はしがき i |
第1章 ゲーム論と社会・個人 1 |
1.1 経済関係と共同関係 1 |
1.2 依存関係のパースペクティブ 4 |
1.3 経済学における個人合理性 6 |
1.3.1 経済学的合理性 6 |
1.3.2 最後通牒ゲーム 8 |
1.4 部分合理性と全体合理性 10 |
1.5 まとめ 15 |
第2章 環境政策と経済学 19 |
2.1 外部不経済としての環境問題 19 |
2.2 最適汚染水準 21 |
2.3 環境政策の経済効率性 25 |
2.4 環境税と排出権取引 27 |
2.5 環境の経済評価と選好の合理性 31 |
2.6 まとめ 37 |
第3章 ゲーム理論の概要 39 |
3.1 公共財供給問題としての環境問題 39 |
3.2 植樹ゲーム 41 |
3.3 植樹ゲームにおける協力と非協力 44 |
3.4 ナッシュ均衡 46 |
3.5 「囚人のジレンマ」 46 |
3.6 協力と交渉 49 |
3.7 提携とコア 52 |
3.8 まとめ 54 |
第4章 戦略型ゲーム 57 |
4.1 植樹ゲーム 57 |
4.2 汚染と摘発 59 |
4.3 純粋戦略と混合戦略 61 |
4.4 ナッシュ均衡の存在 62 |
4.5 公園清掃ゲーム 64 |
4.6 ナッシュ均衡とパレート最適戦略の定式化 68 |
4.7 まとめ 69 |
第5章 公共財ゲーム 73 |
5.1 公共財の自発的供給問題 73 |
5.2 ナッシュ均衡の唯一性 77 |
5.3 公共心あるいは環境意識 80 |
5.4 ナッシュ均衡の安定性 82 |
5.5 公共財評価の非対称性 82 |
5.6 まとめ 88 |
第6章 資源ゲーム 91 |
6.1 再生可能資源の動態と管理 92 |
6.2 オープンアクセス 96 |
6.3 「共有地の悲劇」 97 |
6.4 反応曲線とナッシュ均衡 100 |
6.5 問題の一般化 103 |
6.6 まとめ 104 |
第7章 交渉ゲーム 107 |
7.1 コースの定理 108 |
7.1.1 交渉による最適性の実現 108 |
7.1.2 有効な「脅し」がある場合 110 |
7.1.3 権利の所在による結果の相違 110 |
7.2 被害と削減費用の水準 114 |
7.3 汚染者間の交渉 115 |
7.4 コースの定理とナッシュ交渉解 118 |
7.5 ナッシュ交渉解の公理 121 |
7.6 交渉の戦略ゲーム 127 |
7.6.1 交互提案型交渉ゲーム 128 |
7.6.2 ナッシュ均衡 129 |
7.6.3 部分ゲーム完全均衡 131 |
7.7 まとめ 135 |
第8章 提携ゲーム 137 |
8.1 ゴミゲーム 137 |
8.2 提携ゲームとコア 140 |
8.3 共同ゴミ処理の効率性 142 |
8.4 湖水汚染ゲーム 143 |
8.5 優加法性と対称性:二つの命題 147 |
8.6 資源ゲームのコア 151 |
8.7 まとめ 153 |
第9章 環境汚染と雇用の交渉ゲーム 155 |
9.1 汚染と雇用のトレードオフがある場合の最適規制 155 |
9.2 交渉による均衡 159 |
9.3 Gの凸性 162 |
9.4 環境税か交渉か 164 |
9.5 まとめ 165 |
第10章 共有資源ゲームと実験 169 |
10.1 実験の枠組み 171 |
10.2 実験の結果 174 |
10.2.1 共有資源への平均投資額の傾向 174 |
10.2.2 協調予測と投資の関係 180 |
10.3 情報と協力可能性予測の役割 182 |
10.3.1 情報とナッシュ均衡のリアリティ 182 |
10.3.2 協調予測の効果 185 |
10.4 まとめ 186 |
第11章 公共財の自発的供給と安定性 189 |
11.1 はじめに 189 |
11.2 モデルと仮定 192 |
11.3 ナッシュ均衡の安定性の必要十分条件 193 |
11.4 公共性と部分安定性 199 |
11.5 まとめ 202 |
付録1: 数値例 205 |
付録2: 数学注 210 |
第12章 温暖化ゲームのシミュレーション 215 |
12.1 はじめに 216 |
12.2 交渉指向性の定義 218 |
12.3 モデルとデータ 221 |
12.3.1 DICE2007モデルの変形 221 |
12.3.2 地域別データの作成 222 |
12.4 シミュレーションの方法 224 |
12.5 シミュレーション結果 227 |
12.5.1 余裕のある排出枠:シミュレーションA 227 |
12.5.2 人口比の排出制約:シミュレーションB 232 |
12.5.3 交渉指数の導出 237 |
12.6 結果の分析 238 |
12.6.1 パレート最適解と交渉解 239 |
12.6.2 生産性係数と被害係数 241 |
12.6.3 削減率と交渉指向指数の規定要因 244 |
12.7 まとめ 246 |
付録1: モデルの構造 247 |
付録2: 地域の定義 250 |
参考文献 253 |
あとがき 257 |
索引 259 |