はじめに iii |
第1章 環境政治:環境問題への政治学的アプローチ-野村康 1 |
1 学問領域としての意義 1 |
環境問題の政治性 1 |
環境・社会科学・政治学 : 日本の文脈 3 |
2 環境政治の三分野 : 概観 4 |
環境政治思想 5 |
比較環境政治 6 |
国際環境政治 10 |
3 環境政治研究の実践例 12 |
民主化と環境 : 途上国の文脈で 12 |
調査手法 : 聞いて、見て、感じて、書く 15 |
4 環境政治を学ぶ上で 16 |
「視角」としての環境政治 16 |
社会環境学としての環境政治 : セクショナリズムを超えて 17 |
文献紹介 18 |
第2章 環境政策論:環境・経済・社会の統合戦略-竹内恒夫 19 |
1 コンセプト、戦略、手法 19 |
「診断」と「治療」 20 |
基軸となるコンセプト 21 |
2 エンド・オブ・パイプ戦略、エコロジカル・モダニゼーション戦略、環境効率戦略 22 |
「エンド・オブ・パイプ」戦略 23 |
はじめから「地球」の米国 25 |
環境政策「失われた10年」 26 |
ハードパス戦略とソフトパス戦略 28 |
「エコロジカル・モダニゼーション」戦略 29 |
「環境効率戦略」=環境と経済の統合 31 |
3 環境効率戦略を超えて 33 |
Factor4戦略からFactor5戦略へ 34 |
環境整合戦略 35 |
4 環境・経済・社会の統合 36 |
環境充足戦略とは 36 |
地域に根差した戦略 39 |
文献紹介 40 |
第3章 国際環境法 : 地球環境問題への法政策-高村ゆかり 41 |
1 国際的環境問題と法 41 |
2 国際環境法概観 42 |
国際環境法の登場と展開 42 |
国際環境法を形作る規範とその形成プロセス 45 |
普遍的な国家の越境損害防止義務 45 |
環境条約レジームの進化性と重層性 47 |
国際環境法の基本原則 48 |
環境損害の救済と責任 49 |
国際環境法の履行確保と遵守手続 50 |
3 国際環境法の研究事例 52 |
環境リスクと予防原則 52 |
市場メカニズムと地球温暖化防止レジームの形成 54 |
4 国際環境法研究への誘い 57 |
文献紹介 58 |
●コラム 地球環境学の眼 |
リモートセンシングにより地球環境の変動を探る-山口靖 59 |
1 リモートセンシングとは 59 |
2 植物による光の吸収と植生指数 60 |
3 世界の陸域の植物は増えているのか,減っているのか? 62 |
4 おわりに 64 |
第4章 環境法[1]原則-増沢陽子 67 |
1 環境法とその原則 67 |
(1) 環境法の原則とは 67 |
(2) なぜ環境法の原則に関心が向けられるのか 69 |
2 環境法の原則の論じられ方 70 |
(1) 環境法の原則一般に関する議論 70 |
(2) 汚染者負担原則 (原因者負担原則) 71 |
(3) 予防原則 73 |
(4) 協働原則 76 |
3 予防原則の機能~EU化学物質法を事例に 77 |
(1) 立法過程における予防原則の機能 77 |
(2) 訴訟における予防原則の機能 79 |
(3) 予防原則と「証明責任の転換」 80 |
4 「原則」に係る議論が映しだす環境法の特色 82 |
文献紹介 83 |
第5章 環境法[2]政策手法-赤渕芳宏 85 |
1 環境法学における政策手法論とは 85 |
部長の悩み 85 |
環境法学における政策手法論 85 |
2 政策手法とその法的側面-概観 86 |
論ずる意義 86 |
政策手法の分類 87 |
政策手法の法的側面 90 |
3 政策手法論の動態-化学物質に係る情報の生成・収集を例に 94 |
化学物質に係る情報生成・収集と政策手法 94 |
わが国の現状 94 |
アメリカの現状 96 |
合意的手法の<傾向と対策> 98 |
最近の動向-合意的手法の限界? 既存化学物質規制の「欧州化」? 100 |
4 (環境)法学から「社会環境学」への誘い 102 |
(環境)法学の一断面 102 |
隣接諸科学への関心の重要性-環境法学を学ぶ上で 103 |
文献紹介 104 |
第6章 環境経済論[1]環境と経済成長-中田実 105 |
1 環境と経済成長 105 |
2 経済成長と環境・資源との関係 106 |
経済成長と環境問題 106 |
経済成長と自然資源 108 |
3 環境保全と経済成長との両立可能性 112 |
経済成長と環境・資源保全とのトレードオフ 113 |
ポーター仮説 114 |
経済成長と環境・資源保全との新たな関係 115 |
環境・資源制約と持続的な経済成長 117 |
4 環境保全と経済成長との両立をめざして 118 |
文献紹介 119 |
第7章 環境経済論[2]環境問題と生産性-中野牧子 121 |
