第1章 蛋白質の三次元構造 1 |
A.蛋白質の一次構造 4 |
B.三次元構造の決定法 6 |
1.X線回折法による結晶蛋白質の構造 6 |
2.中性子回折 7 |
3.NMR法から得られる溶液中の蛋白質の構造 8 |
C.蛋白質の三次元構造 10 |
1.構造の組立単位 11 |
2.ラマチャンドラン(Ramachandran)図 16 |
3.モチーフあるいは超二次構造 23 |
4.基本単位からの蛋白質の組立 25 |
D.蛋白質の多様性 29 |
1.イントロンとエキソン,そうして,インテインとエクステイン 30 |
2.蛋白質ファミリーの分岐進化 30 |
3.収れん進化 34 |
4.収れんか分岐か? 35 |
5. a/βバレル(すなわちTIMバレル)蛋白質 36 |
6.説水素酵素とドメイン 38 |
7.遺伝子フラグメントの融合による蛋白質の進化 38 |
8.相同性,配列同一性および構造類似性 40 |
E.より高い水準の組織化 : 多酵素複合体 41 |
1.異なった活性の非共有結合院会合と多頭酵素 42 |
2.アロム(arom)複合体 43 |
3.ピルビン酸脱水素酵素複合体 43 |
4.DNAポリメラーゼ 45 |
5.多重活性をもち多酵素複合体となる理由 46 |
F.酵素―基質複合体の構造 47 |
1.安定な酵素―基質複合体を調べる方法 47 |
2.例1 : セリン・プロテアーゼ 49 |
3.例2 : リゾチーム 52 |
G.蛋白質の柔軟性とコンフォメーション運動性 54 |
1.酵素の結晶構造と溶液構造は本来同一であるのか? 54 |
2.蛋白質で観測される運動と柔軟性のモード 56 |
3.蛋白質の運動性と酵素反応機構 61 |
第2章 化学触媒 67 |
A.遷移状態理論 67 |
1.遷移状態理論の意義と応用 70 |
2.ハモンド則 70 |
3.ハモンド則の化学的基盤 71 |
B.触媒の原理 73 |
1.どこで,なぜ,そしてどのように触媒が必要とされるか 73 |
2.一般酸塩基触媒 77 |
3.分子内触媒 : 酵素の官能基の“有効濃度” 80 |
4.エントロピー : 分子内触媒と有効濃度の理論的基盤 83 |
5.“軌道操作” 88 |
6.静電触媒 89 |
7.金属イオン触媒 92 |
C.共有結合触媒 94 |
1.シッフ塩基形成による求電子触媒 94 |
2.ピリドキサールリン酸―求電子触媒 96 |
3.チアミンピロリン酸―求電子触媒 100 |
4.求核触媒 102 |
D.構進―活性相関 104 |
1.カルボニル基への求核攻撃 104 |
2.求核性と脱離性を決定する因子 107 |
E.微視的可逆性すなわち詳細釣り合いの原理 112 |
F.速度論的等価性の原理 114 |
G.速度論的同位体効果 115 |
1.一次同位体効果 115 |
2.多重同位体効果 117 |
3.二次同位体効果 118 |
4.溶媒同位体効果 119 |
H.酵素触媒の古典的因子のまとめ 120 |
第3章 酵素反応速度論の基本式 125 |
A.定常状態の速度論 125 |
1.実験的基礎 : Michaelis-Menten(ミカエリスーメンテン)の式 126 |
2.単一基質反応の速度論的解釈 : Michaelis-Menten機構 127 |
3.Michaelis-Menten機構の拡張と修正 128 |
B.Michaelis-Mentenパラメータの重要性 131 |
1.kcatの意味 : 触媒定数 131 |
2.KMの意味 : 真の平衡定数と見かけの平衡定数 132 |
3.kcat/KMの意味 : 特異性定数 133 |
C.データのグラフ表示 134 |
D.阻害 136 |
1.拮抗阻害 136 |
2.非拮抗阻害,不拮抗阻害,混合阻害 137 |
E.非生産的結合 138 |
F.kcat/KM=k2/KS 140 |
G.拮抗基質 141 |
1.Michaelis-Mentenの式の別の表現 141 |
2.拮抗する基質(competing substrates)の特異性 141 |
H.可逆性 : Haldaneの式 142 |
1.溶液中の平衡 142 |
2.酵素表面上での平衡(内部平衡) 143 |
I.Michaelis-Mentenの式が適用できない場合 143 |
J.多基質系 144 |
1.ランダム逐次機構 145 |
2.定序機構 145 |
