口絵 i |
はじめに v |
第1章 適応による形質の変化が個体群と群集の動態に影響する(吉田丈人・近藤倫生) 1 |
1 適応による形質変化が生物間相互作用に影響する 2 |
(1)適応とは 2 |
(2)適応のメカニズムと形質変化 2 |
(3)形質変化による相互作用の改変 5 |
2 形質変化が個体群動態に影響する―単純な系の場合 8 |
(1)可塑性が引き起こす個体群動態 8 |
(2)学習が引き起こす個体群動態 9 |
(3)進化が引き起こす個体群動態 10 |
(4)個体群動態への影響は形質変化のメカニズムに依存するか? 13 |
3 複雑な生物群集における形質変化の役割 14 |
(1)群集における適応 14 |
(2)食物網における適応 16 |
(3)適応的捕食と食物網の構造 18 |
(4)適応的な形質の変化と栄養モジュールの動態 20 |
(5)食物網の動態と適応 26 |
4 今後の展望 30 |
(1)形質変化の群集内不均一性 30 |
(2)形質変化の時空間スケールと個体群や群集への影響 34 |
(3)トレードオフの重要性 37 |
(4)まとめ 39 |
第2章 適応と生物群集をむすぶ間接相互作用(石原道博・大串隆之) 41 |
1 はじめに 42 |
2 間接相互作用とは何か? 43 |
3 形質介在型の間接相互作用はなぜ普遍的か? 44 |
(1)陸域生態系における間接相互作用 45 |
(2)水域生態系における間接相互作用 50 |
(3)密度介在型と形質介在型の相対的な重要性 53 |
4 間接相互作用と進化 55 |
(1)間接相互作用が生み出す共進化 55 |
(2)間接相互作用が進化の方向を変える 58 |
5 今後の展望 60 |
(1)個体の形質から生物多様性の維持創出機構を解明する 60 |
(2)進化的な観点から生物群集を理解する 61 |
(3)生物の適応が間接相互作用を通して生物群集を変える 62 |
第3章 生物群集を形作る進化の歴史(河田雅圭・千葉 聡) 65 |
1 群集構造と系統的・進化的な制約 66 |
(1)進化プロセスと群集形成 66 |
(2)群集の構成と系統関系 69 |
(3)ニッチ形質の保守性(niche conservatism)とニッチの分化 72 |
(4)系統関係とニッチ形質の進化はどのように群集に影響するか? 77 |
(5)種分化・絶滅・移動分散と種多様性 79 |
(6)種分化率に影響する要因 82 |
2 大規模イベントの生物群集への影響 84 |
(1)大量絶滅 85 |
(2)絶滅の選択性 87 |
(3)群集の復帰過程 95 |
(4)現代における絶滅とその生物群集への影響 99 |
3 将来の研究への展望 109 |
第4章 多種系における表現型可塑性(西村欣也・岸田 治) 111 |
1 はじめに 112 |
2 食物網における捕食者―被食者の攻防 114 |
(1)オタマジャクシの池 114 |
(2)エゾサンショウウオ幼生の捕食危機に対処するオタマジャクシ 117 |
(3)ヤゴの捕食危機に対処するオタマジャクシ 123 |
(4)オタマジャクシの誘導防御形態の臨機応変性 125 |
(5)エゾサンショウウオ幼生の誘導捕食形態 133 |
(6)防御―攻撃の共進化 135 |
(7)サンショウウオのジレンマ―攻撃か防御か? 138 |
3 生態学における表現型可塑性研究の方向性 140 |
(1)誘導防御形質の遺伝的基盤 140 |
(2)エコゲノミクスの発展と可塑性研究 142 |
(3)表現型可塑性の個体群動態・群集構造への波及 145 |
(4)生物群集の中の表現型可塑性 147 |
第5章 共進化の地理的モザイクと生物群集(東樹宏和・曽田貞滋) 151 |
1 共進化の地理的変異 152 |
(1)種レベルでの共進化と個体群レベルでの共進化 152 |
(2)共進化の地理的モザイク仮説 153 |
(3)ツバキとゾウムシの軍拡競走 154 |
2 自然淘汰の地理的モザイクとその形成要因 157 |
(1)「遺伝子型×遺伝子型×環境」の相互作用 157 |
(2)軍拡競走の生産性勾配―細菌と溶菌性ファージの実験 159 |
(3)軍拡競走の生産性勾配―ツバキとシギゾウムシの野外研究 160 |
3 適応進化と群集構造 161 |
(1)群集の種構成が適応進化を左右する 161 |
(2)適応進化から群集構造へのフィードバック 165 |
4 移動分散とメタ群集レベルでみた共進化 168 |
