯体を用いる合成 341 |
b.金属カルボニルを用いる合成 343 |
10.触媒に関するトピックスと展望 |
10・1 ビタミンB12および関連錯体 346 |
10・2 担持錯体触媒 351 |
10・3 金属クラスター触媒 357 |
10・4 むすび 364 |
文献 365 |
索引 367 |
Intermezzo |
π結合理論的提案者は誰か 54 |
Grignard反応か,Barbier反応か 95 |
先見の明があったH.C.Brownの両親 105 |
シリコーンを棄ててしまったKipping 122 |
毒にも薬にもなる化合物 132 |
サンドイッチかつづみか 137 |
"Jesus Christ!It can't that!" 139 |
発見から発明へ 158 |
Vaska錯体の発見 162 |
"serendipity" 166 |
有機金属化学の先達に脱帽 182 |
Ziegler触媒の発見とオレフィンの重合 275 |