はじめに i |
第I部 種内の多様性の評価と保全 |
第1章 発芽生態学の技法 3 |
1.1 休眠・吸水・発芽 5 |
(1)休眠の解除/発芽に適切な条件 5 |
(2)休眠の解除 6 |
(3)発芽をもたらす生理的プロセスと休眠 6 |
(4)相対的休眠 8 |
1.2 休眠とその解除 10 |
(1)休眠の多様性 10 |
(2)休眠の解除・誘導をもたらす要因 11 |
Box-1.1 ヌルデの硬皮休眠解除に必要な条件 16 |
Box-1.2 親植物体の上での休眠の発達と種子の休眠状態の変動性 19 |
1.3 発芽の温度依存性と発芽のタイムコース 19 |
Box-1.3 発芽の温度・時間依存性を記述するモデル 21 |
1.4 休眠・発芽温度特性とそのスクリーニング法 22 |
(1)休眠・発芽温度特性の大きな種間差 22 |
(2)発芽を支配する環境要因としての温度の重要性 23 |
(3)休眠・発芽温度反応のスクリーニング法 24 |
(4)段階温度法で得られるさまざまな種特異的反応パターンとその解釈 25 |
(5)スクリーニング研究が明らかにした種子発芽戦略 31 |
Box-1.4 段階温度法の実際 29 |
Box-1.5 段階温度法を用いた比較発芽生態学の研究 32 |
1.5 種子の寿命と運命 39 |
(1)保存時の環境条件と種子の寿命 39 |
(2)種子の寿命と土壌中の種子の運命 41 |
(3)土壌シードバンクと休眠・発芽戦略 42 |
(4)土壌シードバンクの動態を支配するプロセス 45 |
Box-1.6 種子の運命を追跡するための「埋士/回収法」 43 |
第2章 光環境の調査・評価法 49 |
2.1 光環境の測定 50 |
(1)センサーを用いた測定 50 |
(2)全天写真による測定 55 |
Box-2.1 相対光量子束密度の測定手法 54 |
2.2 保全対象となる植物の生育に適した光環境の検討方法 58 |
Box-2.2 相対成長率(RGR) 59 |
第3章 植物の保全遺伝学的解析・評価法 63 |
3.1 DNAマーカーを用いたジェネットの識別法 65 |
Box-3.1 ジェネットの識別法 66 |
3.2 交配実験による繁殖様式や近交弱勢の推定法 67 |
(1)繁殖様式の推定法 67 |
(2)近交弱勢の推定法 69 |
Box-3.2 人工授粉実験による繁殖様式の推定方法 68 |
3.3 個体の由来集団の推定法 70 |
(1)アサインメントテスト 70 |
(2)Paetkau et al.(1995)のアサインメント手法(狭義のアサインメントテスト) 75 |
(3)由来の確率的判定(Exclusion Test) 77 |
(4)アサインメントテストの精度 78 |
(5)その他のアサインメント法 79 |
Box-3.3 フリーソフトウェアGeneClass2を用いた解析手順 71 |
Box-3.4 グループ単位のアサインメントテスト 76 |
第4章 外来魚の保全遺伝学的解析・評価法 83 |
4.1 「外来魚」の遺伝学的調査 85 |
(1)「見えない外来魚」の遺伝的手法による検出 85 |
(2)ミトコンドリアDNAの塩基配列データの利点と限界 86 |
Box4.1 「見えない外来種」検出のためのマーカー選択戦略 86 |
4.2ミトコンドリアDNA塩基配列にもとづく調査法 88 |
(1)サンプル調整とDNA抽出 88 |
(2)PCRによる増幅 89 |
(3)塩基配列の決定 91 |
(4)データベース検索 92 |
(5)系統学的解析 92 |
(6)ハプロタイプの頻度と系統情報の検討 96 |
(7)参考情報との照合 97 |
Box-4.2 プライマーの設計 91 |
Box-4.3 サンプリングにおける留意事項 93 |
第II部 種・個体群の評価と保全 |
第5章 生物多様性情報の整備法 108 |
5.1 地理情報の整備技法 106 |
(1)位置情報の必要性 106 |
(2)GISによる位置情報の取得 106 |
(3)GoogleMapsの活用 107 |
(4)電子地図帳ソフトの活用 109 |
(5)アドレスマッチングによる方法 110 |
(6)分布図の作成 110 |
Box-5.1 手軽に位置情報を入力する方法 108 |