3.Theorell-Chance機構 145 |
4.ピンポン(または置換酵素あるいは二重置換)機構 145 |
K.速度式の簡便化 147 |
1.正味の速度定数の計算 148 |
2.速度定数に対する緩和時間の代用 149 |
L.熱力学サイクル 151 |
1.基本的な熱力学サイクル 151 |
2.二つのリガンドまたは基質の酵素への結合 152 |
3.イオン化と平衡化の連結 : 微視的定数と巨視的定数 154 |
4.仮想上の過程 : アミノ酸変異 156 |
5.二重変異サイクル 156 |
第4章 各速度定数の測定と大きさ 159 |
パート1 測定方法 : 前定常状態速度論への序 159 |
A.迅速混合とサンプリング技術 160 |
1.連続フロー法 160 |
2.ストップトフロー法 161 |
3.迅速停止法(rapid quenching techniques) 162 |
B.閃光分解(flash photolysis) 164 |
C.緩和法(relaxation methods) 165 |
1.温度ジャンプ法 165 |
2.核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance(NMR)) 166 |
D.前定常状態と緩和速度過程の解析 167 |
1.単純な指数関数 167 |
2.酵素と基質の会合 171 |
3.逐次反応 173 |
4.並列反応 177 |
5.温度ジャンプ法の式の導出 178 |
6.二段階逐次可逆反応の一般的解 179 |
7.前定常状態速度論の実験的応用 182 |
E.酵素の絶対濃度 184 |
1.活性部位滴定と“バースト(burst)”の大きさ 184 |
2.バーストの基質濃度依存性 187 |
3.活性部位の滴定と反応速度分析 187 |
パート2 酵素反応における速度定数の大きさ 188 |
A.速度定数の上限 188 |
1.会合と解離 88 |
2.化学過程 191 |
3.プロトン移動 192 |
B.酵素の速度定数と律速過程 194 |
1.酵素と基質の会合 194 |
2.kcat/KMについては会合が律速でありうる 196 |
3.酵素―基質および酵素―生成物複合体の解離 196 |
4.kcatについては酵素―生成物の放出が律速でありうる 196 |
5.立体構造変化 197 |
第5章 酵素触媒のpH依存性 199 |
A.単純な酸と塩基のイオン化 : その基本式 200 |
1.式の視察によるpKa値の抽出 201 |
B.酵素の解離基のイオン化が速度過程に及ぼす影響 203 |
1.単純な理論 : Michaelis-Menten機構 204 |
2.kcat,kcat/KM,1/KMのpH依存性 205 |
3.pKaの予測と帰属の簡単な規則 206 |
C.単純な理論の修正と破綻 207 |
1.中間体が増えることによる修正 207 |
2.単純な法則の破綻 : Briggs-Haldane速度論とpHによる律 |
速段階の変化 : 速度論的pKa値 208 |
3.速度論的pKaと平衡論的pKaの実験的区別 210 |
4.微視的pKaと巨視的pKa 210 |
D.表面電荷が酵素の基のpKaに与える影響 210 |
E.データのグラフ表示 212 |
F.説明に役立つ実例と実験的証拠 213 |
1.キモトリプシンの活性部位のpKa 214 |
G.酵素の解離基の直接滴定 216 |
1.pKaとpH/pDに対するD2Oの影響 216 |
2.方法 217 |
H.酵素内の基や溶液中の基に及ぼす温度,溶媒の極性,イオン強 |
度の影響 220 |
I.酵素中でのpKaの大きな摂動 221 |
第6章 反応速度論と平衡論に関する実用的方法 225 |
A.分光法と反応速度法 225 |
1.分光光度法 225 |
2.分光蛍光法 226 |
3.円二色性 228 |
4.自動分光光度計と自動蛍光光度計 229 |
5.共役検定法 230 |
6.酸または塩基の自動滴定 231 |
7.放射線を用いた方法 231 |
8.標識を必要としない光学的検出 234 |
B.反応速度データのプロット 234 |
1.指数関数 235 |
2.二次反応 236 |
3.Michaelis-Menten速度過程 237 |
C.蛋白質―リガンド複合体の解離定数の決定 237 |
1.速度論 237 |
