I 高等教育における「政府と家計」 |
1章 高等教育システムの経済基盤 8 |
1 教育の経済問題 |
2 教育費の長期的決定と短期的決定 |
3 欲望・需要・社会的必要 |
4 個人需要型と社会的必要型 |
5 日本の高等教育の脆弱な経済基盤 |
2章 教育計画の理論と日本の経験 23 |
1 教育における政府の役割 |
2 教育計画をとりまく社会経済環境の変容 |
3 教育計画モデルの誤謬 |
国際間横断モデル |
人口フロー予測モデル |
収益率モデル |
職業教育モデル |
政府主導型モデル |
4 日本の経験 理論と現実のずれ |
5 おわりに |
3章 家計の教育費からみた日本の高等教育 43 |
1 加熱する教育投資 |
2 教育投資はペイするのか? |
家計に依存した日本の教育 |
受験競争の低年齢化と教育費 |
教育の費用と便益 |
3 教育が家計に及ぼす影響 |
家計負担の現状 |
教育費は何を圧迫してきたか |
出生率の低下と教育支出 |
4 教育費からみた日本の高等教育システム |
II 高等教育システムの経済分析 |
4章 高等教育の進学需要と政策 70 |
1 経済変数の有効性 |
2 進学需要の計測モデル |
3 変数とデータ |
4 計測結果 |
5 政策的含意 |
6 1980年以降の動向 |
5章 私学助成の経済分析 87 |
1 誰が負担すべきか |
2 外部効果と所得再分配効果 |
公的補助の国私格差 |
効率性と公平性 |
2つの再分配効果 |
3 公的収益率の計測 |
社会的収益率と私的収益率の乖離 |
公的収益率 |
4 私学助成は効率的である |
5 減少する私学助成 |
6章 私学助成の使い方 111 |
1 未成熟な規範 |
2 どのように使われてきたか |
3 使い方の範囲と可能性 |
7章 高等教育の大衆化と政策課題 122 |
1 教育成長の日本的特質 |
2 高等教育の大衆化と政策ジレンマの吸収 |
教育の経済化 |
政策枠組みと政策ジレンマ |
政策枠組みからみた日本の特質 |
大衆化と政策ジレンマの吸収 |
3 高等教育システムの特質と政策課題 |
4つの視点 |
教育需要と教育供給 |
3つのシステム分化 |
3つの教育機会 |
労働需要と労働供給 |
4 政策枠組みの転換 政策コンセプトの形成と政策技術の可能性 |
III 高等教育と労働市場 |
8章 日本型雇用システムと大卒労働市場 140 |
1 大学と会社の関係 |
2 大卒労働市場の変動過程とその特質 |
大学は過剰か過小か 就職難と求人難 |
高等教育から基礎教育へ |
平等化から階層化へ |
女性の社会的進出 |
都市化・Uターン・一極集中 |
産業の情報化 |
3 高等教育の経済分析 |
教育人口フローモデル ホワイトカラーのブルーカラー化なのか,ブルーカラーのホワイトカラー化なのか |
費用効果モデル(収益率アプローチ) 労働力人口の数か,技術革新か |
教育システムの経済モデル 社会規範モデルおよび政治モデルと統合できるか |
4 日本的雇用と学歴主義 |
5 科学技術と高等教育 |
6 研究の評価と将来展望 |
見えない社会変化 データの限界 |
見えない不平等 「一括・一律」採用システムの功罪 |
見えない職業・見えない失業 企業内教育の仕組み |
見えない未来 小さな波と大きな波 |
9章 新規大卒労働市場の特殊性 166 |
1 なぜ新規大卒か |
2 大卒就職と経済変動 |
3 就職競争と学歴競争 |
4 「一括・一律」採用システム |
10章 女性の社会的地位 183 |
1 地位を測るものさし |
2 指標の多元性とコンフリクト |
生活分野と地位尺度の次元 |
相互関連と重心 |
3 不安定な女性の地位 |
揺れる役割分業観 |
自立志向と満足度のジレンマ |
個人と家庭の間 |
4 生活様式のシフト |
11章 女子教育の経済効果と社会的地位 201 |
1 期待と現実 |
2 高い潜在的経済効果 |
学歴別の生涯所得 |
生涯所得の最大化モデル |
教育の社会的収益率 |
女子収益率の特徴 |
3 経済効果の縮小過程 |
就業率と収益率 |
職場訓練投資 |
4 教育は地位向上に役立っているか |
結婚と学歴 |
非市場活動の効果 |
意識と行動のギャップ |
自立型の効果と依存型の効果 |
12章 増加する女子学生と新しいキャリア 219 |
1 トンネル・ビジョン・キャリア |
2 女子学歴の経済価値 |
3 高等教育システムへのインパクト |
4 日本人の人生が危ない |
IV 高等教育と生涯学習政策 |
13章 生涯学習における参加と不参加の構造 230 |
1 学習希望は顕在化するか |
2 学習経験のふくらみとちぢみ 学習参加の行動連鎖モデル |
3 参加行動の仮説と学習タイプ |
4 余暇選好順位からみた特徴 |
5 学習タイプと属性 |
6 まとめと政策的含意 |
14章 学習社会化と教育計画 253 |
1 教育人口の拡散 |
2 教育の経済化と経済の教育化 |
教育計画と教育経済学 |
効率的な「個人需要型」 |
教育の経済化と経済の教育化 |
3 学習社会化と生活様式 |
経済効率的生活様式の転換 |
生活時間と生活様式 個性化か階層化か? |
4 大学は生涯学習化社会に参加できるか |
学習者の階層構造 |
学校と企業 効率的分離とその弊害 |
学校は生涯学習化社会に参加できるか |
注および参考文献 275 |
あとがき 289 |