第1編 糖鎖ライブラリー構築のための基礎研究 |
第1章 生体触媒による糖鎖の構築 |
1. 糖鎖自動合成装置の開発(比能洋,西村紳一郎) 3 |
1.1 はじめに 3 |
1.2 糖鎖自動合成装置“Golgi”の開発 4 |
1.3 固定化酵素の調製 4 |
1.4 糖鎖調製技術 7 |
1.4.1 オリゴ糖鎖の調製 7 |
1.4.2 糖脂質(スフィンゴ糖脂質)合成システムの開発 8 |
1.4.3 糖ペプチド合成システムの開発 9 |
1.5 おわりに 11 |
2. 動物細胞を利用した糖鎖合成(佐藤智典) 13 |
2.1 はじめに 13 |
2.2 糖鎖プライマーの原理 13 |
2.3 バイオコンビナトリアル合成法とは 16 |
2.4 細胞での糖鎖の生産 17 |
2.5 種々の糖鎖プライマー 18 |
2.6 おわりに 19 |
3. グリコシダーゼを中心とした重要オリゴ糖鎖単位の酵素合成(村田健臣,碓氷泰市) 21 |
3.1 はじめに 21 |
3.2 グリコシダーゼによる位置選択的合成 21 |
3.2.1 N-アセチルラクトサミンおよび関連化合物 21 |
3.2.2 フコシルオリゴ糖 22 |
3.2.3 マンノシルオリゴ糖 23 |
3.2.4 ラクトシド配糖体 24 |
3.3 オリゴ糖鎖の逐次合成法 25 |
3.3.1 O結合型糖鎖の糖鎖コア 25 |
3.3.2 ラクト-N-テトラオースとラクト-N-ネオテトラオース 26 |
3.3.3 ポリ-N-アセチルラクトサミン 27 |
3.4 合成オリゴ糖鎖の分子認識チップとしての活用 28 |
4. エンド型グリコシダーゼを用いた糖ペプチドの化学-酵素合成(山本憲二) 31 |
4.1 はじめに 31 |
4.2 微生物由来のエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ 31 |
4.3 エンドグリコシダーゼの糖転移活性 32 |
4.4 生理活性糖ペプチドの化学-酵素合成 33 |
4.5 グルタミン結合糖鎖を持つ生理活性糖ペプチドの化学-酵素合成 35 |
4.6 おわりに 38 |
5. プロテオグリカン糖鎖の機能改変(高垣啓一) 40 |
5.1 プロテオグリカン 40 |
5.2 糖転移に利用されるグリコシダーゼ 42 |
5.3 精巣性ヒアルロニダーゼを用いたグリコサミノグリカンの合成 42 |
5.4 糖転移反応の特徴 44 |
5.5 グリコサミノグリカンのオーダーメイド 44 |
5.6 プロテオグリカン糖鎖の酵素的導入 47 |
6. 活性化基質を用いる酵素的グリコシル化(正田晋一郎,小林厚志) 51 |
6.1 はじめに 51 |
6.2 フッ化グリコシルを活性化基質として用いるグリコシル化 52 |
6.2.1 フッ化糖の性質とグリコシル化の原理 52 |
6.2.2 フッ化グリコシルを用いるオリゴ糖合成 53 |
6.2.3 フッ化グリコシルの酵素的重縮合反応 54 |
6.2.4 グリコシンターゼによるオリゴ糖合成 55 |
6.3 遷移状態アナログ誘導体を活性化基質とするグリコシル化 55 |
6.3.1 糖オキサゾリンの化学合成 56 |
6.3.2 糖オキサゾリンへの酵素的付加によるグリコシル化反応 56 |
6.3.3 糖質マクロモノマーの合成 57 |
6.3.4 二糖オキサゾリン誘導体の酵素的重付加反応 58 |
6.4 おわりに 59 |
7. 加リン酸分解酵素を用いる糖鎖合成(北岡本光) 61 |
7.1 ホスホリラーゼとは 61 |
7.2 セロビオースホスホリラーゼを用いたオリゴ糖合成 63 |
7.3 β1,4-グルコ/キシロオリゴ糖ライブラリーの調製 63 |
7.4 高重合度ラミナリオリゴ糖の調製 65 |
7.5 砂糖のセロビオースへの直接変換 66 |
7.6 加リン酸分解酵素利用の今後の展望 68 |
第2章 有機合成による糖鎖の構築 |
1. 小胞体関連アスパラギン結合型糖鎖の系統的合成-糖タンパク質品質管理機構解明に向けて-(伊藤幸成,松尾一郎) 70 |
1.1 はじめに 70 |
1.2 アスパラギン結合型糖鎖を介した細胞内レクチン/分子シャペロンによるタンパク質の品質管理機構 70 |