Box-5.2 オープンソースGISの利用 111 |
Box-5.3 生物多様性情報の集計解析と豊富なデータセットを提供するDIVA-GIS 112 |
5.2 地理情報の記述様式 113 |
(1)自然地名と住所 113 |
(2)地点精度と形状の記述 113 |
(3)座標系と測地系 114 |
(4)絶滅危倶種に関する地理情報の公開 114 |
5.3 生物多様性データの標準フォーマット 115 |
(1)データスキーマ 115 |
(2)Darwin Core version 1.4 115 |
(3)Darwin Coreにおける採集日の記述 120 |
(4)Darwin Coreの必須項目と拡張項目 120 |
(5)メタデータの整備 121 |
5.4 生物多様性情報の発信 121 |
(1)GBIFとサイエンスミュージアムネット 121 |
(2)情報発信の方法 128 |
(3)自然史博物館や研究機関の役割 124 |
5.5 生物多様性情報の創出に向けた課題 125 |
第6章 広域スケールでの生物空間分布解析法 129 |
6.1 空間分布解析における問題 131 |
6.2 生息の指標と環境条件-一般化線形モデル 132 |
Box-6.1 統計モデルのパラメータ推定-ロジスティック回帰と最尤法 183 |
6.3 環境条件と空間スケール-バッファー解析とカーネル解析 135 |
Box-6.2 距離カーネルを用いた解析例 137 |
6.4 「隣は似ている」分布データ-条件付き自己回帰 138 |
Box-6.3 条件付き自己回帰モデル(CAR)の適用例 139 |
6.5 時間変化する空間分布-パーコレーションモデル 141 |
Box-6.4 待ち時間の確率-パーコレーションモデルの尤度142 |
6.6 データの不完性への対応 144 |
(1)発見率を考慮した統計モデル 144 |
(2)在のみデータからの分布予測 145 |
Box-6. 5出現確率と発見率を同時に推定する 146 |
6.7 評価と予測に活かす 148 |
(1)より現実的な統計モデルの構築 148 |
(2)不確実な未来の予測 149 |
Box-6.6 階層的に自然をとらえる-階層ベイズモデル 150 |
6.8 今後の発展方向 152 |
第7章 生物個体数の指標化法 157 |
7.1 全国長期モニタリング調査の特徴 159 |
(1)測定誤差 160 |
(2)欠損値 150 |
(3)調査員による違い 160 |
7.2 個体数変化の指数化法 161 |
(1)一般化線形モデル 161 |
(2)一般化加法モデル 164 |
(3)階層モデル 168 |
Box-7.1 一般化線形モデルを用いた個体数指数推定 162 |
Box-7.2 一般化加法モデルを用いた個体数指数推定 165 |
Box-7.3 階層ベイズモデルを用いた個体数指数推定 167 |
7.3 個体数指数の解析法 158 |
(1)個体数指数の要約-「警報システム」 169 |
(2)個体数指数の一般化-統合指数と比較法 170 |
7.4 生物個体数指標化の意義 173 |
第8章 水辺の侵略的外来種排除法.179 |
8.1 わが国の里地里山の水辺の侵略的外来種の現状 180 |
8.2 排除の計画・立案 181 |
8.3 侵略的外来種の影響と排除の実例 182 |
(1)オオクチバス 182 |
(2)アメリカザリガニ 184 |
(3)ウシガエル 189 |
(4)排除イベントにあたっての注意と排除後の個体および餌の処理 190 |
Box-8.1 石川県におけるオオクチバスの排除 184 |
Box-8.2 石川県と千葉県におけるアメリカザリガニの排除 187 |
8.4 排除を通じて得られる情報 190 |
(1)侵略的外来種の効果的な排除手法の評価 190 |
(2)排除による侵略的外来種への効果 192 |
(3)排除による在来生物相の回復への効果 193 |
(4)排除の際のコストと努力量 195 |
Box-8.3 除去法による個体数推定 191 |
Box-8.4 胃内容分析1 94 |
8.5 モニタリング 196 |
8.6 地域の理解の必要性と情報の共有 196 |
Box-8.5 オオクチバス侵入に対する地域の予防策 197 |
第III部 群集・生態系の評価と保全・再生 |
