まえがき 1 |
第1章 福島第一原発事故の366日 |
「レベル7」の二つの衝撃 16 |
政府の見解と一致しない不可解な事態 18 |
原子力安全行政の無力さ、無責任さ 22 |
緊迫感に満ち満ちたフジテレビのスタジオ 24 |
再臨界の可能性と都市伝説的言説 27 |
「炉心溶融」=「メルトダウン」ではない 31 |
メディアが垂れ流す「ダダ漏れ」のイメージ 33 |
忘れられた汚染水問題の核心 37 |
問題は電源だけなのか 40 |
放射線障害による「死亡者数ゼロ」は暴論か 43 |
原子力損害賠償法の本質 48 |
「核セキュリティ」の重要性 51 |
失われる絆、その再構築 54 |
自然を破壊する自然エネルギー 56 |
一千年に一度の歴史的教訓 58 |
特別解説 再臨界と再溶融を正しく理解する |
永田町に跋扈したオバケ 59 |
溶融貫通(メルトスルー)の可能性 61 |
シミュレーションはあくまでも〝模擬結果〟 62 |
疑問が残る異常な圧力上昇 65 |
第2章 事故調査・検証委員会 中間報告書を読み解く |
第1節 事故対応─東京電力編 |
各紙が一面で報じた〝人災〟 68 |
全交流電源喪失に要求される異なった措置 70 |
なぜIC(非常用復水器)を止めたのか 73 |
当直の作業から事故を読み解く 76 |
ICを巡る驚くべき事実 78 |
活かされなかった吉田所長の注水指示 82 |
事故は本当に〝人災〟だったのか 84 |
一号機を遥かに上回る水素爆発 89 |
三号機の建屋内で毎時三百ミリシーベルト 92 |
ことなきを得た六号機の津波対策 94 |
「事業者の自主保安努力」という根本的な問題 96 |
第2節 事故対応─政府編 |
活用されなかったSPEEDIの謎 98 |
菅総理の場当たり的な避難指示 103 |
配布されなかった七十万人分の安定ヨウ素剤 104 |
報告書が書かない初動対応の致命的な遅れ 107 |
オフサイトセンターを疑問視する声 110 |
現場をさらなる混乱に陥れた「東電怒鳴り込み」 113 |
メディアが報じた「英雄・菅総理」 115 |
特別解説 ベントの盲点 |
砂や砂利で放射性物質を除去 118 |
ベントの最終的な関所 120 |
すべての原子炉にフィルタードベントを 122 |
第3章 放射能・内部被曝のウソとデタラメ |
チェルノブイリは〝レベル9〟 126 |
被災者の心情に立脚した除染 128 |
被災地を疲弊させる煽りメディアの罪 |
自分に都合の良いデータを持ち出す学者たち 131 |
「福島でも同じようなことが起こる」と煽る 133 |
現地の人たちを恐怖と不安に陥れた一番の原因 137 |
「防護」と「影響」を混同した議論 141 |
人工放射線と自然放射線 144 |
放射能から逃れることで死者が出ている現実 146 |
内部被曝と外部被曝の真実 149 |
計り知れない精神的ストレスと風評被害 152 |
日本には知識と叡智がある 155 |
第4章 報じられない被災者と原発立地住民の本音 |
原発立地地域の置かれている状況 160 |
大座談会 本音で語る「原発と放射能」 |
突然鳴り響いた防災無線 163 |
「このままじゃ本当に凍死する」 166 |
逃げ道がすべて一本道 168 |
「事故は起きませんから」の一点張り 171 |
被災者から見た政府と東電の対応 174 |
「東電、土下座しろ!」 177 |
原発に対する偏見と差別 179 |
「福島に核を持ち込むな!」と叫ぶ 181 |
脅迫電話、町が二分…地元の苦しみ 183 |
国会議事堂を避難所に 185 |
家族、友達との絆がズタズタに 187 |
豊かすぎる世の中 189 |
緊急追加対談 被災者が語る福島の「今」 |
分厚い説明書による賠償金の請求 191 |
一時帰宅と放射線量の現状 193 |
住民感情を無視した「冷温停止状態」宣言 197 |
第5章 原発復活への4つのカギ |
原子力規制庁/ストレステスト/核燃料ミサイル/トリウム原発 |
第1節 原子力規制庁のあるべき姿 |
スウェーデンで発生した「想定外の事態」 202 |
事故の根本原因を突き詰めた三つの要点 204 |
鍵を握る安全規制の定期的な見直し 206 |
信頼を喪失するトップの任期 211 |
世界でも稀な日本の安全審査基準 212 |
原子力規制庁の必須条件 215 |
第2節 ストレステストの真実 |
一次評価は安全評価ではない 216 |
原子炉の〝崖っぷち〟 220 |
野田総理に課せられた責務 224 |
世界に影響を及ぼす原発再稼働問題 226 |
第3節 核燃料サイクルと放射性廃棄物処理 |
そもそも核燃料サイクルってなに? 227 |
「もんじゅ」停止が国益を損なう理由 233 |
「はやぶさ」と「もんじゅ」の違い 237 |
再処理コストと放射性廃棄物の処分法 242 |
第4節 トリウム原発の真贋を見極める |
原子力の理解が格段に高まる三つの言葉 246 |
トリウムだけで動くという誤解 248 |
「トリウム溶融塩炉」最大のトリック 252 |
トリウム溶融塩炉の実像は大型軽水炉 254 |
反核運動とトリウムの真相 256 |
「核廃絶」の先に見える現実 258 |
終章 御用学者と呼ばれて-あとがきにかえて |
まず「赤メガネ」と呼ばれた 264 |
「原発右翼」として声がかかる 266 |
日本経済の疲弊が精神的劣化に結びつく 268 |