1.3 小胞体関連アスパラギン結合型糖鎖の系統的合成に向けた合成戦略 73 |
1.4 分子内アグリコン転移反応によるβ-マンノシル化反応を鍵としたコア3糖の合成(Scheme 1) 75 |
1.5 α-1,2結合した直鎖型マンノトリオース構造3糖の合成(Scheme 2) 76 |
1.6 分岐型マンノオリゴ糖の合成(Scheme 3) 77 |
1.7 グルコースユニットの合成(Scheme 4) 77 |
1.8 収斂的ルートによるハイマンノース型糖鎖の構築 80 |
1.8.1 M9型糖鎖の系統的合成 80 |
1.8.2 M8型糖鎖の系統的合成 80 |
1.9 合成糖鎖を用いたカルレティキュリン(CRT)との相互作用解析 83 |
1.10 おわりに 84 |
2. フルオラス糖鎖合成法(稲津敏行,後藤浩太朗) 86 |
2.1 はじめに 86 |
2.2 フルオラス化学とは 86 |
2.3 アシル型フルオラス保護基(Bfp基)を用いたフルオラス糖鎖合成 89 |
2.4 アシル型フルオラス担体Hfb-OHの開発と糖鎖合成への応用 90 |
2.5 ベンジル型フルオラス担体HfBn-OHの開発と糖鎖合成への応用 91 |
2.6 おわりに 91 |
3. 固相と液相のハイブリッド法による糖鎖合成(深瀬浩一) 93 |
3.1 はじめに 93 |
3.2 固相-液相ハイブリッド法による糖鎖合成 93 |
3.3 おわりに 99 |
4. アザ糖化合物とグライコミクス(蟹江治) 101 |
4.1 はじめに 101 |
4.2 五員環アザ糖への選択性の付与 101 |
4.3 配座異性体の利用と選択性 106 |
4.4 五員環アザ糖ライブラリー 106 |
4.5 結論 108 |
4.6 展望 108 |
5. 生理活性シアロ糖鎖(石田秀治,安藤弘宗,木曽真) 110 |
5.1 はじめに 110 |
5.2 合成計画 110 |
5.3 シアル酸のα-グリコシドの合成 110 |
5.3.1 シアル酸供与体の改良 111 |
5.3.2 糖受容体の改良 113 |
5.4 ガングリオシドの合成 114 |
5.5 ムチン型糖鎖の還元末端に位置するα-GalNAc構造の効率的構築 114 |
5.6 まとめ 116 |
第2編 多糖および糖クラスターの設計と機能化 |
第1章 多糖の設計と機能化 |
1. 糖鎖化学から見たセルロースとその応用(柴田徹) 121 |
1.1 はじめに 121 |
1.2 セルロースの分子構造と機能 121 |
1.3 セルロースの合成 124 |
1.4 セルロースの置換基分布 125 |
1.5 セルロースの高次構造形成 127 |
1.6 キラリティーの応用 128 |
1.7 生分解材料 129 |
1.8 まとめ 130 |
2. 多糖のエステルの合成と機能(西尾嘉之,寺本好邦) 133 |
2.1 はじめに 133 |
2.2 古典的手法と技術革新 133 |
2.3 多糖エステルの用途 134 |
2.4 セルロースの均一系エステル化 135 |
2.5 最近のエステル化法 137 |
2.6 多糖エステルの構造-物性相関の究明 137 |
2.6.1 アルキルエステル誘導体 137 |
2.6.2 多糖ベースの生分解性グラフト共重合体 139 |
3. 会合性多糖の設計と機能(森本展行,秋吉一成) 144 |
3.1 はじめに 144 |
3.2 疎水化多糖の設計と機能 144 |
3.2.1 疎水化プルランナノゲルの機能 145 |
3.2.2 ナノゲル集積ヒドロゲル 146 |
3.3 機能性多糖ナノゲル 146 |
3.4 両親媒性アミロースの設計と機能 148 |
3.4.1 両親媒性多糖PEO-アミロースの合成 149 |
3.4.2 PEO-アミロースの水中での機能 149 |
3.4.3 PEO-アミロースの有機溶媒中での逆相ポリマーミセル形成と機能 150 |
3.4.4 PEO-アミロース逆相高分子ミセル中でのアミロースの包接錯体形成挙動 151 |
4. 多糖誘導体による光学分割(山本智代) 154 |
4.1 はじめに 154 |
