はじめに(塩入孝之,富岡清,左右田茂) |
【第I編 総論】 |
第1章 プロセス化学と戦略的原薬製造(鴻池敏郎) |
1. プロセス化学の特性 3 |
2. 医薬開発とプロセス化学 4 |
3. プロセス化学とスピード 5 |
4. プロセス化学とコスト 6 |
5. プロセス化学と品質 7 |
6. プロセス化学の実践 : エンドセリン拮抗薬S-1255の不斉合成 8 |
7. コスト削減 : S-1255の場合 11 |
8. プロセス化学の展望 12 |
第2章 メディシナルケミストとの連携(冨松公典) |
1. はじめに 15 |
2. プロセスケミストの役割 16 |
2.1 プロセス化学研究開始の時期 16 |
2.2 プロセス研究のさらなる効果 16 |
3. 連携の実際 18 |
4. おわりに 22 |
第3章 有名反応のプロセス化学的評価(鳥澤保廣,西孝夫,南川純一) |
1. はじめに 24 |
2. 塩酸グレパフロキサシンのプロセス研究 : シーマンフッ素化反応の改良 24 |
2.1 背景 24 |
2.2 試行錯誤 25 |
2.3 改良法の確立 25 |
2.4 教訓 27 |
3. アリピプラゾールのプロセス研究 : カルボスチリル環合成とBeckmann転位 27 |
3.1 背景 27 |
3.2 Beckmann転位(BR)反応 29 |
3.3 落穂拾い 30 |
3.4 教訓と反省 31 |
4. アリールピペラジン合成研究 : Buchwaldアミノ化反応の改良 33 |
4.1 背景 33 |
4.2 改良への考察 33 |
4.3 溶媒系への考察 35 |
4.4 リガンドの選択 37 |
5. アリピプラゾール不純物との格闘 : ダイマー型不純物の混入 37 |
5.1 背景 37 |
5.2 1,1-ジアリールエタン基本骨格の合成 38 |
5.3 アミノ化反応によるアリールピペラジン導入 40 |
5.4 もう一つのダイマー 40 |
5.5 不純物の起源 41 |
6. まとめ : プロセスという旅 41 |
【第II編 基礎的反応】 |
第1章 触媒的不斉炭素-炭素結合形成反応(柴﨑正勝,金井求) |
1. はじめに 45 |
2. Lewis酸-Bronsted塩基型多点認識不斉触媒ALBを用いた触媒的不斉Michael反応 45 |
3. Zn-Linked BINOL錯体を用いたα-ヒドロキシケトンの触媒的不斉アルドール反応および触媒的不斉Michael反応 47 |
4. Lewis酸-Lewis塩基型多点認識不斉触媒を用いたケトンの触媒的不斉シアノシリル化反応 50 |
5. おわりに 53 |
第2章 有機リチウム反応剤のキラル配位子制御による不斉付加反応(富岡清) |
1. はじめに 55 |
2. キラル活性化剤の設計と合成 55 |
3. 不飽和イミンへの不斉共役付加反応 56 |
4. 不斉共役付加-脱離反応によるビナフチルの触媒的不斉合成 59 |
5. イミンへの不斉1,2-付加反応 60 |
5.1 イミンを活性化し,不斉収率も高く,容易に外しやすい窒素上置換基 62 |
6. 窒素上置換基による不飽和イミンの位置選択性の制御 64 |
7. 有機リチウム類の不飽和エステルへの不斉共役付加反応 65 |
8. その他の反応への適用 68 |
9. おわりに 68 |
第3章 環境調和型反応の開発(田辺陽) |
1. 序論 71 |
2. チタン=クライゼン縮合・アルドール付加の開発と有用ファインケミカルズ合成への応用 71 |
2.1 はじめに 71 |
2.2 基本的性能 72 |
2.3 天然大環状ムスク香料 : Z-シベトン・R-ムスコンの短段階・実用合成 73 |
3. 最近のエステル化・アミド化・スルホニル化・シリル化の動向 76 |
3.1 はじめに 76 |
3.2 エステル化 77 |
3.3 アミド化 83 |
3.4 スルホニル化 85 |
3.5 シリル化 86 |
第4章 パラジウム炭素を触媒とする鈴木-宮浦カップリング反応(西田まゆみ) |
1. 鈴木-宮浦カップリング反応について 90 |
2. 鈴木-宮浦カップリング反応工業化における問題点 91 |
3. 添加剤無添加でのカップリング 93 |
4. ホスフィン以外の添加剤の検討 93 |
5. ホスフィンを添加剤とした検討 95 |
6. 配位子効果 96 |
