序章 破綻している日本の環境政策 9 |
1 顰蹙を買う日本の環境外交 10 |
環境・エネルギー技術が発展の原動力になる |
年々目標を高くするヨーロッパ |
強い危機感を抱くEU |
間違いだらけの日本の政策 |
2 日本の環境外交の敗因 18 |
第一の敗因-温暖化問題への理解不足 |
第二の敗因-産業への過剰配慮 |
第三の敗因-成長産業の変換に対応していない |
第一章 いまなぜ環境・エネルギー政策が重要か 33 |
1 石油文明の限界 34 |
石油文明が直面する二つの制約 |
エネルギー問題は世界経済の死活問題 |
温暖化を実証したスターン報告 |
節約や省エネだけでの達成は無理 |
エネルギー発生源の革命的変革を |
「気候の正義」論 |
2 第四回評価報告書に見る六つのシナリオ 46 |
「二〇五〇年までに五〇%削減」のインパクト |
六つのシナリオ |
3 「気候の正義」受け入れで途上国も参加 54 |
「気候の正義」をめぐって |
米欧の対立、南北の対立 |
先進国は八〇%の大削減 |
二〇二〇年までの数値目標が決まる見通し |
アメリカの政策変更の可能性が高まる |
4 欧州の先行投資と直面する危険性 63 |
次世代エネルギーは何か-各国の試行錯誤 |
テロによる石油供給激減の可能性 |
第二章 エネルギーの経済学 69 |
1 エネルギー源の変遷 70 |
歴史とともに激増する消費量 |
エネルギー生産の四傾向 |
2 「市場の失敗」 77 |
「内部経済」と「外部不経済」 |
石油文明がもたらした失敗 |
3 化石燃料が持つ供給量の限界 80 |
ピーク・オイルの理論 |
世界のピーク・オイルはいつ来るのか |
足し算でしか増えない石油供給量 |
かけ算で増えるエネルギー需要 |
4 新エネルギー時代のはじまり 92 |
石油は必ず枯渇する |
再利用可能なエネルギーへの流れ |
原子力エネルギーの可能性 |
5 新エネルギーの経済学 101 |
自然科学から見た二つの条件 |
経済学から見た三つの収支基準 |
新エネルギーの総合評価 |
第三章 二酸化炭素削減の方向性をさぐる 111 |
1 温暖化はどこまで進んでいくか 112 |
炭素循環論 |
二酸化炭素濃度と気温上昇の関係 |
2 人類の活動が環境に与える影響 124 |
環境への負荷量 |
農業も温暖化を促進 |
広い概念で温暖化をとらえる |
まず「フロー」を減らす |
産業革命以前の濃度に戻す |
3 先進国の「歴史的責任」とは何か 133 |
先進国と途上国の対立の構造 |
成長優先を主張するインド、中国 |
4 京都議定書の意義と課題 139 |
排出量削減を決めた史上初の国際条約 |
「京都メカニズム」の三つの制度 |
5 人口減少政策は温暖化防止に寄与するか 146 |
数字上の計算としては正しいが… |
人口増加の速度を抑える |
6 炭素を減らすもう一つの方法 149 |
炭素を捕捉し貯蔵する |
技術力があるのに遅れている日本 |
炭素捕捉・貯蔵のいくつかの手法 |
7 ブラウン氏の提案 156 |
削減のために必要な資金の試算 |
日本が読みとるべき教訓 |
第四章 主要国の環境・エネルギー政策 167 |
1 バリ会議での大団円 168 |
「われわれだけで決める。邪魔するな」 |
アメリカを追いつめる |
パリ会議で採択されたこと |
アメリカの抵抗を押し切っての勝利 |
開かれたコペンハーゲンへの道 |
2 EUの環境・エネルギー政策 177 |
二〇二〇年までの目標設定 |
EUは二〇一二年を待たずに超過達成 |
対日批判を強めるEU |
3 ドイツの環境・エネルギー政策 186 |
きめ細かな国内政策 |
サハラ砂漠での発電事業 |
4 イギリスの環境・エネルギー政策 190 |
削減状況を毎年議会に報告 |
海上風力発電を強化 |
二酸化炭素を油田跡などに貯蔵 |
ゼロ・カーボン・ハウスの試み |
5 フランスの環境・エネルギー政策 194 |
すでに低酸素社会を実現 |
ゼロ炭素排出の電力輸出国をめざす |
6 アメリカの環境・エネルギー政策 198 |
温暖化防止に貢献する方法 |
自治体独自の二酸化炭素削減計画 |
7 中国の環境・エネルギー政策 201 |
石炭火力を縮小し、水力発電を増強する |
温暖化防止のための援助を求める |
8 インドの環境・エネルギー政策 204 |
「きれいな料理用燃料」の確保が先決 |
エネルギー増産こそが課題 |
9 主要国の政策のまとめ 207 |
第五章 電源部門への投資を迫られる日本 217 |
1 三度目の議定書達成計画 218 |
再度、改定される可能性も |
腰の引けた計画 |
五年で一〇%は不可能 |
二酸化炭素発生量が増加する理由 |
電源変革が鍵を握る |
「邪道」が目立つ日本の政策 |
本格削減中心のEU |
2 二〇〇八年の環境外交 236 |
「環境の福田」のデビュー |
洞爺湖サミットの失敗 |
名指しで批判された福田首相 |
3 民間技術と公共政策とのギャップ 244 |
民間技術の自慢は負け惜しみ? |
大型技術革新への期待 |
いま必要なのは研究ではなく投資 |
エネルギー消費にも改善の余地 |
4 EUに学び環境国家・福祉国家へ 256 |
エネルギー革命期には公共投資を |
「骨太の方針2006」の呪縛 |
EUも苦悩している |
大胆な公共投資を行うべき |
経済思想の再構築が急務 |
あとがき 268 |