4.2 キラル固定相 154 |
4.3 多糖誘導体 155 |
4.3.1 セルロースエステル 156 |
4.3.2 セルロースフェニルカルバメート 157 |
4.3.3 アミロースフェニルカルバメート 158 |
4.3.4 ベンジルカルバメート 158 |
4.3.5 シクロアルキルカルバメート 159 |
4.3.6 他の多糖誘導体 160 |
4.4 多糖誘導体のシリカゲル上への固定化 161 |
4.5 多糖誘導体の不斉識別機構 163 |
4.6 多糖誘導体型市販カラム 165 |
4.7 おわりに 166 |
5. シゾフィラン超分子(櫻井和朗) 169 |
5.1 はじめに 169 |
5.2 複合体の形成 170 |
5.3 複合体の解離挙動 172 |
5.4 複合体の構造 173 |
5.5 複合体の塩濃度依存性 175 |
5.6 β-1,3-グルカンの構造と複合体の安定性 175 |
5.7 シゾフィラン-核酸複合体形成と核酸二重鎖の形成 176 |
5.8 β-1,3-グルカン-核酸複合体の配向性 176 |
5.9 シゾフィラン-核酸複合体の機能と応用 178 |
第2章 糖クラスターの設計と機能化 |
1. 人工複合糖鎖高分子(小林一清) 181 |
1.1 はじめに 181 |
1.2 糖鎖クラスター効果 182 |
1.3 細胞特異的接着材料 183 |
1.4 糖鎖間相互作用の解析ツール 185 |
1.4.1 糖鎖間相互作用とは 185 |
1.4.2 表面圧-表面積(π-A)等温線による解析 186 |
1.4.3 表面プラズモン共鳴(SPR)による解析 187 |
1.5 感染症防除のための糖鎖材料 188 |
1.5.1 インフルエンザウイルス捕捉材料 188 |
1.5.2 大腸菌O-157志賀毒素を中和する人工複合糖質高分子 190 |
1.6 糖鎖モジュール化法 : 高分子化学的アプローチによる簡便な糖鎖認識の構築 192 |
1.7 生分解性糖鎖高分子材料 : 酵素触媒の活用するグリーンケミストリー 193 |
1.8 おわりに 194 |
2. ヌクレオシドと糖を有するポリマー上への細胞接着(畑中研一) 196 |
2.1 生命情報と糖鎖の生合成 196 |
2.2 糖転移酵素の基質特異性 197 |
2.3 細胞外マトリックスと細胞接着 199 |
2.4 細胞表面の糖転移酵素 200 |
2.5 糖とヌクレオシドを有するポリマーの合成 200 |
2.6 ヌクレオシドと糖を有するポリマー上への細胞接着 202 |
3. 側鎖型糖質高分子の合成と機能(木田敏之,明石満) 205 |
3.1 はじめに 205 |
3.2 側鎖型糖質高分子(poly(GEMA)及びpoly(GEMA)sulfate)の合成 205 |
3.3 poly(GEMA)及びpoly(GEMA)sulfateの生物学的機能 206 |
3.3.1 抗血液凝固活性 206 |
3.3.2 酵素の安定化効果 209 |
3.3.3 細胞増殖活性 209 |
3.3.4 レクチンとの相互作用 210 |
3.4 おわりに 213 |
4. 糖鎖チップの開発(隅田泰生) 215 |
4.1 はじめに 215 |
4.2 表面プラズモン共鳴法 217 |
4.3 糖鎖の固定化 217 |
4.3.1 アビジン-ビオチン結合の利用 218 |
4.3.2 直接結合型 221 |
4.4 まとめ 224 |
5. 機能性デンドリマーの合成(松岡浩司,幡野健,照沼大陽) 225 |
5.1 はじめに 225 |
5.2 デンドリマーの歴史的背景 225 |
5.3 グリコデンドリマーの近況 227 |
5.4 糖鎖担持カルボシランデンドリマー 229 |
5.5 糖鎖担持カルボシランデンドリマーの応用例 230 |
5.6 機能性デンドリマーに関するまとめ 232 |
6. 人工糖鎖超分子 : マクロ環型糖クラスターと糖ヒドロゲルの構築と機能(林田修,浜地格) 236 |
6.1 はじめに 236 |
6.2 マクロ環型糖クラスター 237 |
6.2.1 分子設計および糖ナノ粒子の形成 237 |