7. まとめ 98 |
第5章 進化するBINAP化学(齊藤隆夫) |
1. はじめに 100 |
2. 不斉配位子の設計 101 |
3. SEGPHOS配位子の合成 105 |
4. 高活性錯体触媒の調製 106 |
5. 置換ケトン類の不斉水素化反応への応用 107 |
6. SEGPHOS配位子の進化 : カルバペネム系抗生物質鍵中間体の合成 108 |
7. おわりに 112 |
第6章 アルツハイマー型痴呆治療剤アリセプト重要中間体に関する新製造法(阿部太一) |
1. はじめに 114 |
2. 修飾アミンの検討 116 |
3. アミン体4の抑制 118 |
4. 反応条件の最適化 119 |
5. Red-ALP還元反応の反応機構 121 |
6. SMEAHの成分に関する考察 123 |
7. 他の基質への適用 125 |
8. おわりに 127 |
第7章 新規脱アセチル化剤の開発―抗癌抗生物質FK317工業化研究―(五島俊介) |
1. 概要 129 |
2. オリジナルプロセス 130 |
3. スケールアップKH 130 |
4. 新規脱アセチル化反応条件の探索とNMHA法の開発 131 |
5. 新規脱Ac化剤のデザイン 133 |
6. アミノヒドロキシルアミン誘導体の合成 134 |
7. アミノヒドロキサム酸の脱アセチル化能(モデル実験) 136 |
8. FR066973脱アセチル化反応 137 |
9. 選択的脱アセチル化剤としてNMHAとの比較 139 |
【第III編 合成の自動化】 |
第1章 ロボット合成(菅原徹) |
1. はじめに 145 |
2. ロボット合成 145 |
3. 自動化の現状と将来展望 147 |
3.1 装置の改良・改善の延長線上での自動化装置の開発 148 |
3.2 新しいアプローチによる自動合成装置の開発 149 |
3.3 多分野の科学との共同・融合を考慮した自動化装置の開発 150 |
4. 最適反応条件探索装置の開発 151 |
4.1 3-(1-Hydroxyethyl)-4-acetoxyazetidine-2-onの選択的アシル化反応 152 |
4.2 最適反応条件探索装置(PROW)の開発 153 |
5. おわりに 158 |
第2章 マイクロリアクター(吉田潤一,菅誠治) |
1. はじめに 160 |
2. マイクロリアクターとは 160 |
3. マイクロリアクターを用いた反応 161 |
3.1 微少量での反応・合成 161 |
3.2 大きな表面積を生かした反応 164 |
4. 自動マイクロ合成システム 168 |
5. おわりに 170 |
第3章 自動合成装置MEDLEY(大寺純蔵,折田明浩) |
1. はじめに 172 |
2. ワンポットプロセス設計概念 173 |
3. スルホンの2重脱離 174 |
3.1 ビタミンAの合成 175 |
3.2 アセチレンの合成 177 |
4. ワンポットプロセスを指向した自動合成装置 179 |
5. おわりに 182 |
【第IV編 工業的製造プロセス】 |
第1章 7-ニトロインドール類の工業的製造法の開発(藤林良一) |
1. はじめに 187 |
2. インドールからの7NI合成検討 188 |
2.1 従来の知見 188 |
2.2 当社開発法 188 |
3. 工業化検討 191 |
3.1 硝酸アセチルの安全性評価 191 |
3.2 1-AI-2-SNのニトロ化反応の安全性評価 194 |
3.3 安全対策 195 |
4. おわりに 196 |
第2章 セフジトレンピボキシルの工業的製造法の開発(村井安) |
1. はじめに 197 |
2. プロセス開発―1(Z体の精製法確立) 198 |
3. プロセス開発―2(Z体の選択的製造法確立) 199 |
4. 安価な製造法(MTHA,NaIのリサイクル) 202 |
5. CDTR-PI結晶の非晶化(RCFプロセス) 203 |
6. おわりに 207 |
第3章 インドロカルバゾール系抗腫瘍剤のプロセス研究(川崎雅史) |
1. 序論 209 |
2. 合成戦略 210 |
3. 各フラグメントの合成 211 |
3.1 インドロカルバゾールフラグメント4の合成 211 |
3.2 グリコシル化 213 |
3.3 ヒドラジンフラグメント3の合成 214 |
3.4 重要中間体20への変換 215 |