2.平衡透析法 238 |
3.平衡ゲル濾過法 239 |
4.超遠心法 241 |
5.フィルター検定法 241 |
6.分光学的方法 242 |
7.化学量論的滴定 242 |
8.ミクロ熱量測定法 242 |
D.結合データのプロット 244 |
1.結合部位が一つだけの場合 244 |
2.結合部位が複数存在する場合 245 |
E.コンピュータを用いたデータのフィッティング 245 |
F.統計,観測誤差と精度 246 |
1.正規分有またはガウス分布 247 |
2.標本抽出における誤差 247 |
3.測定誤差の連結 248 |
4.ポアソン分布 250 |
5.吸光,円二色性,蛍光,放射能計数におけるシグナル対ノイズ比 250 |
付録 : 蛋白質濃度の測定 251 |
第7章 酵素反応における中間体の検出 255 |
A.前定常状態速度論と定常状態速度論の違い 255 |
1.中間体の検出 : 何が“証拠”か? 256 |
B.キモトリプシン : ストップトフロー分光法,定常状態の反応速 |
度論および生成物の分配による中間体の検出 257 |
1.生成物解離の“バースト”からの中間体の検出 257 |
2.1代謝回転条件での前定常状態速度論解析による中間体生 |
成の証拠 258 |
3.定常状態の速度論と分配実験によるエステルの加水分解に |
おけるアシル酵素の検出 263 |
4.アミドとペプチドの加水分解におけるアシル酵素の検出 269 |
5.分配実験の妥当性と起こりうる実験誤差 271 |
C.分配実験と速度論的実験による中間体検出の例 272 |
1.アルカリホスファターゼ 272 |
2.酸性ホスファターゼ 274 |
3.βガラクトシダーゼ 274 |
D.アミノアシル―tRNA合成酵素 : 停止フロー法,定常状態の速度 |
論解析,同位体交換を用いた中間体の検出 277 |
1.反応機構 277 |
2.校正機構 280 |
E.コンフォメーション変化の検出 283 |
F.今後の展望 285 |
第8章 酵素反応の立体化学 289 |
A.光学活性と岸ラリティー 289 |
1.表記法 290 |
2.酵素反応と非酵素反応の立体化学の差異 292 |
3.コンフォメーション(配座)とコンフィグレーション(配置) 293 |
B.立体特異的酵素反応の例 294 |
1.NAD+-およびNADP+-依存性酸化と還元 294 |
2.フマラーゼが触媒するフマル酸水和の立体化学 296 |
3.アルドース―ケトース異性化酵素反応におけるエンジオール |
中間体はシン形であることの証明 296 |
4.ホスホフルクトキナーゼのアノマー特異性決定のための固 |
定された(locked)基質の利用 297 |
C.キラル中心のコンフィグレーションの保持や反転に基づく中間 |
体の検出 299 |
1.求核反応の立体化学 299 |
2.立体化学的議論の正当性 300 |
3.リゾチームとβガラクトシダーゼの反応中間体 300 |
D.キラルなメチル基 301 |
1.メチレン基からキラルなメチル基を生成する場合とキラル |
なメチル基をメチレン基に変換する場合の根本的な相違 302 |
2.キラリティーのアッセイ 302 |
3.リンゴ酸合成酵素反応の立体化学 304 |
E.キラルなリン酸 305 |
1.リン酸転移化学の概観 306 |
2.リン酸誘導体のキラリティー 307 |
3.キラルなリン酸転移の例 309 |
4.位置同位体交換 313 |
5.酵素によるリン酸転移の立体化学のまとめ 314 |
F.酵素反応の立体電子的制御 315 |
1.ピリドキサールリン酸の反応性 315 |
2.プロテアーゼ反応における立体電子効果 318 |
第9章 活性部位結合型および酵素によって活性化される不可逆的阻害剤 : |
「アフィニティーラベル」および「自殺阻害剤」 323 |
A.蛋白質の化学修飾 326 |
1.アミノ酸側鎖の化学反応性 326 |
B.活性部位特異的不可逆阻害剤 327 |
C.酵素によって活性化される不可逆的阻害剤 331 |
1.ピリドキサールリン酸結合酵素 335 |
2.モノアミンオキシダーゼとフラボ蛋白質 337 |
D.遅くて,強い結合による阻害 338 |
1.遅くて,強い結合の阻害の速度論 339 |
第10章 コンフォメーション変化,アロステリック制御,モーター,仕事 343 |
