第1章 ガリレオ運動論の発展段階ー分析方法と本書の構成ー |
1.1 ガリレオ手稿分析の方法 2 |
1.2 理論発展の五段階 6 |
1.3 補説 : ガリレオ手稿72の内容と伝承 10 |
第2章 迷宮への入口ー1604年ー |
2.1 サルピ宛ての書簡(1604年10月16日) 18 |
2.2 ガリレオの数学的言語 : 比例論 22 |
2.2.1 比の相等性(および大きな比)の定義 24 |
2.2.2 比の合成 27 |
2.3 探求の転回点と誤謬推理 : 手稿128rvおよび85rvの分析 30 |
2.4 サルピ宛て書簡から得られる歴史的再構成の鍵 39 |
第3章 迷宮の手前でー初期の研究(1590年?1604年)ー |
3.0 概観 44 |
3.1 『運動論』(De Motu)の運動分析 49 |
3.1.1 『運動論』で扱われたトピックス 50 |
3.1.2 『運動論』の注目すべき成果 54 |
A.運動の規則 54 |
B.斜面上の速さの規則 57 |
C.ガリレオの『円慣性』 63 |
3.2 『機械学』の諸概念 : 特に「モメント」の概念 71 |
3.3 振子の等時性とその証明の試み 76 |
3.3.1 グィドバルド・デル・モンテ宛ての書簡(1602年11月29日) 77 |
3.3.2 「弦の規則」の機械学的証明 : 手稿151rの分析 83 |
3.4 時間二乗則(S∞T2)の発見をめぐって 85 |
3.4.1 諸説の吟味 85 |
3.4.2 手稿107vの実験の検討 95 |
第4章 迷宮での彷徨1ー前期の研究(1604年?1610年)ー |
4.0 概観 104 |
4.1 一時的な難関突破から再び迷宮の深部へ 106 |
4.1.1 手稿163vの検討 107 |
4.1.2 手稿152rの新解釈 114 |
4.2 移行段階 : 全体速度概念の問題 125 |
4.2.1 機械学的概念による全体速度概念の再考 : 手稿164vと177vrの検討 135 |
4.2.3 「二大世界系対話」(1632)からの証言 147 |
4.3 第二の一時的な難関突破 : 「ガリレオの公準」 153 |
4.3.1 「ガリレオの公準」の出現 : 手稿179rvの検討 153 |
4.3.2 公準のより深い根拠を求めて : ヴァレリオの書簡(1609年7月18日) 167 |
4.4 解決不可能な謎 : 手稿116vの実験 175 |
4.5 ガリレオの著述計画 : ヴィンタ首相宛ての書簡(1610年5月7日) 185 |
第5章 迷宮での彷徨2ー中期の研究(1610年から1625年)ー |
5.0 概観 190 |
5.1 アリゲッティトグィドゥッチ作成の清書原稿 197 |
5.1.1 清書原稿の作成作業 197 |
5.1.2 清書原稿の理論的成果 204 |
5.2 理論的成果の検討 207 |
5.2.1 「時間二乗則の応用」の命題化 : 手稿178r(=164rl)と49rの分析 207 |
5.2.2 基本三規則の関係 212 |
A.「時間二乗則』と関連手稿 : 手稿85v、128rvと50r(=147r)の分析 213 |
B.「斜面の長さ・時間の比例則」と関連手稿 : 手稿60r(=163v2 )、88vr(=179r)と38rの分析 217 |
C.「弦の規則」と関連手稿 : 手稿48r(=172rl)、47r(=172r2)、35rv、151rと160rの分析 219 |
5.2.3 理論的基礎付けの問題 : 3つの可能性 223 |
5.2.4 「弦の規則」の新しい基礎付け : 手稿35rvと189v2の検討 226 |
5.3 新しい可能性の出現 : 誤った原理の廃棄に向けて 233 |
第6章 迷宮からの脱出ー1625年頃ー |
6.0 概観 240 |
6.1 「倍距離則」と関連手稿 : 手稿181r(=163vl)、65rと85rの分析 240 |
6.1.1 古い「倍距離則」 : 手稿181r(=163vl)と65rの分析 241 |
6.1.2 新しい「倍距離則」 : 手稿85rの分析 245 |
6.2 誤った原理から正しい原理の吟味 250 |
6.2.1 手稿91vと79vにおける正しい原理の吟味 250 |
6.2.2 「二大世界系対話」における正しい原理の出現 255 |
第7章 迷宮を後にしてー後期の研究(1625年?1638年)ー |
7.0 概観 266 |
7.1 「二大世界系対話」(1632)の運動論 278 |
7.1.1 「ガリレオの相対性原理」 280 |
7.1.2 「速さの合成則」と自由落下 281 |
7.1.3 コペルニクス地動説に利するガリレオの「正しくない」運動論議 285 |
7.2 「新科学論議」(1638)における運動論の全体的構成 292 |
7.3 変装した「倍距離則」 : 第2部命題1の出現 300 |
7.3.1 第2部命題1の吟味 300 |
7.3.2 「マートン規則」との無関係性 308 |
7.3.3 「位置運動論」第1部 : 均等運動論 313 |
7.4 「新科学論議」の諸命題とガリレオ手稿72 316 |
7.5 「位置運動論」第3部 : 投射体運動論 332 |
7.5.1 投射体のバラボラ軌道 333 |
A.第3部命題1の検討 333 |
B.アントニオ・デ・メディチ宛ての書簡(1609年2月11日) 336 |
7.5.2 投射体運動論の展開 340 |
A.投射体運動論の基礎的諸概念と命題 341 |
B.理論的成果 : 最大射程距離の決定と射程表の作成 350 |
第8章 残された問いー晩期の研究(1638年?1642年)ー |
8.0 概観 364 |
8.1 残された問い 366 |
8.1.1 「ガリレオの公準」の根拠付け 366 |
8.1.2 バラボラ軌道の分析方法について 373 |
8.1.3 衝撃力について 377 |
8.2 ガリレオ運動論への反響と応答 384 |
8.2.1 原理的な批判 : メルセンヌ宛てのデカルト書簡(1638年10月11日) 384 |
8.2.2 方法論的な批判に対して : カルカヴィ宛ての書簡(1637年6月5日)とバリアーニ宛ての書簡(1639年1月7日) 389 |
第9章 ガリレオ運動論の方法ーその歴史的意義と問題性ー |
9.0 概観 402 |
9.1 数学的自然学の基本構図 405 |
9.1.1 ステップ(1) : 理想化あるいは抽象化 406 |
9.1.2 ステップ(2) : 数学的方法 414 |
9.1.3 ステップ(3) : 実験的方法 431 |
9.2 アルキメデス主義者・ガリレオ 444 |
9.3 近代科学の世界把握 : もう一つの迷宮 457 |
9.3.1 機械論的自然観の形成に向かって 461 |
9.3.2 ダイダロスとミノタウロス 475 |
あとがき 491 |
参考文献 495 |
索引 529 |
第1章 ガリレオ運動論の発展段階ー分析方法と本書の構成ー |
1.1 ガリレオ手稿分析の方法 2 |
1.2 理論発展の五段階 6 |