4. 最終工程 216 |
5. 結語 217 |
第4章 プロセス化学と生物変換技術(上田誠) |
1. はじめに 219 |
2. 発酵および微生物変換法によるグルコースからのL-リボースの製造 220 |
2.1 Ribitol発酵技術の開発 220 |
2.2 工業生産可能なプロセスの構築 221 |
3. (R)-α-Hydroxy-γ-butyrolactone合成ルートの探索 221 |
3.1 酵素法によるD-Maleteの合成 223 |
3.2 (R)-α-Hydroxy-γ-butyrolactoneの合成 223 |
4. 3,6-ジ置換ピリジン誘導体の合成 224 |
4.1 酵素変換法によるCHPの合成 225 |
4.2 CHP結晶の取得と合成展開 225 |
5. おわりに 226 |
第5章 新規アデノシン拮抗剤FR120838の製造プロセス開発(橋本典夫) |
1. はじめに 228 |
2. FK838のプロセス開発(Aルート) 228 |
3. FK838のプロセス開発(Bルート) 231 |
3.1 アセチルフェニルアセチレン(FR128469)の合成 231 |
3.2 N-アミノピリジンの1,3-双極子付加反応 233 |
4. おわりに 236 |
第6章 ムスカリンM3受容体拮抗剤の製造プロセス開発(飯田剛彦,間瀬俊明) |
1. 序論 238 |
2. 好ましい原薬の形状の決定 238 |
3. 製造プロセス確立のための合成計画 240 |
4. カルボン酸重要中間体2の製造プロセス 240 |
4.1 ジオキソラン13の合成 240 |
4.2 ジオキソラン13とシクロペンテノン(6)のMichael反応 241 |
4.3 ケトン16の脱酸素フッ素化反応とカルボン酸重要中間体2の合成 243 |
5. 反応安全性評価 244 |
6. アミン重要中間体3の製造プロセス 245 |
6.1 初期合成検討と合成計画 245 |
6.2 ピペリジン中間体25の合成 246 |
6.3 2,6-ジブロモピリジン(27)の選択的ホルミル化反応と還元的アミノ化反応 246 |
6.4 芳香族アミノ化反応 248 |
6.5 アミン重要中間体3の合成 250 |
7. 最終工程 251 |
8. 結語 251 |
第7章 抗高血圧薬塩酸エホニジピン原薬の製造研究(松本浩郎) |
1. はじめに 253 |
2. ホスホン酸エステルの導入 254 |
2.1 アセトニルホスホネートの製造 254 |
2.2 従来のα-アセチルスチリルホスホネート製造法 254 |
2.3 アミナール法 255 |
3. 塩酸塩エタノール溶媒和物の安定性 259 |
4. 光学活性体の製造研究 260 |
4.1 ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬と光学活性 260 |
4.2 ジアステレオマー分割法 260 |
4.3 不斉合成法 261 |
4.4 光学異性体分離カラムを用いたクロマト分離 261 |
4.5 光学活性体の塩酸塩製造 263 |
5. おわりに 264 |
第8章 新光化学反応用紫外線照射装置を用いたビタミンD誘導体の合成(三上哲弘) |
1. 緒論 266 |
2. 照射紫外線波長の選択 268 |
3. ラボ機を用いた照射装置の選択 271 |
3.1 300nm付近に発光極大を有する蛍光灯を利用した装置 271 |
3.2 300nm付近の光を透過する溶液フィルターを利用した装置 272 |
3.3 300nm付近の光を透過する誘電体膜フィルターを利用した装置 273 |
3.4 三装置の比較・決定 275 |
4. 試作機の設計と条件検討 275 |
4.1 誘電体膜フィルターの透過波長領域 275 |
4.2 照射方式の選択 276 |
4.3 反応条件設定(濃度と基質量) 277 |
5. 様々なビタミンD誘導体の合成 277 |
6. 結語 278 |
第9章 ノスカール錠用固体分散体の工業化(萩澤稔,池田正弘) |
1. はじめに 280 |
2. 非晶性の判定 281 |
3. 非晶化の基本製法の選定 282 |
3.1 析出法 282 |
3.2 濃縮法 283 |
4. パイロット機を用いた噴霧乾燥法の条件検討 285 |
5. 実設備による実液テストと試製状況 288 |