A.正の協同性 343 |
B.アロステリック相互作用と協同性の機構 345 |
1.Monod-Wyman-Changeux(MWC)の協奏的機構 346 |
2.Koshland-Nemethy-Filmer(KNF)の逐次モデル 350 |
3.一般的なモデル 351 |
4.入れ子型協同性 352 |
C.負の協同性と半活性部位(half-of-the-sites)反応性 352 |
D.協同性の定量的解析 353 |
1.ヒル(Hill)方程式 : 協同性の尺度 353 |
2.MWC結合曲線 356 |
3.KNF結合曲線 358 |
4.協同性の診断テストとMWC対KNF機構 359 |
E.ヘモグロビンヘの協同的な結合の分子機構 360 |
1.酸素の協同的結合の生理学的意義 360 |
2.ヘモグロビン酸素化における原子レベルの動き 361 |
3.ヘムの化学モデル 364 |
F.代謝経路の制御 365 |
G.ホスホフルクトキナーゼとアロステリックフィードバックによる制御 366 |
1.R伏態の構造 368 |
2.T状態の構造 369 |
H.グリコーゲンホスホリラーゼとリン酸による制御 369 |
1.グリコーゲンホスホリラーゼとグリコーゲン分解の制御 370 |
2.ホスホリラーゼのアロステリックな活性化 373 |
I.G蛋白質 : 分子スイッチ 373 |
J.モーター蛋白質 376 |
K.回転触媒によるATP合成 : ATP合成とF1-ATPase 378 |
第11章 分子間力と結合エネルギー 385 |
A.非結合原子間の相互作用 386 |
1.静電相互作用 386 |
2.非極性相互作用(ファンデルワールス,すなわち分散力) 388 |
3.水素結合 391 |
4.蛋白質及び複合体のエネルギーをシミュレートするための力場 392 |
B.蛋白質とリガンドの結合のエネルギー 393 |
1.疎水結合 394 |
2.水素結合,塩結合(塩橋),および水素結合の収支 399 |
C.エネルギー増分の実験による測定 401 |
1.結合と特異性 401 |
2.速度論からの結合エネルギーの増分の見積もり 403 |
D.エントロピーと結合 409 |
E.エンタルピー―エントロピー相殺 409 |
F.まとめ 411 |
第12章 酵素―基質の相補性と触媒における結合エネルギーの利用 415 |
A.触媒における酵素―基質結合エネルギーの利用 416 |
1.結合エネルギーによりkcat/KMの活性化自由エネルギーが |
低下する 416 |
2.結合エネルギーと化学活性化自由エネルギーの相互変換 417 |
3.遷移状態に対する酵素相補性はkcat/KMが最大値にあるこ |
とを意味する 420 |
B.触媒反応における結合エネルギーの利用と酵素―基質遷移状態 |
相補性の実験的根拠 422 |
1.古典的実験 : 修飾基質における構造と活性の関係 422 |
2.遷移状態アナログ : 相補性のプローブ 425 |
3.触媒抗体(アブザイム) 429 |
4.設計された酵素の構造―活性実験 429 |
C.最大反応速度の進化 : 遷移状態の強い結合及び基質の弱い結合 430 |
1.kcat/KM一定の条件でKMを最大にさせる原理 430 |
2.KMの実験的観察 433 |
3.最大反応速度へ完全に進化した酵素 436 |
D.結合エネルギー利用の分子機構 437 |
1.歪み 437 |
2.誘導適合 438 |
3.非生産的結合 440 |
4.歪み,誘導適合および非生産的結合は特異性には重要ではない 441 |
5.歪み,誘導適合,非生産的結合および定常状態の速度論 441 |
6.歪みの性質についての結論 : 歪みか緊張か? 442 |
E.中間体の集積に関する速度最適化の効果と,酵素における内在 |
的な平衡 443 |
1.中間体の集積 443 |
2.均衡した内在的な平衡 444 |
第13章 特異性と修正機構 447 |
A.特異性の限界 448 |
1.Michaelis-Menten反応速度論 450 |
2.一般的な場合 452 |
3.相互作用している活性部位 453 |
4.特異性の立体化学的起因 454 |
B.修正または校正機構 455 |
1.蛋白質合成における修正 456 |
2.DNA複製における修正 461 |
C.正確さの代価 469 |
1.修正機構に対する代価選択性の方程式 469 |