6.2.2 リン酸イオンに誘起される凝集体生成 239 |
6.2.3 表面プラズモン共鳴(SPR)法による機能評価 241 |
6.3 糖ヒドロゲル 243 |
6.3.1 両親媒性分子の合成 243 |
6.3.2 糖ヒドロゲルの構造 243 |
6.3.3 糖ヒドロゲルの感温性 245 |
6.4 おわりに 247 |
第3編 糖鎖工学における実用化技術 |
第1章 酵素反応による新規なグルコースポリマーの工業生産(高田洋樹,栗木隆) |
1. はじめに : グルコースポリマーとしてのデンプンと加工デンプン 253 |
2. 高度分岐環状デキストリン(クラスターデキストリン(R)) 255 |
2.1 ブランチングエンザイムの作用とクラスターデキストリン(R)の製造 255 |
2.2 クラスターデキストリン(R)の特徴と利用 256 |
3. 大環状シクロデキストリン 258 |
4. グリコーゲン 259 |
5. おわりに 261 |
第2章 N-結合型糖鎖ライブラリーの構築(朝井洋明) |
1. 糖鎖ライブラリーの現状 263 |
2. 糖鎖ライブラリーの合成アプローチ 264 |
3. 新しい糖鎖ライブラリーの構築 264 |
4. 糖鎖ライブラリーの大量合成への挑戦 265 |
5. 糖鎖ライブラリーの応用 268 |
6. まとめ 269 |
第3章 N-アセチルグルコサミンの工業生産と応用(又平芳春) |
1. はじめに 271 |
2. NAGの工業的製法 271 |
2.1 原料キチンの生産 271 |
2.2 NAGの製法 272 |
3. NAGの物理化学的性質 274 |
4. NAGの生理学的性質 274 |
4.1 代謝性 274 |
4.2 肌質改善効果 274 |
4.3 変形性関節症改善効果 277 |
4.4 腸内細菌利用性 278 |
4.5 安全性 278 |
5. 糖鎖工学への応用 278 |
6. おわりに 279 |
第4章 実用的なエネルギー生成・再生系の開発(野口利忠) |
1. はじめに 281 |
2. 糖ヌクレオチドサイクル合成による糖鎖合成 281 |
3. 微生物によるエネルギー生成・再生系を用いた糖ヌクレオチド及びオリゴ糖鎖の合成 282 |
4. ポリリン酸利用エネルギー生成・再生系の開発 285 |
4.1 大腸菌ポリリン酸キナーゼとその利用 285 |
4.2 Pseudomonas aeruginosaのポリリン酸代謝酵素 287 |
4.3 Acinetobacter johnsoniiのポリリン酸 : AMPリン酸転移酵素 288 |
5. おわりに 289 |
第5章 トレハロースの開発とその応用(福田恵温) |
1. トレハロース生成酵素,酵素生産菌の開発 291 |
2. トレハロースの製法 293 |
3. トレハロースの機能特性,利用 294 |
3.1 食品への利用 294 |
3.2 化粧品,医薬分野への応用 297 |
3.3 その他の生理作用 298 |
4. おわりに 299 |
第6章 バイオリアクターによるオリゴ糖の生産(中久喜輝夫) |
1. はじめに 301 |
2. オリゴ糖のバイオリアクターによる生産 302 |
2.1 マルトオリゴ糖の生産 302 |
2.1.1 固定化酵素の調製とSSV概念の導入 302 |
2.1.2 複合固定化酵素によるG4の連続生産 303 |
2.2 フルクトオリゴ糖の生産 304 |
2.3 パラチノース生産 306 |
3. おわりに 307 |
第7章 希少糖生産戦略「イズモリング」と希少糖D-プシコースの生産(何森健) |
1. はじめに 309 |
2. 希少糖生産戦略イズモリング 310 |
2.1 生産戦略に用いる反応 310 |
2.2 イズモリングの構築 311 |
3. 希少糖D-プシコースの生産 314 |
3.1 D-タガトース3-エピメラーゼ 314 |
3.2 D-タガトース3-エピメラーゼを用いたD-プシコースの生産 316 |
4. おわりに 317 |
第1編 糖鎖ライブラリー構築のための基礎研究 |
第1章 生体触媒による糖鎖の構築 |
1. 糖鎖自動合成装置の開発(比能洋,西村紳一郎) 3 |