第9章 食物網構造・栄養段階の評価法 208 |
9.1 安定同位体解析の利点 205 |
Box9.1 胃内容物から栄養段階を推定する方法 205 |
9.2 安定同位体を用いた解析 206 |
(1)指標としての安定同位体 206 |
(2)食物綱解析 206 |
(3)研究例 208 |
9.3 同位体比の分析とデータ解析 209 |
9.4 混合モデルを用いた解析 209 |
Box-9.2 同位体比分析の手順 210 |
Box-9.3 栄養段階と食物連鎖長の算出方法 213 |
9.5 今後の展望 214 |
第10章 水田害虫に対する捕食性天敵の機能評価法 217 |
10.1 広食性天敵の害虫抑制効果の評価法 217 |
(1)天敵による害虫被害の抑制の仕組み 219 |
(2)イネ害虫に有効な広食性天敵の特定法 222 |
Box-10.1 生命表解析と変動主要因分析による広食性天敵の役割評価 220 |
10.2 野外実験による因果関係の検証法 230 |
10.3 農家の参加による生きもの調査とデータ活用 232 |
10.4 今後の課題 233 |
第11章 水文・水質環境の調査法 239 |
11.1 水収支の調査・算定方法 242 |
(1)地下水位・湛水水位の測定242 |
(2)降雨・蒸発散の測定 248 |
(3)透水性の測定 249 |
Box-11.1 ゲージ圧式水位計と絶対圧式水位計 243 |
Box-11.2 水位計の設置方法と水位計算方法 244 |
Box-11.3 GPS測量 245 |
Box-11.4 気象データの取得 246 |
Box-11.5 地下水の流量と透水係数および透水量係数 251 |
Box-11.6 オーガーホール法による透水係数の測定法 252 |
11.2 水質の調査方法 253 |
(1)電気伝導度(EC)の測定 253 |
(2)栄養塩類濃度の測定 254 |
Box-11.7 イオンクロマトグラフィー法によるイオン濃度の測定法 255 |
第12章 リモートセンシングによる植生評価法 259 |
12.1 ハイパースペクトルリモートセンシングの特徴と利点 261 |
(1)ハイパースペクトルリモートセンシングと植生の分光特性 261 |
(2)ハイパースペクトルセンサーの種類およびデータの取得 |
12.2 ハイパースペクトルリモートセンシングによる植生評価法 265 |
(1)ハイパースペクトル画像の取得と画像処理 266 |
(2)現地の植生調査 269 |
(3)ハイパースペクトル画像・植生データの解析 270 |
(4)絶滅危倶種を含む草本植物の潜在的ハビタットの地図化 273 |
Box-12.1 放射量補正と幾何補正 267 |
Box-12.2 画像データの変換 268 |
Box-12.3 グランドトゥルースとして利用できる既存資料 270 |
Box-12.4 画像の分類 271 |
Box-12.5 種の在・不在データや植生区分などカテゴリーデータのときの推定精度の評価 272 |
第13章 湿地履歴の研究法 277 |
13.1 古生態学の考え方 278 |
13.2 湿地履歴の調査手法 281 |
Box-12.1 湿地履歴の調査手法 282 |
13.3 調査データの解析手法 287 |
13.4 古生態学と保全生態学 291 |
13.5 保全・再生への応用 292 |
第14章 湿地の土壌シードバンク調査法 297 |
14.1 植生の動態と土壌シードバンク 298 |
(1)永続的土壌シードバンクとは 298 |
(2)植生再生への土壌シードバンクの活用 301 |
Box-14.1 湿地植生の動態と土壌シードバンク 300 |
14.2 土壌シードバンク調査法 302 |
(1)実生発生法の利点 302 |
(2)実生発生法による土壌シードバンク調査 303 |
Box-14.2 実生発生法による土壌シードバンク調査 304 |
14.3 参加型プログラムによる湿地土壌シードバンクの調査 309 |
(1)渡良瀬遊水地 309 |
(2)「お宝探し」プロジェクト 310 |
(3)参加型プログラムによる調査の成果 311 |
おわりに 315 |
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