2.単一特性認識 : f=f′f 471 |
3.ニ重特性認識 : f′f>f 473 |
第14章 組換えDNA技術 477 |
A.DNAの構造と特性 477 |
1.DNAは複製される : DNAポリメラーゼ 480 |
2.DNAにある隙間はふさぐことができる : DNAリガーゼ 482 |
3.二重鎖DNAは特異的な配列で切断できる : 制限エンドヌ |
クレアーゼ 483 |
4.DNA断片は酵素を用いて連結することができる 484 |
5.相補的ホモ重合体の末端によるDNAの連結 : 末端転移酵素 485 |
6.ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるDNAの増幅 486 |
7.進行的重合と分散的重合 486 |
B.大量生産のための酵素遺伝子のクローニング 488 |
1.ベクター 490 |
2.スクリーニング(選別) 490 |
C.合理的設計のための部位特異的突然変異導入 491 |
D.無作為変異導入とレパートリーの選択 494 |
1.ランダム変異導入 494 |
2.レパートリー選択 : ファージディスプレイ 495 |
第15章 蛋白質工学 |
パート1 酵素の構造,活性,機構の精密な分析 : チロシル―tRNA |
シンテターゼ 504 |
A.機構論的な目的 503 |
B.チロシル―tRNAシンテターゼ 503 |
C.体系的な部位特異的変異導入研究の必要性 505 |
1.活性部位滴定 505 |
2.前定常状態速度論 505 |
3.出発点 : E・Tyr-AMP複合体の結晶構造 506 |
D.変異の選択 506 |
E.戦略 : 自由エネルギープロフィールと差エネルギー図 509 |
F.チロシン活性化における差エネルギー図からの結果 511 |
1.酵素―遷移状態相補性の証明 511 |
2.酵素―中間体相補性の発見 : 内部平衡定数の調整と不安定中 |
間体の隔離 513 |
3.誘導適合過程の検出 515 |
4.チロシン活性化における触媒機構 515 |
5.転移段階の機構 520 |
G.差エネルギーからの見かけ上の結合エネルギーと増加結合エネ |
ルギーとの関係 520 |
H.進化の調査 : “逆遺伝学” 522 |
1.特異的結合変化と均一的結合変化 522 |
2.[ATP]に対するチロシル―tRNAシンテターゼの活性の微調整 523 |
3.多段階反応における速度の最適化 524 |
I.結合エネルギーにおける直線自由エネルギー関係 526 |
J.変異誘発による酵素の全体の構造と対称性の探索 529 |
1.酵素のドメイン構造 530 |
2.ヘテロ二量体の構築 530 |
K.Tyr-AMPの加水分解に対する自由エネルギーの測定 534 |
パート2 酵素の再設計 : ズブチリシン 535 |
A.ズブチリシン 535 |
B.触媒トライアドとオキシアニオン結合部位の精密解析 537 |
C.特異性の再設計 538 |
1.サブサイト 538 |
2.ズブチロリガーゼ 539 |
D.安定性と他の特性の設計 540 |
第16章 酵素の構造と反応機構の事例研究 545 |
A.説水素酵素 546 |
1.アルコール脱水素酵素 548 |
2.L-乳酸脱水素酵素とL-リンゴ酸脱水素酵素 555 |
3.グリセルアルデヒド3-リン酸脱水素酵素 560 |
4.脱水素酵素に関するいくつかの一般論 563 |
B.プロテアーゼ 564 |
1.セリンプロテアーゼ 565 |
2.システインプロテアーゼ 575 |
3.亜鉛プロテアーゼ 576 |
4.カルボキシル(アスパラチル)プロテアーゼ 581 |
C.リボヌクレアーゼ 587 |
1.リボヌクレアーゼAとその複合体の構造 589 |
2.バルナーゼの反応機構 592 |
D.リゾチーム 593 |
1.オキソカルベニウムイオン 595 |
2.静電触媒と一般酸触媒 595 |
3.サブサイトの結合エネルギー 596 |
E.いくつかの一般論 597 |
第17章 蛋白質の安定性 607 |
A.蛋白質の変性 608 |
1.蛋白質フォールディングの熱力学 609 |
2.溶媒変性 614 |
3.酸または塩基により引き起こされる変性 617 |
4.二状態転移vs.多状態転移 618 |
B.変性状態の構造 621 |
1.変性条件下の変性状態,U 621 |