1 生産性について 121 |
生産性とは 122 |
測定方法 123 |
2 環境問題を考慮したパフォーマンス評価 126 |
環境問題を考慮したパフォーマンス評価の考え方 126 |
研究事例 127 |
3 生産性測定の研究 129 |
包装容器メーカーへの応用 129 |
電力産業への応用 132 |
4 生産性に影響を与える要因について 135 |
文献紹介 137 |
●コラム 都市環境学の眼 |
防災と環境-福和伸夫 139 |
1 環境・福祉と防災 139 |
2 大規模災害 141 |
3 地震災害と減災対策 142 |
4 社会の再点検と耐震化・防災教育の推進 143 |
第8章 環境経営論 : 日本企業の環境経営-涌田幸宏 145 |
1 環境の世紀における企業経営 145 |
2 日本企業における環境経営の経緯と現状 146 |
3 経営戦略と環境的価値の統合モデル 150 |
(1) 企業の戦略的社会性 150 |
(2) 環境経営と競争優位 151 |
(3) ポーター仮説をめぐる実証的研究 153 |
4 NECの環境経営 156 |
(1) NECの環境への取り組み 156 |
(2) 環境部門のネットワーク 157 |
参考文献 161 |
第9章 環境社会学 : 自然環境と人間社会の相互作用を考える―青木聡子 163 |
1 環境社会学とは何か? 163 |
2 環境社会学の分析視角 164 |
環境社会学の歴史 164 |
「環境問題の社会学」 165 |
「環境共存の社会学」 167 |
分析視角の使い方 168 |
3 環境社会学の現場-環境運動の事例研究から 169 |
問題構造を把握する 169 |
なぜ運動を起こしたのか-人々の問題意識を明らかにする 172 |
なぜ運動に加わるのか-人々を運動に惹きつけた「しくみ」を明らかにする 174 |
運動はどのように社会を変えたのか-環境運動がもたらした影響を明らかにする 176 |
4 環境社会学の実践のすすめ 179 |
文献紹介 181 |
第10章 環境地理学 : 地域の多様性と多元性を見いだしその尊重を考える-野中健一 183 |
1 はじめに 183 |
2 地理学で「環境」を扱う 184 |
「風土論」からホーリスティックな理解の枠組みを考える 185 |
環境地理学の視座とフィールドワークの重視 187 |
3 多元的な環境観を実証的に解明する-ラオスのフィールドから 189 |
季節変化と自然環境に目を向ける 191 |
平野農村の稲作 193 |
水田で繰り広げられる多様な自然資源利用 194 |
農耕が生み出す生物生息と利用の連関 197 |
変動のとらえ方 199 |
4 ミクロな営みからスケールを意識した環境-人間関係の理解へ 201 |
参考文献 203 |
第11章 環境地理学 : 環境を理解し適応するこころの働き-大平英樹 205 |
1 心理学における環境 205 |
2 恒常的な環境に対する適応 : 感覚順応・馴化・潜在制止 206 |
感覚順応 206 |
馴化 207 |
潜在制止 207 |
3 環境からの挑戦に対する適応 : ストレスと免疫 208 |
ストレスによる免疫機能の低下 209 |
ストレスによる二相性の免疫反応の発見 209 |
脳による免疫系のトップ・ダウン制御 211 |
4 環境色彩による心理効果 212 |
ブルートラック、青色防犯灯 212 |
一次的効果と二次的効果 213 |
出る場合と出ない場合 214 |
5 やさしい環境を支えるピクトグラム : ピクトグラムの認知心理学 215 |
ピクトグラムの特長 216 |
コミュニケーション・ツールとしての活用可能性 216 |
無条件に分かりやすい? 217 |
6 ノスタルジアと記憶のしくみ : 環境情報がささえる人生の記憶 218 |
ノスタルジアと記憶 218 |
記憶の種類 218 |
記憶と進化 220 |
7 社会的環境の認知と行動 221 |
集団から個人への影響 221 |
集団間の関係 222 |
「心的存在」としての環境 223 |
8 高齢社会と心理学 : 感情機能の年齢差を中心に 224 |
9 臨床的コミュニティ・アプローチ : 「人と環境の適合性」を重視する臨床環境心理学 226 |
コミュニティ・アプローチと臨床心理学的地域援助 226 |
伝統的な臨床サービス・モデルとコミュニティ・サービス・モデル 226 |
臨床的コミュニティ・アプローチの基本 227 |
スクール・カウンセリングとその方法 228 |
文献紹介 228 |
あとがき 231 |
執筆者一覧 233 |
はじめに iii |
第1章 環境政治:環境問題への政治学的アプローチ-野村康 1 |
1 学問領域としての意義 1 |