(1)遺伝子流動や遺伝的浮動と局所適応 168 |
(2)移動・分散能力が異なる種で構成されるメタ群集 171 |
(3)遺伝子流動が共進化を加速する 172 |
5 地理的モザイクの視点による異分野の統合 174 |
(1)群集生態学・進化生物学・遺伝学における空間構造の解明 174 |
(2)群集生態学と共進化研究の共同―拡散共進化への展開 177 |
(3)群集生態学への分子遺伝学的手法の導入(群集遺伝学) 179 |
(4)共進化研究と遺伝学の融合(共進化遺伝学) 180 |
6 さいごに 182 |
第6章 生物群集の進化―系統学的アプローチ(市野隆雄) 185 |
1 はじめに 186 |
2 系統レベルではたらく進化のプロセス 190 |
(1)系統進化と小進化 190 |
(2)系統淘汰と自然淘汰 193 |
(3)なぜ系統淘汰が重要か? 197 |
3 系統淘汰を検出するための手法―姉妹群比較法 198 |
4 群集の進化的遷移 202 |
(1)ダーウィンの分岐の原理 203 |
(2)群集の進化的遷移とは何か? 205 |
(3)群集の進化的遷移の証拠 206 |
(4)進化的遷移の方向―姉妹群比較からの示唆 208 |
(5)どのような群集でどのような種間関係が進化するか?―熱帯における相利関係の進化 209 |
5 群集が多様化していくプロセスの解明に向けて 213 |
(1)種間系統樹からの研究方向 217 |
(2)種内の分子地理系統樹からの研究方向―共進化の影響 218 |
コラム1 生態ゲノミクス―適応・群集研究への新たなアプローチ(清水健太郎・竹内やよい) 223 |
1 はじめに 234 |
2 ゲノミクスと分子遺伝学の手法 225 |
(1)QTLマッピング(量的形質遺伝子座マッピング,Quantitative Trait Locus Mapping) 225 |
(2)ポジショナルクローニング 226 |
(3)連鎖不平衡マッピング 226 |
(4)トランスジェニック技術(形質転換技術) 227 |
(5)マイクロアレイ(DNAチップ)解析 227 |
(6)次世代の塩基配列決定装置(次世代シークエンサー) 227 |
3 ゲノミクスを用いた自然淘汰の解析―シロイヌナズナの適応を例に 228 |
(1)集団のDNA変異を用いた自然淘汰の検出法 228 |
(2)シロイヌナズナを用いた統合的研究例 230 |
4 群集遺伝学―ポプラを例に 234 |
(1)集団内の遺伝的多様性が群集に与える影響 235 |
(2)生物・生態系と相互作用をもつ遺伝子の特定 235 |
5 群集ゲノミクス―群集構造と機能の把握 238 |
6 展望―ゲノミクスのインパクト 239 |
コラム2 群集生態モデルと進化動態―資源分割理論を例に(佐々木 顕) 243 |
1 はじめに 244 |
2 連続ニッチ空間の競争方程式 246 |
(1)侵入可能性 247 |
(2)1種群集への侵入可能性と限界類似度 248 |
(3)Adaptive Dynamics入門 249 |
3 資源競争による群集の構築とAdaptive Dynamics 251 |
(1)進化的安定性 252 |
(2)到達可能性と進化的安定性は違う 253 |
(3)進化的分岐 254 |
(4)離散原理 256 |
(5)PIP 259 |
(6)分断淘汰と生殖隔離による種分化 259 |
4 MacArthurの群集理論と最小原理 260 |
5 群集の進化の理論化にむけて 262 |
終 章 群集生態学と進化生物学の融合から見えてくるもの(吉田丈人・近藤倫生・大串隆之) 263 |
1 生物群集に対する適応の影響 264 |
2 適応に対する生物群集の影響 265 |
3 新たな課題 267 |
(1)さまざまな相互作用への適応の影響 267 |
(2)多種系の動態への適応の影響 267 |
(3)系統的・生物地理的な制約と生態的・局所的な制約の相対的な重要性 268 |
(4)多種系における適応 268 |
(5)大進化をもたらした生物群集 269 |
4 あらためて適応とは? 270 |
(1)変異―適応をもたらす源 270 |
(2)適応と不適応 272 |
(3)広義の適応 272 |
5 おわりに 273 |
引用文献 275 |
索引 323 |
口絵 i |
はじめに v |
第1章 適応による形質の変化が個体群と群集の動態に影響する(吉田丈人・近藤倫生) 1 |