2.生理的条件下の変性状態,Dphys 622 |
3.一次転移と二次転移 623 |
C.安定性変化の測定 623 |
1.熱変性 624 |
2.溶媒変性 625 |
D.構造形成のエネルギー特性 626 |
1.αヘリックス 626 |
2.βシート性向 636 |
3.疎水性コア 636 |
4.ジスルフィド架橋 639 |
5.統計調査と実測のエネルギー特性との関係 639 |
6.結合エネルギー変化の加算性 640 |
E.安定性―活性の折り合い 640 |
F.一次構造からの三次元構造の予測 641 |
第18章 蛋白質フォールディングの速度論 645 |
A.フォールディングの速度論 646 |
1.基本的方法 646 |
2.多重相とシスペプチジルプロリン結合 647 |
B.二状態速度過程 648 |
1.アンフォールディングとフォールディングの速度過程に及 |
ぼす変性剤の影響 649 |
2.変性とフォールディングに関する速度則の解釈 : タンフォー |
ド(Tanford)のβ値 651 |
3.フォールディングに及ぼす温度の影響 652 |
4.二状態速度過程と中間体 654 |
5.中間体に対する速度論的テスト 656 |
C.多状態速度過程 661 |
1.中間体は経路上にあるのか経路外にあるのか? 661 |
D.蛋白質フォールディングにおける遷移状態 665 |
1.蛋白質フォールディングにおける遷移状態とは何か? 665 |
2.われわれは遷移状態理論を適用することができるのか? 667 |
E.Φ値解析入門 668 |
1.変異にともなうエネルギー・レベルの変化 668 |
2.変異の選択 : 破壊性のない削除 671 |
3.Фとブレンステッド(Brφnsted)βとの関係 672 |
4.Φの端数値(fractional value) 673 |
5.Φ値をともなうシミュレーションのベンチマークテスト 674 |
F.1H/2H交換法 674 |
1.平衡の1H/2H交換 674 |
2.平衡での交換は経路決定には使用できない 677 |
3.フォールディング研究における平衡1H/2H交換の使用 678 |
4.停止フロー1H/2H交換 679 |
5.停止フロー1H/2H交換対Φ値解析 680 |
G.ペプチドのフォールディング 681 |
1.ループ 681 |
2.αヘリックス 682 |
3.βヘアピン 682 |
4.小蛋白質の非常に速いフォールディング 682 |
第19章 フォールディング経路とエネルギー地形 687 |
A.レービンタール(Levinthal)のパラドックス 690 |
B.C12のフォールディング 691 |
1.天然蛋白質の構造 691 |
2.フォールディング速度過程 693 |
3.ペプチド断片の構造 693 |
4.変性蛋白質の構造 693 |
5.遷移状態の構造 694 |
6.遷移状態の分子動力学シミュレーション 698 |
C.核形成凝結機構(nucleation-condensation mechanism) 701 |
1.C12フォールディングからの教訓 701 |
2.核形成凝結(または,凝縮)機構 701 |
3.蛋白質フラグメントのアセンブリーにおける核形成凝結の |
直接的証拠 704 |
D.バルナーゼのフォールディング 705 |
1.天然蛋白質の構造 705 |
2.フォールディング速度過程 705 |
3.ペプチド・フラグメントの構造 706 |
4.変性蛋白質の構造 707 |
5.アンフォールディングの中間体と遷移状態の構造 707 |
6.分子動力学とФ値とNMRが一緒になってフォールディン |
グ経路を記述する 709 |
E.マイクロ秒分解能におけるバルスターのフォールディング経路 709 |
F.統一的フォールディング・スキーム? 711 |
G.理論からの洞察 713 |
1.格子シミュレーション 716 |
2.スピン・グラス理論とその他の抽象化の方法 717 |
3.フォールディング・ファネル 717 |
H.フォールディング速度の最適化 720 |
1.二状態フォールディングの速度定数を決定する要因 723 |
I.分子シャペロン 724 |
1.シャペロンと熱ショック蛋白質 724 |
2.GroEL(Hsp60またはCpn60) 725 |
3.実在するフォールディング・ファネル 732 |
索引 739 |